Concert Pre- & Re-view
2006

コンサートへの期待と反響を紹介。

あなたの一推しコンサートのアピールや、
感想の投稿を歓迎します。

pre





REVIEW 2006
REVIEW 2005 REVIEW 2004 REVIEW 2003 REVIEW 2002 REVIEW 2001
ルンデ最終例会〜小林道夫 (6/25) ルンデあしながクラブ「三人のリサイタル」(6/21)
バルトーク弦楽四重奏団 (6/16-18) 堤 剛 (6/4) 金澤 攝 (6/1)
潮田益子 (5/28) 野原みどり (5/21) 鈴木理恵子 (5/13)
J. ギュンス&四戸世紀 (5/10) 金澤 攝 (5/ 8) 有田正広 (5/ 2)
戸田弥生 (4/29) 舘野 泉 (4/23) 山崎伸子&サハロフ (4/21)
今村泰典 (4/18) 堀米ゆず子&児玉桃〜4 (4/16) 児玉麻里〜7 (4/9)
オーケストラ・アンサンブル金沢 第24回名古屋定演 (3/23) 藤原真理 (3/19)
J・S・T (3/14) 小山実稚恵 (3/10) ヴォルフラム・クリスト (3/5)
久保田巧 (3/3) クス・クァルテット (2/24) 佐藤豊彦 (2/19)
吉野直子 (2/12) 崎元 譲 (2/5) 児玉麻里〜6 (1/31)
和波孝禧 (1/20) 小林道夫 (1/15) 大森智子 (1/7,9)

小林道夫 チェンバロによる「ゴールドベルク変奏曲」
2006年6月25日 スタジオ・ルンデ
○先週のバルトークの時は、まだ一つ例会があると思っていたのですが、とうとう正真正銘の最終例会を迎えてしまい何だか寂しい気分です。もっともバルトークの素晴らしい演奏で華々しくエンディングに向かい、最後は親しいアーチストを、会員だけで囲みしみじみと来し方を顧みるというのも、ルンデらしくて良かったのではないでしょうか。
 これまで、何故かゴールドベルク変奏曲をチェンバロで聴いたことはなく、今回が最初で最後の機会となりました。
 全曲を聴いてみて、この曲以外に最終例会のプログラムはあり得ないと思えるくらい素晴らしい演奏でした。また、アンコールでバッハ/無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ No.3〜Adagio がGで終止しないで終わるというのも、小林さんの想いが現れていて心を打ちました。ルンデの1ファンとしても同じ気持ちですが、どんな事にも終わりはあるので仕方ないですね……。【千種区:J. I. 】
○ルンデの最終コンサート+αで小林道夫さんのゴールドベルクが聴けたことは、ほんとうに良かった。いつも若々しい姿と演奏に敬服していますが、初期には、歌曲や合唱の伴奏者としての活躍から始まって、音楽会にすごく貢献されたことでしょう。
 私はまだ白黒テレビの時代に視たヒッシュの歌う「白鳥の歌」の演奏が忘れられません。(そのライブのLP盤を今もだいじにしています。)きょうの演奏、去りがたい思いが曲がすすむにつれて深まって感動しました。【中村区:M. I. 】
○ルンデの例会の最後を飾るにふさわしい、すばらしい演奏でした。小林さんの音楽に対する姿勢を感じられるコンサートでした。再びルンデのコンサートホールでお会い出来る事を楽しみにしております。
[ルンデ]鈴木様まずもって25年間御苦労様でした。そしてありがとうございました。リム会員、そしてルンデの会員になって約20年。自分の居場所がなくなるようでとても寂しいです。大ホールにない、小ホールの親しみやすい雰囲気の中で、演奏を聴ける喜び! これからどうしたらいいのでしょうか? また再びこのルンデの会場で鈴木様主催のコンサートを聴ける日を楽しみにしております。【西加茂郡:K. M. 】
○休み時間に階段を下りる時のコーヒーの香り、聞く緊張からほっとする一瞬です。
 おいしい飲物、スタッフの皆様ありがとうございました。【Annon.】
○生のチェンバロの演奏を聴くことは、ほとんどありません。すきとおるような繊細な音、複雑な音の響きが帯のように流れていく中で優しい気もちで聴かせていただきました。
 チェンバロ基金の話、制作者・堀さんの話、まさにチェンバロは室内楽のための楽器だと思いました。ルンデの会の最後の演奏会に最も似合っていました。
 又、小林さんのお人柄(私はお人柄を知らないのですが……想像して)、内に熱い思いと強い意志を持っておられ、指先からは、美しい音色をつむぎ出される方とルンデの会主催の方の気もちが伝わってきた嬉しいもったいないぐらいの会でした。ありがとうございました。
[ルンデ]室内楽の魅力を体を通して教えてもらったホールです。大きいことがいいことだ!!という観念を打ちくだいて25年よくも続けてこられました。【広島県:N. T. 】
○最近はクラシックよりポピュラー音楽を聴く割合が多くなっていますが、久しぶりに耳にしたバッハは新鮮に響きました。1998年1月のニューイヤー・バッハ以来(この時は平均律クラヴィーア第1巻)でしたが、しみじみと心にしみ入る演奏でした。ルンデの会の例会はこれで最後ですが、きっと又どこかで聴くことができるでしょう。【熱田区:D. H. 】
○最後のコンサートにまさに相応しい演奏家と素晴らしい演奏で、しかも粋なアンコール曲で、ルンデらしい優終であったと思いました。ありがとうございました。
[ルンデは]会員にしていただいたのは、ほんの少し前のことですが、(何せ全くの素人ですので)会員になる前から、「素敵な音楽を体感したい」という気持ちの人には皆に温かくして下さるようで素晴らしいと思いました。鈴木様はじめ運営にたずさわってきていらっしゃった方々、ありがとうございました。再びここ、ルンデでお目にかかる日を楽しみにしています。【天白区:M. N. 】
○チェンバロのはっきりした音色と、少し悲しげな曲がすごく合っていました。ねむりそうになりました。
[ルンデ]今日でルンデが終わるなんて信じられないし、悲しいです……。本当はもっとつづけてほしかったのに……。ルンデとは別れたくないよ〜……。あとルンデの皆、ありがとう!!【天白区:K. N. 】
○素晴らしい演奏、音色でした。チェンバロの演奏会は2回目ですが前回(昨年9月)は現代曲だったので、少々期待はずれでした。やはりバッハの曲はいいですね。今日は大層快く聴くことができました。ルンデでなくては聴くことのできないチェンバロの演奏だと思いました。【中区:S. H. 】
○ルンデの最後の例会、ルンデらしい雰囲気でとても良いコンサートでした。小林氏の演奏は多少のミスはありましたがこれまでの幾多の例会の時と同様、心安らぐ演奏を堪能させて下さいました。長い間、ありがとうございました。
 小林氏のおっしゃるように、またルンデでお会いできますように。【瑞穂区:J. O. 】
○いよいよルンデの例会も大団円となった。この日は会員だけということで、開演前の雰囲気も通常の例会とかなり違っていた。この日集まってきた人はみんなまちがいなくルンデの「大ファン」であり、従ってルンデの例会が終わることをこの上なく惜しむ気持ちが共通していた。こういう雰囲気での音楽会というのは独特の雰囲気がある。それはやはりなくなってゆくものを惜しむ気持ちであり、淋しい気持ちである。自分にとってもルンデというのは特別な存在であり、オーナーの鈴木さんとはいろんなところで接点があったこともあって、その思い出は限りなく深い。
 この日の小林さんの演奏も、そういう意味で、なかなか平常心で聴くことはできなかった。そして演奏を聴きながら、いろんなことを思い出していた。いうまでもなくこの曲はアリアではじまり、同じアリアが最後に繰り返されて終わるわけであるが、曲の進行を追いながら、これは旅人が自分の家を出て長い旅に出、いろんなところでいろんな体験をして最後にまた自分の家に戻ってくる曲ではないだろうかと思ったりしていた。旅は静かに始まり、第12変奏くらいまではその変化はあまり大きくないが、第13変奏ぐらいからは少しずつそれまでとは違った世界への旅が始まり、第25変奏でいったん静かになるが、第28、29変奏あたりで頂点に達し、第30変奏では自分の家に近づいてきたという雰囲気になる。そして最後のアリアで、なつかしの我が家に戻ってくるのである。そしてこれはルンデの25年と重ねて聴くこともできるだろう。25年前、ルンデはその輝かしい旅を始めた。25年間の旅の間にはうれしかったこと残念だったこと悲しかったことなど数限りないことがあり(当日もそれまでのさまざまな「事件」の一部が紹介された)、そして今、旅の始まりに戻ってルンデは静かに入口の扉を閉じたのである。
 ただ、ひとつの救いは、ルンデの自主企画による例会は終了しても、ルンデそのものがなくなるわけではないということであるが、例会独特の雰囲気が再現されることはもうたぶんないだろうと思うと、やはり淋しく、また悲しい思いでいっぱいである。階段にぶら下がっていたいろんな写真などもそのうちになくなってしまうのであろうか。ルンデで得たさまざまな体験はおそらくもう少ししてからじわっと心の中で拡がってくるのだと思う。
 スタッフのかたも一部はこのまま残るということだが、二人おられた女性のスタッフのうちお一人は今日限りでルンデとはお別れだということであった。この日はパーティーの終わる前に失礼したので女性スタッフのかたお二人と入口でお別れしたのだが、「これからも互いに元気ですごしましょう」といってお別れしたものの、やはり淋しかった。涙が出そうになってそそくさとその場を離れてしまったが、このときのことはおそらく一生忘れないであろう。【知立市:T. S. 】
○もっと早くアンケートを提出と、思っていたが、感慨無量で、中々出だしの文章が出てこない。ともかく、当日のゴールドベルク変奏曲について述べる。チェンバロをこんな長い時間、聴いたのははじめてだが、バッハの世界に入りこんでいくのに、しばらく時間がかかった。わが家では寝る時にピアノ版のゴールドベルクをかけたりする。大抵眠ってしまうので、後半の部分が珍しかった。バッハはこの大曲だけでも名を残す人だ。昔風の云い方だが、三大Bは、すべて好きだ。バッハに関しては、テレビで、宇宙飛行士の毛利衛氏が「バッハは宇宙の音楽だ」という趣旨で、宇宙へはバッハのカセットを持参するというのが、最高の批評でないか。今回は、私も、この長い曲を、宇宙からの曲と感じながら聴いた。実にぴったりだった。【中区:T. F. 】
○どうしてもルンデのチェンバロを聴いておきたくて、何の予備知識もなしに聴いてしまいました。とはいえ、淡々と弾いていらっしゃるように見えながら(それがまたよかった)、これほどいろいろな表情の変奏があるのかと。一つ一つの Variatio が月並みな言い方ながら個性豊かに聞こえたのが(あるときは琴の音を思わせ、あるときは、色彩があふれた絵のように、時にはモノトーンで描いた月の光のようにと)新鮮でした。チェンバロの音色の多彩であることもしっかり味わえて、とてもおいしい思いをしました。
 これでおしまいかと思うと、惜しんでも惜しみ足りない。小林氏がおっしゃったように、また、こんな機会があればと思います。【瑞穂区:H. A. 】
○ルンデ25周年コンサートで、小林道夫先生の「ゴールドベルク」を拝聴でき、ほんとうに感無量でございました。お若い頃から「貴公子的な気品のある先生の音楽」「折りにふれて頂く、お教えのお言葉」「聴衆に対する限りないお優しさ」等に、たいへん感銘を受け、啓発され、勉強になりました。
 今回も、名曲「ゴールドベルク」を長時間に亘って、身じろぎひとつされないで弾き続けられる先生の端正なお姿に、先生の音楽へのひたむきな情熱と凛冽たる音楽観を改めてお教え頂いた想いでございます。先生のゴールドベルクの玲瓏たる音色に魅了されながら、ルンデ「最終会」という運命に深い哀惜の念を禁じ得ませんでした。
 ルンデは、日本の、名古屋の音楽の名所、文化財だと思っていました。日本および世界中の高レベルのすばらしい音楽を、コーヒータイムつき、低料金で拝聴でき、演奏終了後は、普通では近づけないような演奏家の近くでサインして頂き、写真まで撮って頂きました。「夢よ、再び」と思っても叶えられないでしょうか。【名東区:S. S. 】
○何人もの演奏者に何回も聴かせてもらったゴルトベルクも、例会では今回が最終回、約10年ぶりの小林さんの演奏を心ゆくまで楽しませてもらいました。今回は指の見える席でしたので、演奏が視覚的にも味わえました。本当にいい音色で、変奏の味わいも今回は格別でした。最後にアリアに戻ると、もう胸が一杯で涙が出そうでした。調性的に中途半端に終わる珍しいアンコールをやってもらえ、それも心に残りました。素晴らしいチェンバロ導入に協力してくださった先輩方に、大いに感謝しています。【緑区:K. I. 】
○小林さんの演奏の素晴らしさは充分承知しておりますので、今回はルンデのチェンバロを初めて聴くのを楽しみにしておりました。聞いてみて、音色若々しく、力あふれ、つい、杜甫の詩をもじって「楽器 歌わんと欲」しているように思って聞きました。十年後、二十年後の音色を聞いてみたいもの、との思いです。有難うございました。【横浜市:N. S. 】
◎さよならパーティーに出席して
 これまで個人的にはあまりお話したことのなかった多くの方とルンデの想い出を語ることが出来ました。皆さん、音楽への強い思い、興味を持っている方々ばかりで、今更ながら素晴らしい聴衆に囲まれていたんだなと実感させられました。アーチストも認める質の高い聴衆の一端に加われた事は、私の誇りとする所です。今後、このような環境で音楽を共有できる機会が訪れるのかと考えると、少々悲観的になってしまいます。
 ただ、ここで育った聴衆が核になり、「音楽に対する好奇心」、「アーチストと聴衆との間の親密かつ緊張感に満ちた関係」等が、名古屋の音楽界に広がっていけばいいなと感じています。【千種区:J. I. 】

