《ルンデあしながクラブ推薦コンサート 2001》

磯田未央 ピアノ・リサイタル

MIO ISODA  Piano Recital


【プログラム】
M. ヘイグル:メディテーション
ベートーヴェン:ソナタ ニ短調 作品31−2『テンペスト』
ドビュッシー:『版画』
シューマン:ソナタ 嬰ヘ短調 作品11
未央
●倉敷公演:
   【日時】12月 2日(日)19:00
   【会場】 倉敷市芸文館
   【料金】 全自由席 3000円
   【後援】 倉敷市教育委員会
   【お問い合わせ】 柳井  086-462-3415
            小寺  086-425-3450
●名古屋公演:
   【日時】12月 4日(火)19:00
   【会場】 スタジオ・ルンデ
   【料金】 全自由席 3000円(当日3500円)
         /学生 2000円
   【マネージメント】 ルンデ 052-203-4188
●東京公演:
   【日時】12月13日(木)19:00
   【会場】 すみだトリフォニーホール小ホール
   【料金】 全自由席 3500円
   【お問い合わせ】 磯田 043-255-8844
◎このコンサート・シリーズ全体のお問い合わせは:
    ルンデあしながクラブ 052−223−0655

プログラム・ノート      磯田未央
マシュー・ヘイグル:Meditation(瞑想)【本邦初演】
 この曲は去年のクリスマスに夫から私に贈られた4分ほどのピアノソロ曲である。
 緩―急−緩の古典的な三部形式のなかで、音楽の性質の変化によって夢の中での流れるような心の動きを表現している。それぞれの和音や修飾によって平和に、優雅に、険悪、劇的にと音の色が変化していく。中間の速い部分は不穏にする要素が取り入れられているが、それが終結部に解決され初めのような平和な雰囲気に戻っていく。

ベートーベン:ピアノ・ソナタ 作品31−2《テンペスト》
 この《テンペスト(嵐)》として知られるソナタは1802年に作曲された。しかしこの副題はベートーベン自身がつけたわけではない。これは友人で伝記作家であったシントラーが"このソナタを解く鍵は何か"とベートーヴェンに訊ねたのに対して"シェイクスピアの《テンペスト》を読みたまえ"と答えたということに由来すると言われている。嵐を連想させる第一楽章からこのような副題に繋がったと思われる。常に交互するラルゴ−アレグロのテンポはソナタ形式としては大胆不敵である。第二楽章は第一楽章と同じくアルペジオで始まるが雰囲気はうってかわって穏やかである。始めの主題が中間で戻ってくる時にはアルペジオの装飾が施されたり太鼓のような音が左手に現れたりし、このような細部がこの曲の厳粛さを助長している。第三楽章はまた人心をかき乱すような音楽に戻るが第一楽章と違って動きは永続している。曲の終わりは劇的ではないが大悲劇の終焉にカーテンが静かに落ちると言った感じの終わりかたである。

ドビュッシー:版画
 フランスの作曲家ドビュッシーは東洋の美術・音楽にとても影響を受けた作曲家であるが、この組曲《版画》にも異国趣味がふんだんに盛り込まれている。
 一曲目の《パゴダ》では鐘やゴングの音を喚起させ、インドネシア音楽の音階やテクスチュアを自由に使って神秘的で瞑想的な雰囲気を醸しだしている。
 二曲目の《グラナダの夕べ》では常に刻まれているハバネラのリズムの上にイスラム風のメロディーやギターの旋律などが織り込まれており、グラナダの静かな夕べに流れてくる街場の音を表現している。
 三曲目の《雨の庭》は光輝く雰囲気に富むトッカータで燃え立つような色彩を解き放って終わる。

シューマン:ピアノ・ソナタ 第1番 作品11
 このソナタは1835年に作曲され、後に夫人となるクララ・ヴィーク献呈された。
 第一楽章はシューマンの激烈な情熱性が最も表現されている楽章で、朗読風のゆっくりとした序章からリズミックな主題へと突入する。
 この楽章は悲痛にゆっくりとおわりそのまま第二楽章へと入っていくが、それまでの激烈と緊張感から雪解けのように暖かく静寂な美しいアリアへと移行する。この部分は短くはあるが'全体の中心となる楽章である。
 第三楽章はお祭りに出かけたような雰囲気の活発でユーモラスな軽い音楽で手回しオルガン、三流歌劇団などを連想させる個所が出てくる。終楽章はシューマンの他の作品集楽章にもあるように次から次へといろいろな性格の音楽が行進する。威勢の良い主題と柔らかいやさしい部分が交互したのち最後は疾走して終わる。


 未央のホームページヘ    ページのトップへ戻る    前のページへ