ルンデの会例会

金澤 攝 セザール・キュイ名作選
Osamu N. Kanazawa 〜 Cui

◎『金澤 攝』改名後初のコンサートは、懸案のキュイのまとめを◎

攝

 Cesar Cui (1835−1918)

二つの小品 Op.29 
No.1:ワルツ、No.2:陽気なスケルツァンド
三つのワルツ Op.31 
イ長調、ホ短調、ニ長調
ミニアチュール 第3集 Op.39
スペインのマリオネット、アルバムの一葉、ゆりかごで
マーチ・エチュード、ロマンツェッタ、旅立ちに

アルジャントーにて――九つの性格的小品 Op.40
西洋杉、何事もなく、カプリッチョ、戦争ごっこ、セレナード
おしゃべり、マズルカ、礼拝堂にて、岸壁


プログラムノート
2003年5月10日(土)19時
スタジオ・ルンデ(名古屋市中区丸の内 2-16.-7)
【参加会費】一般 \4,500、ペア \8,000、学生 \2,000 一部座席予約可(160席中約50席)
【予約、お問合わせ】スタジオ・ルンデ  TEL:052−203−4188

《プログラムノート》

『このたび Osamu N. Kanazawa ― 「金澤 攝」に名を改めて活動を再開することとなった。これは昨年のある夜、作曲のインスピレーションさながらに突然頭に降って来たのであった。
 私が本気でこれを受け入れる決断をしたのは多くの理由があったが、偉大なイタリアの伝統(パレストリーナやダ・ヴィンチのごとく、出生地を名乗ること)にあやかりたいという思いと、私が悲願としている、百人を越える作曲家たちの紹介・録音活動を実践していくためには、私個人では背負い切れず、これを金澤という土壌が持つ力に委ねたいという思いからである。郷土に対する愛着や誇りにとどまらず、私自身が金澤の生んだ「作品」であり、作曲も演奏も、総て土地の力の支配・支給を受けているのは疑えない事実である。人は須く時代と地域の申し子とはいえないだろうか。

 さて、その最初のリサイタルのプログラムにセザール・キュイ(1835−1915)を据えた。
 ロシア五人組唯一の未知の作曲家として、かねてから演奏・録音を繰り返してきたが、その典雅で深い音楽性とは裏腹に、余りに非機能的なピアニズム(ピアニストではなかったため)と、極端に困難な暗譜に、あらゆる難曲への挑戦を試みてきた私にして、これ程苦しめられた例はなかった。しかもその困難さは聴き手に殆ど察知されず、余程の演奏をしない限り、下手にしか聞こえないという残酷さ。しかし、人間の立入りを峻拒するかのような険しい難路の彼方に、何と美しい世界が開けていることか。そうしたキュイの実像が伝えられるとしたら、恐らく「五人組中、最も才能に乏しい人物」などという心ない評論家たちの言葉を信ずる人はいなくなるであろう。』(2003. 2. 25 金澤 攝)


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