インデックスへ戻る

《ルンデあしながクラブ推薦コンサート》「三人のリサイタル」
2006年6月21日 愛知県芸術劇場
コンサートホール
○原田綾子さんは格段に上達した。昨年の電気文化会館のときとは別人のようだった。
 昨年はピアノを弾くことに一生懸命であまりゆとりを感じられなかったが、今日は楽しんで、ピアノを弾いているように感じた。からだ中でピアノを弾き、こちらも楽しむことができた。この半年間の練習ぶりがうかがえる。さらに人生経験を積んで円熟味を加え世界にはばたいていくことを祈る。
 吉田文さんのオルガン音楽は、よくわからない。パイプオルガンを聞くのが2回目。自分でも言っているように、日本ではなかなかきく機会が少ない。
 星川美保子さんの声はすき通っていて、心の中をスーと通り過ぎていくようで気持ちがよかった。日本の歌は打って変わり生死を扱う激しい感情の歌であった。その歌を感情を込めて歌っていてきく方も引き込まれていった。【春日井市:M. A.】
○原田さんの演奏、感動しました!!バルトークの難曲も弾きこなし、リスト、ショパンは大変美しく繊細でした。きれいなppと深みの有る力強いffは彼女の大きな魅力です。ぜひ、定期的な演奏会をお願いします。次回のコンサートを心から楽しみにしています。【A. Y. 】
○オルガンの伴奏というのは初めてですが教会にいるようでいいですね。
 それにしても三人とも美人で実力がありすばらしい。こちらにとって初めての曲の方が多かったこともかかわらず、目も耳も十分満足したような。
 あしながクラブの眼の確かさには感心しました。【江南市:T. M. 】
○原田さん:バルトーク曲の演奏、とても良かったです。さすがと思いました。シューマン曲もきれいでした。スケルツォは、聴いた位置が遠く、ちょっと弱音が聴こえませんでした。
 星川さん:いつ聴いても魅力的な声です。ブーランジェ曲、夕べの星が美しかったです。日本語の歌は、作曲のせいでしょうが、100%は聴いていて分かりませんでした。「サルビア」位を歌って欲しかった(声の質より)、原田さんの伴奏、素晴らしかった。(蓋は全開にして欲しかったが)。
 吉田さん:交響曲、すごい! 曲も面白いですね。体力のいる演奏に、そちらの方も感心してしまいました。【緑区:K. I. 】
○オルガン演奏をはじめて聞きました。体力的にも大変なことだと思いました。3人の若い人達の活躍を祈っています。【尾張旭市:S. A.】
○音楽らしい音楽に感動しました。音一つ一つが素晴らしいですね。もう一度聞きたい、と思いました。みんな姿勢がいいですね。
 日本歌曲について言えばもう少し話をする感じで歌ってもらえたら感動が違うんですが。何か大きな声を出そうとしている様に感じますが。
 パイプオルガンについていえば文ちゃんが常に平静に心がなっているのでしょうね。何事もない様に音楽がすぎていきます。【港区:H. N. 】
○音楽会は人生の花、果実の一つであり、心がおどり、愛が生まれます。素晴らしい一瞬が押しよせる時でもあります。【緑区:A. K. 】
○どの演奏も大変すばらしく、大変よかったです。特に久しぶりに聞く吉田文さんの演奏は数年前と違いテクニックだけでなく音に深みが増し初めて聞く曲でしたが、楽しく聴くことができました。
 星川さんの歌声も今回は余り、ダイナミックさを聞ける曲ではなかったので、わかりませんが、細くすき通る声とても素敵でした。【Annon.】
○みなさんすばらしい演奏でした。ルンデあしながクラブがなくなるのは非常に残念ですが、みなさま、これからも良い演奏を続けて下さい。応援しています。【緑区:Y. S. 】
○パイプオルガン、声楽、それぞれの共演、すべて初体験でした。初体験に今回のリサイタルを聴くことができ今後興味を大いに持ちました。ありがとうございました。【Annon.】
○今夕は若い3名の方の演奏を有難うございました。楽しく過ごすことが出来ました。鈴木さんには長い間ありがとうございました。【Annon.】
○最終回の発表ということで、各出演者とも心の入った演奏、歌唱が感じられ、感動しました。【一宮市:K. S. 】
○久しぶりにオルガンの音色を楽しみました。3人とも素晴らしい演奏を聴かせてくれましたが、一番印象に残っているのは星川さんによる前半の3曲です。実に美しい曲でした。
 原田綾子さんピアノ、バルトークは結構面白かった(苦手な私でも楽しめた!)し、シューマンの献呈はロマンスに溢れてついうっとり聴き惚れてしまい、ショパンのスケルツォ(この曲好きなんです)は華々しく締めくくった好演。
 ソプラノの星川美保子さんとオルガンの吉田文さんによる、ラングレイ、ブーランジェ、カルク=エラートの3曲は今回のコンサートで一番印象に残りました。3曲とも素晴らしいし、演奏も曲の魅力を余すことなく伝えていたと思います。素晴らしい曲と演奏による至福のひとときでした。
 ソプラノの星川美保子さんとピアノの原田綾子さんによる三つの日本の歌曲、こちらもなかなか良かったですが、日本語の発音と西洋音楽というのはあまりしっくりいかないものでしょうか?これはこの演奏に限ったことではないのですが……音楽は実に美しいので、ちょっと惜しい。
 最後の吉田文さんのオルガンによるヴィエルヌのオルガン交響曲。5楽章による堂々たるシンフォニーですが、ちょっと堅苦しさも。「自由な作風による24の幻想曲」という小品集の方がどちらかというと好みですが、それはともかく、久しぶりに堂々たるオルガン・サウンドを堪能しました。
 プレ・コンサートのシャコンヌは途中から聴きましたが、これも素晴らしい演奏でした。【熱田区:D. H. 】
○三人三様のすばらしい演奏をたのしませていただきありがとうございました。
 ピアノは繊細な音から力強い音までよく響いていました。丁寧なおじぎも心に残りました。
 声楽は初めて聴く曲ばかりでしたが、オルガン、ピアノ共に美しいソプラノがすばらしかったです。「夕べの星」「瞳」が個人的には好きです。
 多彩な音色を奏でられ、つくづくオルガンは奥の深い楽器だと感じました。それにしても、手足バラバラに動く様はサーカスを見ているみたい!よく「神の手」と言う表現を聞きますが、私は“神の足”と呼びたいです。
 詢先生、すばらしいコンサートを沢山企画していただきありがとうございました。【M】
○とても迫力がありながら、最初から最後までゆったり添えるようななめらかな演奏で心落ち着きました。
 このような日常からかけ離れ、普段の疲れも飛んでいくような素晴らしいコンサート、またこういった機会が是非あればと思います。【春日井市:A. I. 】
○原田綾子さんのピアノを聴きに参りましたが、他の方のソプラノもオルガンも素晴らしい!! 癒されますわ。【千種区:A. S. 】
○吉田文さんを私は多治見の修道院で小さい頃よりきいていましたが、パイプオルガンの音色がとても新鮮にきこえました。素晴らしい「迫力」があり感動です。増々立派になられると思います。
 原田綾子さんのピアノ、なめらかな音。気分良く聞かせていただきました。
 星川美保子さんの声は、本当にあの身体から出ているのかと思うほどきれいなお声、うっとりときかせていただきました。
 この度の三人の演奏会とても良かったです。良い企画でありがとうございました。【春日井市:K. T. 】

インデックスへ戻る

バルトーク弦楽四重奏団 ラスト・コンサート
2006年6月16日〜18日 スタジオ・ルンデ
●第1日:16日
○期待通りの演奏でした。今後も何らかの形で企画、演奏会を期待しています。
[ルンデ]2002年の漆原姉妹の演奏会以来、機会を見てお邪魔させて頂きました。 【中区:Y. T. 】
○今夜のバルトークでは、第2番の第2、第3楽章、モーツァルト第14番では第2楽章以降とアンコールのメヌエットの演奏が好きです。いかにも「バルトーク節」が生きていましたし、モーツァルトの音楽の美しさ(カノン風の出だし等)が際だっていました。モーツァルトの第4楽章やニ短調四重奏のメヌエットのコムロシュさんの演奏を聴いていると、本当に活動をやめてしまわれるの?と思う美しさでした。でも、かつてボロディン弦楽四重奏団の最晩年の演奏も素晴らしかった事を経験しているので、一番良いときにやめられるのもしょうがないかという気がしました。 【緑区:K. I. 】
○実は声楽専攻なので、室内楽はあまりしりません。でもバルトークむちゃくちゃおもしろいです! 感激しました。バルトークをもっと聞きたいと思いました。今日しかこられないのが本当に残念です。【犬山市:K. K. 】
○長年、お疲れ様でした。私が初めて来たのはミロ・カルテットだったので、私とルンデのお付き合いは短い間でしたが、その間、実に中身の濃い演奏会を聴かせていただきました。ありがとうございました。
 今日でルンデに来るのは最後になってしまいましたが、私の大好きな四重奏で始まり、四重奏で終わったルンデとの時間を私は決して忘れないと思います。
 本日の演奏、私が一番印象に残ったのは実はモーツァルトの最終楽章。4人が急に少年に戻り、生き生きと弾いている姿がとても素敵でした。四重奏は4人の会話が音を通して聞こえてくるようで、とても好きです。今日も何度か笑いをこらえるのに必死な場面がありました。
 今後ルンデの皆さんとどこかの会場でお会いすることができるでしょうか。今まで素晴らしい演奏を聴かせていただいたことを心より感謝しております。一演奏者として、この空間で感じた様々なことを自分の音として、今後は私が表現できればと思っています。
 それでは、またどこかで。【四日市市:Y. A. 】
○とても楽しみにしていました。確か昨年末に6月ごろバルトークコンサートがあるとお聞きしていましたので、5月に偶然インターネットを開いたところ発見!! とてもうれしかったです。
[ルンデ]22年前から子供のピアノ発表会以来、度々来ています。ここに来てから室内楽が好きになりました。湧き出るような音を私がひとり占めしているように思えます。【海部郡:M. K. 】
○文章にはそれを読む時につける抑揚までは指示できないのと同様に、楽譜にはどう演奏すべきかという大事な情報は意外に指示することはできない。楽譜とは実はとても不完全なシナリオだと感じる。楽譜の欠陥を補い、作曲家の思いうかべたいきいきとした音楽で表現するのが演奏家の役割だ。バルトークを演奏するバルトーク四重奏団はその意味において演奏家の模範だ。彼らのバルトークは楽譜の存在を忘れさせるほど(野生の獣のように)いきいきとしている。まるで作曲家から直に音楽を習ったかのように。【K. T. 】
○凄い! 参りました。こんなに深く美しいモーツァルトを初めて聴き感動です。至宝のバルトーク弦楽四重奏団。ルンデの最高の思い出になりました。素晴らしい音楽の出合いを下さったルンデにただただ感謝です。ありがとうございました。【西区:K. S. 】
○バルトーク全曲を聴くのは初めて経験することだ。今回のバルトークを最初で最後のできごととして大変期待しています。
 バルトークは民俗音楽の素材がいっぱいつまった1番からスタートして、2番はすでに和音も厚みがあり、構成に工夫されていることがよくわかりました。後半のモーツァルトも少しも違和感なく音楽が連続していることにびっくり。モーツァルトも深いな。【中村区:M. I. 】
○初めて、バルトーク弦楽四重奏団を聞いたのは20数年前ルンデででした。粉雪の舞う寒い日だったように覚えています。とても感激しました。それ以来バルトーク弦楽四重奏団がルンデに来ると気になって数回聴きに来ました。いつも感激しました。今回が最後の演奏となるとたいへんさびしく思います。またルンデを知ったのはバルトークが縁でした。ルンデの会がなくなるのもとてもさびしいことです。ルンデに来ることが少なかったことを悔やんでいます。あと2日バルトークをしっかり聴きたいと思います。【H. W. 】
○難しい批評は出来ませんがいい演奏でした。
[ルンデ]狭いけれどアットホームな感じ。 【中川区:H. T.】
○弦楽四重奏を初めて鑑賞しました。音楽芸術性、技術共に優れていると思いました。感動しました。私にとっては、モーツァルトの曲群に親密さを覚えました。
[ルンデ]7年前迄、この近く(桜通)のビルで23年間働いておりまして「ルンデ」の看板は知ってましたが室内楽のホールとは全く分かりませんでした。【稲沢市:H. N. 】
○バルトークがすばらしいのは勿論ですが、モーツァルトも一味違って楽しませてもらいました。【瑞穂区:T. I. 】
○[ルンデ]手造り、沢山、有難う。 【瑞穂区:E. I, 】
○ほんとうに美しい音色 音の響きでした。肩の力が抜けて夢心地で聴きました。バルトーク・ボーイズの皆さんは何千回、何万回と音を響かせ合い心通わせ合いたとえようのない喜びの時を持たれていると思います。その時を、私も一緒に過ごせたことをとても幸せに思います。
[ルンデ]とても心地良い室内楽の聴けるホールです。顔を知らない人たちで聴いても一つの心になれるようです。【広島県:N. T. 】
○2回目のバルトーク・クワルテットでしたが、バルトークの第2番の渋めの弱音から中音のアンサンブルとそして後半の渋めのモーツァルト第14番はとても良かったです。第1ヴァイオリンのコムロシュさんの音は美しく光ってました。
 アンコールのモーツァルト、ファイナルコンサートにふさわしいアンコールで美しいという表現でしめくくりたいと思います。これで、私のルンデのコンサートはファイナルです。
[ルンデ]25年で閉館との事ですが、12年ぐらいしか来ていないのですが、このホール 等身大よりもずっと良い響きで思い出に残ります。 【千種区:H. O. 】
○バルトークのNo.1、No.2素晴らしいの一言。ぐいぐいせまってくるものを感じます。心地よい疲れを感じます。……やっぱりバルトークはむずかしい。【南区:S. Y. 】
○室内楽の面白さを改めて感じた。音が断片で出てくるような箇所の呼吸は神業! それと全員、楽器が良く鳴る。体も大きいし無理の無い奏法だからか、満席なのにまたよく響く。アンサンブルの見事さも手伝って、バルトークの中に数多く出てくる対位法が、とても面白く聴けた。こういった音楽をピアノを学んでいる学生がもっと多く聴きに来るといいのに、と思った。
 最近考える事がある。対位法は、BACHのみならず、多くの作曲家の曲に必ず出てくる書法。それをバッハを学ぶ事で理解しようとするわけだが、実は、演奏する事よりも先に、こういった室内楽を数多く聴く事から入っていったほうが良いのではないか、という事である。ピアノ一台で演奏するよりもよっぽど立体的に聞こえるし、見ていても楽しい。
 上等なデザート(MOZART)も楽しく聴けた。 【Annon.】

●第2日:17日
○今日、中日新聞の記事を読ませていただくまで、こちらの存在を知りませんでした。カツカツでやっと間に合った……。最後の1枚だったそうで。バルトークのバルトーク、はじめて生できけました。6月の一番幸せな一時でした。
[ルンデ]もっと早くから知っていたかった。 【津市:M. W. 】
○バルトークははじめて。ちょっと耳慣れませんでしたが、こういう曲もあるのだと。
 モーツァルトになって、やっと普通の感覚。こういう身近なところでの演奏会いいですね。これからも機会があったらここでミュージックを聴きたいです。ありがとうございました。
[ルンデ]最初で最後です。だいぶ前にルンデのことは聞いていましたが、残念です。一回でも聞けてよかったです。名古屋のルンデ。これからも続けて下さい。【熱田区:H. K. 】
○昨日から3日間の参加です。普段SQはあまり聴かずバルトークは初めてです。昨日の演奏を聴いて耳が少し慣れてきたせいか、自分でもびっくりするくらい演奏にのめり込んでいました。最高です。何か明日の演奏会が非常に楽しみになってきました。【犬山市:H. N. 】
○以前から足を運びたかったバルトークですが、これまではなかなか都合が合いませんでした。最後の最後になって来ることができて、ちょっと嬉しくも残念です。
 第4番がおもしろかった。「おもしろかった」としか、表現できないくらいしかバルトークの曲に親しんでいないのですが熱のこもった素晴らしい演奏でした。
 モーツァルトは自分のもっているイメージと少し異なる力強い曲風に感じました。バルトークの印象が強すぎるのかな? ありがとうございました。【Annon.】
○昨日と今夜と聴く。来日最初期から進化、熟成してきた。ジュリアードSQ初期、精密器械のようなバルトークを聴いたが12音を多用する曲、ピツィカートの続く部分も歌謡性が欲しかった。解散前のハンガリーSQと共にこの点欠くる処がない弦楽四重奏を聴きはじめて半世紀を越えた。この頃はシンフォニーでも勝手なテンポで演奏するものを聴かされる。古いレコードを聴き返した方がよいのかも。
[ルンデ]最初期の頃に比べると若い人が少なく聴衆も高齢化したような気がするが。【Annon.】
○素晴らしいプログラムでした。モーツァルトはルンデへの讃歌のように私には聴こえました。 【伊勢市:M. M. 】
○自分としては久しぶりにライブでバルトークのカルテットを聴き、若い時初めてバルトークの音楽に出会って感銘を受けたことを思い出しました。息の合ったバルトークカルテットの演奏をまた聴くことができて、嬉しく思います。最後の演奏となるのが残念です。
[ルンデ]演奏者と観客が近づいて同じ呼吸をしているという感覚があります。楽しめました。 【岐阜市:R. S. 】
○やっとこれたのが25年ぶりのバルトークです。下の子(3才)が中に入れるようになるまでやってほし〜いです。【小牧市:M. H. 】
○今日は至福の1日だった。(今後2つの弦四を1日で聴く機会は得られないだろう。)タカーチ弦楽四重奏団でラズモフスキー他をたっぷり楽しんだ直後、中学生の頃からの念願だったバルトークの弦楽四重奏曲を初めて(初日も聴かせて頂きまだその興奮が残っている)生で聴く事ができ、言葉には表せない程の心地良い状態です。千秋楽(?)もぜひ参加させて頂きます。例会直前なので芸文のアートライブラリーで(14日)初めてバルトーク弦四の全集を聴き、「生でもこのままなら最高だ!」と期待して……。それ以上の最高の演奏でたまらない!! 私は全集を聴く時、必ずNr.4は最後にしている。1番好きな曲であるし、後味がすっきり心地良いためである。芸文でCDを聴く時もそうしている。一部の団体ですっきりしないものもあったが、タカーチ、ケラー、バルトーク(ジュリアードは中学生の頃から毎日聴いて体の一部になっているくらいだ)は全身が熱くなって快感を覚えた。今度芸文へ行ったらエマーソンの全集を聴く(もちろんNr.4は最後に)。
[ルンデ]クァルテットを聴くのに最適な空間だと思います。他のホールではサイン会はCDを購入された方限定がほとんどですが、誰でも無条件に参加できるのは大変良いと思います。 【瑞穂区:G. K. 】
○すばらしい演奏会ですね。例会終了さびしいですね。【一宮市:S. N. 】
○今夜のバルトーク第6番と第4番の演奏は、一生忘れられないと思います。バルトーク弦楽四重奏団の、まさに至芸でした!
 第6番のネーメットさんのヴィオラ・ソロ、第4番のメゾーさんのチェロ・ソロがもうルンデで聴けないのかと思うと本当に悲しいです。完璧な4弦のバランスの素晴らしさを、今さらながらに思いしらされた夜です。
 考えてみれば、モーツァルトの「狩り」をメイン・ディッシュで聴いたのは、アマチュアのコンサートを別にすれば、初めてだと思います。音の厚みを感じた演奏でした。アンコールのメヌエットも、一事なしおえたあとのアンコールらしい楽しさがありました。こうなると、明日もモーツァルトのメヌエットのアンコールで終わりそうな予感があります。【緑区:K. I. 】
○4番よかったです!
[ルンデ]引き続きつづけてほしい。 【千種区:S. S. 】
○初めてのバルトーク。人生の四季の絵巻きが広がっているような……。奮闘、感嘆、悲哀、希望……。迫力と緊張感に満ちたMelodyの中、思わず涙を流した。
 思わず涙を流すバルトークであれば  思わず微笑むMozart。  絶妙のCombination。感動の時間でした。
[ルンデ]満員じゃない方が、より良いと思いますが、とても素敵なステージです。どうもありがとうございました!【南区:E. U. 】
○バルトークのNr.4が絶品!! 二十数年前に聴いた時(多分1970年代の後半)の感動がよみがえってきました。(ちなみにその時は名古屋労音の例会でバルトークはNr.4とNr.3でした)。 【南区:S. Y. 】
○バルトーク四重奏団はバルトークの作品を血肉化している。大変な難曲であるはずなのに、所によっては鼻唄のように気楽に演奏しているかに見えるところもある。そしてコムローシュさんのヴァイオリンの美しさには本当に心をうたれる。 【K. T. 】
○バルトークの音楽にあまり関心のなかった私にとっても、ルンデの例会の最後を飾るバルトーク弦楽四重奏団のコンサートとあっては、参加しないわけにはいきませんでした。
 したがって、コンサートでバルトークの室内楽曲を聴くのは初めてでしたが、いろいろな音楽に触れるという点で良い機会となりました。
 後半とアンコールのモーツァルトはなじみ深い曲でしたが、まるで天上の音楽のように感じられ、素晴らしい一夜となりました。【瑞穂区:J. O. 】
○作曲順でなく6番が初めにあることに意味があるように思いました。ヨーロッパを去ることにこめた万感の思いは曲がふっと終わることでより深められたことです。
 この後の4番は、実に力強い傑作です。この曲があって日本では最後だけれどもまだまだやることがあるぞという意気込みが伝わってきました。【中村区:M. I. 】

●第3日:18日
○バルトークを本格的に聴くのは今回が初めて、一期一会の四重奏団の熱演には胸が一杯になりました。
[ルンデ]並み(?)の音楽好きとして、ルンデのことは以前からその存在を何となく知っていました。恥ずかしながら……。今回楽友に「さよならコンサート」があると知らされ足を初めて運びました。音楽の真の種を四半世紀に渡ってまき続けてこられた、熱情と努力の継続に感服しました。長年に亘り本当にお疲れ様でした。 【知多郡:K. N. 】
○さらばルンデよ。愉しかりし年月よ。25年に深い感謝をこめて。【北区:K. K. 】
○全身全霊で、コンサートを聴いたのはバルトーク弦楽四重奏団が初めての様な気がします。音楽的表現能力が無いのでこの感動を云いつくせません。この様なハートフルな美しい音楽、まさしく芸術なのでしょう。素晴らしいの一語です。このコンサート忘れることはないと思います。鈴木さんのトークはお人柄がにじみ出て最高でした。ルンデのスタッフの皆様、どうぞお元気でご活躍下さい。ありがとうございました。【西区:K. S. 】
○バルトークの5番は圧巻でした。心臓がたかなる、というか響きの勢いの中に引き込まれていく思いがしました。バルトークカルテットの方々と同じ呼吸をしているのが嬉しく感じる、というか、この瞬間を共有することのできる自分を幸せ者だなあと感じました。
 メゾー氏には弟がブダペストでお世話になったこともあり、懐かしくてもう日本で演奏されないのが寂しくも思いました。【岐阜市:R. S. 】
○本当に幸せになりました。3年前ここで彼らのバルトークを聞いたのがバルトーク体験の初めてでした。本当に感動して以来いわゆる現代音楽を楽しめるようになったのです。今日も素晴らしいコンサートをありがとうございました。
[ルンデ]とても集中してリラックスできる所なのでとても好きです。【岐阜市:C. M. 】
○結成50年というと私の年令より一つ下。失礼ながらみなさんお年なのに年令を感じさせない若々しい演奏会でした。【昭和区:M. Y. 】
○最後のコンサートの最後はバルトークで終わってほしいと思っていたらアンコールで思わぬプレゼントが。ヴァイオリニスト、コムローシュ・ペーテルを最後に聴くことができるとは!
[ルンデ]例会だけがおしまいになるのではなく、色々なものが失われるのが残念だ。
 ルンデがはぐくんだ、どんな尖鋭的なプログラムにも反応の豊かで集中力のある聴衆! 室内楽専用ホールはたくさんできたが、聴衆を育てようという取り組みは?【K. T. 】
○ありがとうございました。カルテットの醍醐味を堪能させていただきました。これが最後などと言わずぜひまた来日して音楽を聴かせていただきたいものです。本当に素晴らしい時間でした。ありがとう。
[ルンデ]永い間、ご苦労様でした。東京へ移ってからはごくたまにしか訪れることができませんでしたが、こころざしのあるコンサートがひとつ幕を閉じるのは何ともさみしいことです。しかし、この心は必ずや受けつがれると信じます。本当にありがとうございました。【世田谷区:K. A. 】
○Fantastic! です。87年から時々聞かせて頂き当時素晴らしかったのが、更に丸みと深みが出てその力強さが、何とも云えぬ調和を生み出していました。幸福でした。
 ルンデも長い間たくさんの素晴らしい音楽を運んで下さって有難うございました!
 CelloとViolaのおじさんのあたたかい笑顔。2.Vn のあたたかい気使いと音楽に、人間味が溢れていました。鈴木さんのガンコに乾杯!「退職后」も時々趣味でやって下さい!【Annon.】
○バルトークボーイズの皆様へ。
 最後の最後まで、気迫のこもった熱演をありがとうございました。最後の締めくくりに「不協和音」を聴くことが出来たのも、とってもうれしかったです。「不協和音」はやっぱりバルトーク・ボーイズの演奏が一番!!だと思います。
 梅雨の湿気の多い中、聴くだけでも3日間通うのは大変でしたが、演奏する方は、もっと大変、エネルギッシュな演奏を本当にありがとうございました。【Annon.】
○とにかく素晴らしい。最高でした。知らぬ間に音楽に引き込まれて溶けこんでいく様な不思議な感覚でした。自分にとってもこの3日間のバルトークのコンサートは決して忘れることのできないステージでしょう。とにかく、この場に参加できたことを幸せに思います。【犬山市:H. N. 】
○涙が出ました。室内楽 環となりたる梅雨晴れ間【緑区:C. S. 】
○三日間お見事でした。どうもありがとうございました。
[ルンデ]名古屋は長年住んでいても、ルンデという名はたまに聞いたけど、場所もわからなく、コンサートの情報もあまりなく……。たまたま前を通りかかったのがこのホールとの縁でした。結局、十数回しか来られませんでした。もう少し早く知っていたらと思ったものです。また来られることを祈って。【昭和区:M. Y. 】
○バルトークのNr.3はとても好きな曲ですが、ラストコンサートで聴くことができて、幸いでした。熟成した良質のワインのようなアンサンブル……。深い感動を覚えました。
[ルンデ]これで最後かと思うととても淋しいです……。【南区:S. Y. 】
○昨夜に引き続き第3番と第5番も、バルトークによるバルトークは忘れられないものになりました。4名の奏者のどの部分の演奏にもひかれるものがあり、そして4者によるアンサンブルは絶妙。弦楽四重奏曲ファンとしては、本当に幸せでした。
 後半モーツァルト、予想とははずれましたが素晴らしいアンコール、長い間この四重奏団を聴かせてもらった者としては最高のエンディングでした。
 バルトーク弦楽四重奏団の皆さん、ルンデの皆さん、ありがとうございました! 
 一緒に楽しく聴いた聴衆仲間の皆さんにも、ありがとう!【緑区:K. I. 】
○良かったです。
 曲調が攻撃的でかっこいい感じがしました。あまりこういうコンサートは来たことがなかったのですが。こういうかっこいいクラシックもあるのだなあと感じました。
[ルンデ]オーナーの方のオーラがいいですね。【豊田市:Y. H. 】
○楽しかったです。言葉はいらないよね。ありがとう。【昭和区:M. M. 】
○力強くて、心地良くて、体にしみいてくる感じがしました。素晴らしい演奏がうれしかったです。
[ルンデ]不協和音の先に何かがあると、期待させて下さるコンサートでした。二宮さんたちの今後のご活躍を心からお祈り申し上げます。 【天白区:M. N. 】
○大変すばらしい演奏会でした。 【浜松市:K. F. 】
○Nr.4 に匹敵する程大好きな Nr.5 流石に体がしびれる爽快感を与えてくれた。
 今これを書くのは恥ずかしいのですが、中学生当時は本気にプロのチェリストになりたいと信念を持ち勉強していました(現在でも続けています。休日に仕事があるので、アマオケには入っていませんが、弦四のパート譜を揃えてどうにか弾いています)。秋にはベートーヴェンの後期に取り組もうと考えています。11才の時、無作為に購入した(ウェラー弦四)ベートーヴェンNr.12をいつか自分で弾こうと思い続けていました。当時はバルトークもやりたいと思っていたくらいですが、「バルトーク・ピッチカート」が怖くて出来ないので……ほんの一部分はやっているのですが、(チェロの直前の席が取れたので良かったです。)運指がかなり参考になりました。1 pos.で親指を使用されていたのには驚きましたが気になる部分で今まで判明できなかった場所も解決でき長年の疑問も解消できたのは本当に気が楽になりました。
 入会が遅く1年間でしたが大変充実した内容のコンサートばかりで大満足できました。特にこの3日間を筆頭にアルテミス、「入門」したNr.12を取りあげて頂いたライプツィヒ(Op.80は最高!)、ボロメーオのシェーンベルクNr.2(大収穫)、ドヴォルザークNr.13(Nr.12じゃなくてよかった! あれは超辛口、セリオーソのような好みの仕上がりだった)。今つぎつぎと思い出しているところです。本当に感謝しています。ありがとうございました!【瑞穂区:G. K. 】
○3日間続けてバルトークを聴くことができました。やはり心にひびく演奏でした。
[ルンデ]室内楽にふさわしい広さと設備で、数々の室内楽を聴きましたが、このホールで聴く音楽が一番すばらしく、美しく、このホールではもう聴くことができないと思うと非常に残念です。 【宝塚市:K. Y. 】
○短い3番はコンサートで初めて聴いた曲でした。そのときはチンプンカンプンでした。短いけれど中味がぎっしりつまっていることが、このごろようやくわかるようになりました。きょうの演奏はどの部分もていねいに聴こえて改めていい曲だと思ったことでした。
 5番はやはり最高の傑作ですね。4番の似た形をとりながら内容はさらに深い、一曲のなかにほんとうにいろいろなものが詰まっています。民俗音楽のメロディを土台にしながら、形式を発展させ、それを短い時間にもりこんでいる。中味が濃いはずです。バルトークの演奏はそれを説明してくれました。
 モーツァルトの「不協和音」見事でした。多分モーツァルトの描いていたのはこんな音楽だと思います。ルンデの音響のすばらしさを実感した最後のコンサートでした。【中村区:M. I. 】
○とっても素晴らしかったです。ありがとうございました。
[ルンデ]今回が最終回とのこととても残念です。こんなにアットホームな感じで、良い演奏を聞けることはとっても至福な時間です。もっと続けて頂きたかったです。【瑞穂区:Y. I. 】
○ほんものの室内楽を聴かせて戴いてありがとうございました。【名東区:Y. K. 】
○[ルンデ]数々の感銘深いコンサートを聴かせていただき誠に有難ううございました。これからはルンデの会が予定表に書き込まれないのかと思うと心の中に大きな空白が出来てしまいます。
 これ迄のこれ程ぜいたくなコンサートはまず期待できないでしょう。淋しい限りです。 【丹羽郡:S. S. 】
○火を吹くような、そよぐ風のような、ピエロのようにふざけた、それでいて後をひく味わいでした。バルトークは名人の義太夫節にも似た響きがあるように思います。西ヨーロッパの人が聞くとオリエンタリズムを感じるのでしょうね。モーツァルトになったとたんに、ヨーロッパの街を思い出したのがすごいところです。
[ルンデ] 10年以上前に、ラジオの取材でお世話になりました。その節は音が悪くて申し訳ないことでした。福井、東京と転勤し、しばらく遠ざかっていましたが、最後の例会と知り、かけつけた次第です。これでおしまいなのが残念です。 【調布市:Y. K. 】
○魅き込まれました。音の世界に魂が持っていかれちゃったよう。その世界で癒されたり、清められたり、はたかれたり、ぎゅっとにぎられたり……。多種多様な旋律やリズムの応酬。すばらしかった。
[ルンデ]今日で3回目ですが、こんなに間近に演奏が聴けるところは他に知らない。毎回感動。まだルンデに来始めたところなのに、本当になくなってしまうのですか。残念です。【Annon.】
○四重奏の楽しさを充分味わえました。【Annon.】
○Koszonom とてもすばらしい3日間でした。  ルンデの会、ありがとうございました。 【東海市:H. W. 】
○三日に亘り、バルトークの四重奏曲6曲を聴かせていただきましたが、演奏の順序が最初の1、2番は別としまして、他の4曲がどうしてこのような順序になるのか疑問に思いました。
 余りにも生々しい演奏に、同じ奏者のCDをもっていますが、聴くのがためらわれます。
[ルンデ]長年の間、心に滲み入る音楽を、沢山お聴かせ下さいまして、ほんとうにありがとうございました。このような感動を拠りどころとして生きて参りました者としましては、何とお礼を申し上げてよいのか分かりません。又、色々お教えいただく機会があればと願って居ります。 【千種区:M. Y. 】
○3回連続で聞かせていただきました。前半バルトーク、後半モーツァルトのステキなプログラムで大満足でした。もっとバルトークQの演奏を聞きたかったなあ……と今さらですが。バルトーク全曲+ベートーヴェンラズモフスキーとか。でも一番興味が湧いたのはドホナーニのPiano Quintet! あの曲大好きなんですけど生で聞ける機会があったなんて……。気づくのが3年遅かったですね。その頃はまだその曲の存在を知らなかったかあ……。
 結成50年でまさに息ぴったり。どこかの声部が突出したり聞こえないということもなく、バランスよく1つの楽器のようでした。これぞ弦楽四重奏!
 現代音楽好きな自分には最高のホール!!
[ルンデ]ここ数年で室内楽が好きになり、CDをよく聞いてきましたが、やっぱり生がいいなぁと思い、インターネットでルンデさんに出会いました。初めて来たのは今年の2月。もっと早く通いたかったなぁ……。本当に後悔しています。そしてついに最近、ルンデ主催の鈴木さんが名大オケの大先輩と知ってまたびっくり。短い間でしたが、ありがとうございました。【名東区:M. O. 】
○3日間連続で聴きにきました。普段は弦楽器なんてきかないので、音のやわらかさや幅の広がりの美しさにおどろきました。バルトークはクラシックぽくなくて好きです。音が不思議でおもしろかった。
[ルンデ]とてもあたたかい場だと思いました。もっとはやくから来ていたかったです。また機会があったらこういう演奏会に来てみたいと思います。【Annon.】
○涙が出る程、美しいモーツァルトを聴かせていただきました。きれいな三本の弦に、重厚なチェロが加わりとても、豊かで、ふくよかな音楽、ありがとうございました。
[ルンデ]久し振りのルンデ。今日が最後のルンデ! とても残念ですが、ありがとう ルンデ! 【伊丹市:M. N. 】
○素晴らしいコンサートでした。私には本当にもったいない!! バルトークの曲も、モーツァルトも、私の一生の宝として、しっかり覚えておきたいと思います。
 「ルンデ」ありがとう!!【豊中市:K. O. 】
○最高の美しい音の響きの中にどっぷりとつかった、とてもぜいたくな時間でした。本当に本当に有難うございました。
[ルンデ]本当に素晴らしい演奏を長い間有難うございました。【吹田市:N. T. 】
○切れ味するどい演奏 大変良かった。
[ルンデ]永い間有り難うございました。 【豊明市:S. Y. 】
○バルトークの曲は2回めで思い出しながら聞きました。1曲め(第一番)よりNo.2の方がすきでした。やさしいすてきなメロディが時に出てきて楽しめました。弦楽器のいろいろな演奏のしかたがあって面白かったです。
[ルンデ] ’91年ごろより娘の演奏会や練習で使わせてもらっていたなつかしい会場です。おちついた演奏者が身近にかんじられ、気持ちのよい空間をいつも楽しませてもらいました。今後貸しホールとしては存続と新聞でみて、ほっとしております。でも手作りの例会がなくなることはとてもさびしいです。25年間ありがとうございました。【Annon.】
○誤解をおそれずに言えば、誰もサボらないから、楽しい。
 ハンガリーは何故弦Qに強いのか? アゴーギクを楽しむ国民性によるものか? 昨日はタカーチ(創立者本人は隠退したが)を聴きました。
 ニルヴァーナ?→Runde(輪回)転生!
[ルンデ]私はCDは殆ど聞かない。(TVはナガラ聞き。)だからCDは記念品か予習用にしか買わない。学生のコンサートにもよく出掛ける。精一杯なら下手でも退屈しない。こういう目近に聴けるホールがなくなるのは残念。 【名古屋市:H. M. 】
○バルトークの弦楽四重奏曲の第5番は力強さ、アンサンブルともに圧感でした。モーツァルトの「不協和音」も生誕250年とルンデ25周年閉館の和音へとの連想もわき、楽しめました。アンコールの「ルーマニアンダンス」はモンゴルの向こうの中欧って感じの曲で、デザートとしても最高でした。これで閉館って寂しいです。ありがとうございました。(貴重なホールだった訳です。)また、昨日は豊田市コンサートホールのアンネ・ゾフィー・ムターを聴きに行き、欠でしたが、ラストコンサートのスタンディングオベーション本当に良かったです。
[ルンデ]このルンデで「輪」という意味を今日ラストの日に知りました。25年のうち12年(後半の)ぐらいのつまみ食い系で来させていただいて、いい室内楽を楽しませていただきました。本当にありがとうございました。【千種区:H. O. 】
○「すばらしい演奏」の一言! “まさに音を楽しむ”の言葉のように心温まる演奏でした。アットホームな雰囲気でリラックスして演奏を楽しめる場所がなくなってしまうのが、とても残念です。
 鈴木様長い間御苦労様でした。そして数々のすばらしい演奏会を提供していただきありがとうございました。【西加茂郡:K. M. 】
○いよいよ「さよならコンサート」である(もっとも、会員に対しては本当のお別れコンサートとパーティーが来週の日曜日にあるので、あまり「最後!」という気はしなかったが……)。
 この日は演奏される音楽を聴くというより、音楽を聴きながら、自分とルンデとの関わりについて思い出すことが多かった。自分のルンデとの関わりは、(多分1980年代の初めだったと思うが)名古屋市民管弦楽団の団内演奏会をルンデでやらせてもらったときに始まる。いうまでもなく鈴木さんは名古屋市民オケの設立に深く関わった方であり、そんなことからルンデで団内演奏会を開くことになったのだと思うが、そのときスタジオ・ルンデの存在をしっかりと認識したのであった。
 その後、勤務場所が変わったりして継続的にルンデに顔を出すということはなかなかできなかったが、1995年に最終的に名古屋に戻ってきてからはせっせと通った。そして今年になって新聞社の取材があったときは、光栄にも何人かの方と一緒に会員を代表してルンデについて語ることができた。
 本格的にルンデに通った期間は短かったので、ルンデでの演奏会に来たのは100回に満たないと思うが、それでもルンデの例会は常に自分の生活の重要な一部を占めており、ルンデの例会がなくなってしまうと、生活のリズムが壊れてしまうのではないかと恐れる。また、ほとんど時を同じゅうして、通算20年近く在籍した名古屋市民管弦楽団を退団したが、これも後から考えると、ルンデが「おしまい」になるということがどこかで作用していたような気がする。モノやヒトの価値はそれがなくなったときに本当にわかるのだ、とはよくいわれることであるが、7月以降自分の音楽生活が一体どうなってしまうのだろうと思うと不安を感じてしまう。
 思い出はこれぐらいにして、当日の演奏であるが、いつもやっているように事前に当日演奏される曲をCDで聴いた。モーツァルトの曲はともかく、バルトークの2曲については、改めてその「すごさ」を認識した。拍の割り付けがまことに複雑だし、演奏技巧的にもありとあらゆる事が出てくる。バルトークという人の、これはもう異常ともいえるほどの才能に感嘆するとともに、こんな曲をバルトークの意を体して再現するためには演奏家はいったいどのような工夫をするのだろうかと思ったのであった。
 そして演奏が始まったが、自分の目の前で奏されるバルトークを聴いて(見て)いると、実に何気なく演奏されてゆくので、ああこれが世界的な弦楽四重奏団の実力というものかと思った。そして、おそらくこの団体にとってはこれらの曲はもう何十回も演奏してきているので、隅々まで知り尽くしており、テンポの設定といった技術的なことはもとより、4人のメンバーの間の呼吸の合わせ方なども十分に体に入っているので、改めて確認するまでもないのだろうなあと思った。ただ、後で鈴木さんの書かれたものを読むと、この人たちはいまだに演奏会ごとに入念にリハーサルを繰り返すということで、そういう努力があるからこそ、50年にもわたって世界の一流の弦楽四重奏団の地位を保ってゆけるのだと思った。
 当日の演奏についてはいまさら感想を書くことはないが、この日は自分の「職業柄」、ヴィオラのネーメットさんに注目してみた。以前からかなり「太い」人ではあったが、今回は一段とお腹が出っ張ってきて、弓がお腹につかえるのではないかと思うぐらいであった。ネーメットさんの楽器はあまり大きくなく、音色もどちらかといえば控えめである。最近の弦楽四重奏団の中にはヴィオラがかなり全面に出てくる演奏をする団体もあるが、ネーメットさんのスタイルはどちらかといえば伝統的で、あくまでも「自分は中声部の担当でございます」と言っているようだった。直接にお会いしたことがないのでよくわからないが、控えめでありながら包容力のあるお人柄のようにお見受けし、まさにヴィオラという楽器の持っている性格そのままの方であるように見えた。
 アンコールはバルトークの「ルーマニア民俗舞曲」であった。これこそまさにこの団体の十八番と言うべく、一応楽譜は置いておられたが、本来楽譜などは必要なかったであろう。息の合った演奏と言うのはこういうものだという見本のような演奏だった。それに、演奏しておられる四人も演奏を楽しんでおられる様子がわかって、聴いているこちらにもそれが伝わってきた。さよならコンサートなので、なにかしんみりした曲でも演奏されるかと思ったら、まことににぎやかに終わったのはとても素晴らしいことだった。
 考えてみれば当日の鈴木さんのトークもけっして湿っぽいものではなく、何かを成し遂げた高揚感さえ感じたのであった。ルンデの例会は終わってしまったが、この25年間に刻んだ足跡は決して消え去ることはないだろう。鈴木さんという人は幸せな人だと思った。【知立市:T. S. 】
○ルンデの最後を飾るに相應しい素晴らしいコンサートでした。(金)と(日)、私の隣に何故か孫のような美少女が居てくれたのは、至福の時を更に至福にしてくれました。
 バルトークでさりげなく幕引きをしたいという鈴木美学が完結したことはご同慶の至り。
 この難事業を25年間もよく続けられたものと脱帽いたします。
 然し、この道楽を25年も続けて来られたのは稀代の果報者とも申せましょう。 【豊橋市:Y. I. 】
○1日目と3日目を聴きました。  すばらしかったです。そして感慨深い演奏会でした。
 4人の奏者がお互いに身体の一部になっているようなアンサンブルを聴かせてもらいました。
 3日目、バルトークの後に、モーツァルトの“不協和音”は、とってもいいプログラムでしたね。最後のアンコール、“ルーマニア民俗舞曲”は、心に沁みる音で涙がこぼれました。
 カルテットのメンバーにはもちろんブラボーがかかりましたが、静かに幕を閉じるルンデの鈴木さんにも、ブラボーがかかりました。たくさんの素敵な演奏会を、ありがとうございました。長い間お疲れ様でした。【天白区:Y. N. 】

インデックスへ戻る

堤 剛 無伴奏チェロ・リサイタル
2006年5月21日 スタジオ・ルンデ
○最終と覚悟の名古屋の音楽会で素晴らしい響きを聞くことができました。至福の時をどうもありがとう。
[ルンデ]今日が名古屋でのコンサート・リサイタルを聴く最後になるでしょう。ルンデは私の晩年に華を咲かせる楽園でした。15年あまり本当にありがとうございました。【津市:.K. 】
○1音1音、魂を込めた演奏でとても素敵でした。堤先生のお姿自体がいつもチェロにそっくりに思え、正に先生の音そのものという気持ちで聴いております。どの瞬間もとても刺激的で多彩な音色にわくわくし、冒険小説でも読んでいるようでした。早く結論を知りたいようなずーっと読み終わりたくないようなそんな気持ちでした。アンコールの曲目も堤先生らしいご選曲でとても良かったです。私、又チェロが大、大、大好きになってしまいました。どうしましょう!! これでルンデのコンサートは私にとっては聴き納めですので寂しい限りです。素晴らしい時をありがとうございました。どのコンサートの思い出も一生の宝です。堤先生もこれからもずっと家族そろって(特に小4のチェロを習っている息子が大ファン)応援しています。全てにおいて(演奏のみならずご人格も含め)息子にそう育って欲しいなぁと憧れ目標にさせて頂いています。【半田市:N. H. 】
○ルンデ例会ソリストの最後が堤さんになろうとは思いませんでした。素晴らしい無伴奏のプログラムで、豪快・雄大な堤さんのチェロが聴け本当に幸せでした。私の若いころのあこがれのチェリスト、堤さんの師のシュタルケルさんとは演奏中の表情等がまったく、せい反対ですが、その点も、久しぶりに堤さんのソロを聴き興味深かったです。最後はやはりバッハで締めくくって下さり、楽しかったです。【緑区:K. I. 】
○コダーイのソナタが強く印象に残りました。チェロの豊かな表現力に圧倒されました。改めて、チェロの音の豊かさ、ルンデの音も良さに感心した次第。【熱田区:D. H. 】
○無伴奏の良さをあらためて感じました。
[ルンデ]ルンデで演奏が聴けなくなるのは残念です。 【海津市:M. K. 】
○最高でした。ただ、ただ感激の2時間でした。帰ったら私の運営する(音楽何でもけい示版@各務原)にコメントいたします。
[ルンデ]惜しいです。もっと早く知りたかった。 【各務原市:H. T. 】
○はじめて聞きに来ました。チェロは大好きです。このくらいのホールで聞いたのはなかったのでとても感激しました。ますますチェロの音が好きになりました。昔はフルートをふいていました。結婚して赤ちゃんが出来るまでやっていましたが今はやっていません。指がいたくなってしまったから、そのうちなんとか……。
[ルンデ]この会を知ったのがまだこの前だったのでもっと前に知りたかったです。とてもあったかくいいかんじでした。【各務原市:S. T. 】
○大変力強い演奏で素晴らしかった。
[ルンデ]最後と聞き大変残念です。今まですばらしい機会を提供頂きありがとうございました。【Annon.】
○素晴らしい!
[ルンデ]永い間素晴らしい音楽を有難う。これからサビシクなります。【豊明市:S. Y. 】
○堤さんのチェロはソロを聴いたことがなかったので(フェスティバルソロイスト+エマニエル・アックスは聴きましたが、アンサンブル重視だったので)音色の素晴らしくてとても良かったです。
 明るくて温もりっぽいいい音です。知っていれば今までにもっと聴けたのにという感じです。
 このルンデももう少しで閉館で残念です。今日は正面一列目の特等席で聴かせていただいてありがとうございました。小ホールって良いですもんね。【千種区:H. O. 】
○前半は、クラムが印象的でした。初めて聴いた曲でしたが、悲痛な第一楽章、ちょっと退屈な第二楽章、自問自答しながら出口が見えないまま突っ走る第三楽章。とても印象的でした。
 「シャコンヌ」は、生意気を承知で言いますが、チェロとしての独自のテンポがあって良かったのではないかと思いました。原曲も大河のような曲ですが、少しテンポを落として、超大河を作り上げるというような――。
 コダーイは素晴らしかった。とってもドラマティックで説得力がありました。告白が告白を呼び起こしていくような一、二楽章。行きつ戻りつしながらも、さまざまのためらいや疑いを、全て呑みこんでいく大波のような第三楽章でした。
 アンコールのバッハにはビックリ。こんなに柔らかな、しなやかな、麗しいブーレは聞いたことがありません。感動し興奮しました。
 しかし、スタッフの方によれば、CDは廃盤になっているとのこと。何とも残念至極(92年の演奏会は聴いていない!)‥‥。ルンデの「番外ステージ」で、もう一度バッハの無伴奏全曲演奏が聴けないものだろうか――。それがダメならもう一度全曲を吹き込んでもらえないものだろうか――。とてもとても感動しました。
 ルンデには名古屋転勤以来、16年あまりお世話になりました。。
 今回でお別れしなければなりません。バルトーク四重奏団も小林道夫さんも聴くことが出来ないからです。哀しきものは「宮仕え」――残念ですがどうにもなりません。
 鈴木さん始めスタッフの皆さん、本当にありがとうございました。万が一「番外ステージ」が企画されたときには、是非ともご連絡下さい。 【一宮市:Y. N. 】
○堤さんの事をはじめて聞いたのは自分が大学生のときで、「堤剛というすごい少年のチェロ弾きが現れたよ。ドヴォルザークのチェロ協奏曲をやすやすと弾くんだ」という話を聞いた。それから50年がたって、自分自身も堤さんも年齢を重ね、ルンデの通常例会の最後に聴くことになった。何となく自分の人生と重ね合わせて聴く気分であった。
 カサドの組曲から始まった。古典と現代のちょうど中間に位置している感じのする曲で、チェロ独特の深く抒情的な部分があるかと思えば、ちょっとおどけたようなところもある。チェロという楽器のいろんな可能性を試しているように感じられるところもあったが、もちろん堤さんの演奏は完璧で、最初から最後まで聴きほれていた。
 次がバッハのシャコンヌであるが、最初のフレーズを聴いたとき、ああこれはずいぶんと違った種類の音楽だなあと思った。おなじみの曲なので気楽に聴けたが、ヴァイオリンでの演奏をあまりにも数多く聴いているので、堤さんの演奏は立派だったが、チェロによる演奏に何となく違和感があった。それに実に珍しいことに「弾きそこない」が2度ほどあり、やはりチェロで弾くのは無理なのかなあと思った。なお、この演奏では堤さん独特のボディ・アクションがかなり出てきた。
 次の曲の作曲者のクラムという人にはなじみがなかったので後で鈴木さんに聞いたら、アメリカの現代作曲家だということであった。ピチカートをずいぶんたくさん使った曲で、全体の感じは軽妙洒脱といったところだろうか。機智とエスプリ、それに意外性が盛り込まれていた。まあしかしあまり聞きなれない曲で、演奏家がこういう曲を弾いてみよう、そして演奏会で取り上げようということになるまでにどのような経路があるのだろうかと思った。なお、この曲では第一楽章が終わったとき堤さんがちょっとにやっとされたが、あれはいったい何だったのだろう?
 休憩後はコダイ。これは事前にCDを聴いておいたので、曲については承知していた。
 A−D−F#−Hという調弦で弾くのは、素人から見るとずいぶん大変なことではないかと思うのだが、プロはなんでもなくやってしまうのである。この曲で目立ったのは左手のピチカートが大変に多いことで、それもいろんな指で弦をはじくことになるので、これはとても大変そうに見えた。まあしかしそれはともかく、堤さんにとってこの曲はもう何十年もの間に何十回も弾いた曲だろうから、最初から最後までまったくよどみがなく、この難曲を相手にして思う存分に自分を出しておられた。そしてこの日の演奏で特に感じられたのは低い弦の重厚な響きで、これは調弦のせいかもしれないが、堤さんの演奏技術によるところが大きいのだろう。心にずっしりと響いた。まさにチェロの魅力が十分に発揮された演奏だった。
 アンコールになってまず堤さんからルンデへの謝辞が述べられたが、それが実にやさしい声でやさしいものの言い方をされたので、演奏がまことに雄渾であったのに比べて意外な感じがした。曲は「鈴木さんご夫妻が今後も元気よく前に進まれるように」ということで、ロザムンデの行進曲をチェロ独奏用に編曲したものが演奏されたが、なかなかに面白い編曲で楽しかった。鳴り止まない拍手に応えて、バッハの有名なブーレが演奏され、最後は鈴木さんが舞台に引っ張り出されて堤さんと一緒にお辞儀をするという一幕が「おまけ」についたのであった。【知立市:T. S. 】

インデックスへ戻る

金澤 攝〜アントン・ルビンシテイン 冬の時代【後編】
2006年6月1日 スタジオ・ルンデ
○今夜は格別にすばらしい夜だった。やはり来て良かった。
 ピアノとはこんなにすばらしい楽器だと思ってしまった。多彩な音色のメロディーが溢れ出てきてどの曲を聴いても楽しい!迫力のある音が、足元から、又、耳の鼓膜がびりびりしたが、とても暖かい音だった。改めて中村攝ちゃん、いや、金澤攝氏の凄さを知った思いである。 【額田郡:S. S. 】
○ルンデでの金澤さんの最後のお話と演奏を、本当に素直な気持ちで心ゆくまで楽しませてもらいました。金澤さんの「冬の時代」のルビンシテイン、やっぱり素晴らしいものです!セレナード、エレジーのようになじみやすい美しい曲、現代曲のような音域をめまぐるしくかけめぐる曲、みるからに聴くからに演奏の難しそうな曲、いろいろありましたが、コンポーザー・ピアニストとしての金澤さんがルビンシテインの楽譜をにらみ、作曲過程を心にうかべ、原作曲家の心まで、読みとっての演奏なのでしょう。金澤さんの場合、ほとんどが一期一会に終わってしまいそうな各作曲家でしたが、今日のルビンシテイン諸曲も、本当にまた再演の聴いてみたいピアノ曲でした。大変なエネルギーと情熱で紹介しつづけて下さった金澤さんに、本当に感謝します。ご苦労さまでした。 【緑区:K. I. 】
○大変貴重な時間に立ち合うことができて嬉しく思いました。音楽は金澤さんがチラシ、プログラムに書かれているとおりの素晴らしい作品と思います。
[ルンデ]長い間ごくろうさまでした。又 ありがとうございました。【金沢市:M. T. 】
○[ルンデ]初めて来ましたが、閉じてしまわれるのは非常に残念です。【金沢市:D. K. 】

インデックスへ戻る

潮田益子 ヴァイオリン・リサイタル
2006年5月28日 スタジオ・ルンデ
○バッハもベートーヴェンも明るく伸びやかでストラディバリとしては少し驚きでした。(耳が悪いのかも知れませんが)。それにしてもモーツァルトのK.526はしっかりして興味深かったです。【千種区:H. O. 】
○1)アメリカで活躍している彼女の面目やくじょ!
2)生でこうした小ホールで聞くVnの音は違った興味があった。
3)一番楽しかったのは Beethovenでした。
4)聴衆の雰囲気が良い。
[ルンデ]よく40年近く頑張られました。敬意を表します。【横浜市:Y. A. 】
○コープランドのソナタが鳴り出したとたん、あ、「アパラチアの春」の曲が突然思い出されました。近・現代のアメリカの作曲家の音楽の基礎は、開拓時代の生活と風景があるのだなと何となくよくわかりました。バッハのソナタでは最近聴きなれたスマートな演奏ではなく演奏家のばっは習得の長い時間と現在の到達が表現されていて個性的というのでしょうか。「わたしのバッハ」を感じました。間違ってるかも知れませんが日本人のバッハを感じました。
 ロックバーグの51の断片からの曲ではいろいろな音楽素材に耳を傾けて「名曲」ができ上がるんだよという演奏者のメッセージが聞こえます。
 スプリング・ソナタは「春」ののどけさのイメージと違って若きベートーヴェンの意気込みがストレートに伝わってきました。
 アンコールのモーツァルトもうれしかったけれどオーナーの鈴木夫妻に捧げる「夢のあとに」が心に残ります。音楽は何よりも「心」ですね。【中村区:M. I. 】
○コープランドのソナタが最も印象に残りました。クラリネット協奏曲も良い曲でしたがこのソナタも憂いを秘めた佳曲ではないでしょうか? コープランドの曲はもっと演奏されても良いと思います。……というか聴きたいですね。
 ロックバーグの曲はちょっと共感できませんでした。あの連続的な音楽の変化は効果音(?)みたいで……でも、こういう曲が聴けるのはルンデならではということでしょう。【熱田区:D. H. 】
○潮田さんはサイトウキネンなどで小澤さんとも関係が深いのでぜひ聞いてみたい人のひとりであった。
 今まで何回か女性ヴァイオリニストを聞いたけどきょうが一番良かった。何より音が上品であった。ffでも決して押しつけがましくなく充分に抑制されていた。バッハとベートーヴェンが印象に残った。【Annon.】
○豊かな音質、音量に圧倒されました。素晴らしい演奏でした。
(ルンデは)ボロディンカルテットなど思い出があります。奏者と近い空間で聴ける場所がなくなるのはとても残念です。【Annon.】
○コープランドのソナタ、多分聴いたのは初めてと思いますが、ヴァイオリンの良さが生きたとても美しい良い曲でした。第2楽章 Lentoが美しかったです。バッハのパルティータ第1番も、クーラントの演奏が本当にクーラントの名のとおり流れるようで素晴らしかったです。ルンデの最後にまた潮田さんの無伴奏が聴けたのは幸せでした。
 後半のロックバーグの曲も、とても面白い楽しい無伴奏曲でした。(コープランドといい)ロックバーグといい、日本のベートーヴェンの「春」は、逝く春をおしむような、ルンデ例会の終演をおしむような気持ちで聴きました。素晴らしいベートーヴェンの音楽でした。ソナタで蓋を全開で頑張ってくれた佐々木さんのピアノも「春」の第2楽章のピアノ・ソロがひっぱっていくところなど素晴らしい演奏でした。
 アンコールで「エレジー」とモーツァルトまで聴かせてもらえ、ソロとデュオで2回コンサートを楽しんだ気分です。しかし、これが昨年に左手首を骨折された方とは!【緑区:K. I. 】

インデックスへ戻る

野原みどり ピアノ・リサイタル “ブラームスを弾く”
2006年5月21日 スタジオ・ルンデ
○オールブラームスのすばらしいプログラムを聴けてよかった。ブラームスの大きさがほんとうによくわかりました。ソナタの振幅の大きさ、音響も含めてとってもよく表現されていました。ブラームスの若い生命の輝き、シューマンの音楽の影響などもよく伝わり、コンサートならではの感がします。【中村区:M. I. 】
○みどりさんの最初の音が響いた瞬間、ああ、聴きに来てよかった、と想いました。ブラームスはとっつきにくいのですがこれで、ちゃんと聴いてみようという気になりました。
[ルンデ]みどりさんの“詩的で宗教的な調べ”を聴いたのがつい昨日のことのように想い出されます。ルンデのこと、忘れません。ありがとうございました。【杉並区:H. M. 】
○「ブラームス ソロは初めて」とのお話を聴いても、信じられないような素晴らしい野原さんのブラームスでした!
 プログラムも、聴いてみれば、まさに重量級のものでした。こんな曲があったか、と思うような迫力あふれる“二つのラプソディ”、素晴らしい対比の“変奏曲とフーガ”、そしてこれも実に充実した“ソナタ第3番”でした。野原ブラームスを是非世界に発信していただきたいと思いました。
 アンコールも素晴らしかった。あくまで素人の耳ですが、全4回、野原さんをルンデで聴き、あるいはルンデのピアノとペダリングの相性が良くなかったかと思うとこがありました。アンコールのような曲は完璧なのですが。【緑区:K. I. 】
○後半のソナタに圧倒されました。重厚かつ華麗というか……もっと渋い曲を想像していたので驚きました。とても良かった。【熱田区:D. H. 】
○野原さんについては失礼ながらこれまでほとんど存じ上げず、たまたま私の好きなブラームスのプログラムであったので参加しました。
 ブラームスのピアノ曲というと、そこにシューマンを感じることが多いのですが、野原さんの演奏にはなぜかリストの香りがあり、「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」を聞きながら「波を渡るパオラの聖フランシス」を思い浮かべておりました。
 今日の演奏を聴いてブラームスの音楽のダイナミズムを再認識しましたが、アンコールに演奏された作品118のインテルメッツォでは一転して繊細な表情を見せて下さり、かなり弾きこんでこられたことを感じられました。
 大変に満足のいく演奏会であり、今後とも他のブラームスの曲――例えば「パガニーニの主題による変奏曲」や2曲のピアノ協奏曲など――を聴く機会があれば、と思いました。【1473:J. O. 】

インデックスへ戻る

鈴木理恵子 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
2006年5月13日 スタジオ・ルンデ
○ヴァイオリンの曲の良さを知った。[ルンデ]今後も続けてほしい。【豊明市:石川時男】
○うるわしき声のような音ですね。はじめて聴く曲ばかりなのに、いつも聴いている曲のようにゆるやかに聴くことができました。「ココ」でしか聴くことのできないプログラム、とても楽しかったです。【Annon.】
○ヴァイオリン名曲集をはなれて、こんなにも多彩なプログラムにたんのうしました。
 ヴァイオリンという音楽の器が西洋から、今や世界の共通の器になっていると思いました。“赤とんぼ”では羽音が聞こえましたし、アンコールの“鳥のうた”では、平和を求めて鳥の飛翔が目に見えるようでした。演奏家の説明をききながら音楽を楽しめるルンデは、ほんとうに貴重なホールと思います。【中村区:M. I. 】
○さすがにアイディア・ウーマンの鈴木さん、プログラムも、並のものとは一味も二味も違っていました。初めて聴いた曲が大半でしたが、とても面白く、またどれも素晴らしい演奏でした。
 望外の解説もやってもらえ、古いビーバーのパッサカリアの工夫、現代イスラエル、スターンの日本初演曲、特殊調弦と奏法のボディの“エオリアンハープ”の響きは、私には特に面白かったです。即興演奏の入ったソロ版の“鳥の歌”も心にしみました!【緑区:K. I. 】
○前半の四人の作品は短くて、あっという間に終わった様な感じでした。指で弦をはじいて伴奏する曲は初めてでした。後半のマックス・スターンの曲はアラビアの人が浮かんで来ます。陽気な人だと思います。踊りたくなる様な曲でした。【中川区:S. A. 】
○これまで高橋さんとのデュオは何回か聴いていましたが、鈴木さんのソロを聴くのは今回が初めてです。ルンデ最後の無伴奏ヴァイオリン・リサイタルにふさわしい多彩なプログラムで、非常に素晴らしかったのですが、他のホールではこうはいかないだろうと思うと少々寂しい気持ちになりました。
 前半の、ヒンデミットのソナタやマルティノン「無伴奏ソナティナ」も、ソリストらしい音色と技巧を楽しめましたが、後半の民族音楽を取り入れた楽曲も、鈴木さんならではの選曲で非常に面白かったです。ヴァイオリン弾きの端くれとしては、特殊調弦とハーモニクスが紡ぎ出す音色が不思議なジャック・ボディ“エオリアンハープ”が非常に印象に残りました。【千種区:J. I. 】

インデックスへ戻る

ヤン・ギュンス&四戸世紀 《Clarinet Fantasy》
2006年5月10日 スタジオ・ルンデ
○とても良かったです。四戸氏の音が凄く良く感心しました。【天白区:Y. O. 】
○ヤン・ギュンスさんを見てみたくて来ました。バスクラであんなきれいな高音がでて自由自在に吹けるのはすばらしいです。四戸さんもとてもよかったです。珍しい曲や編成を聴けて満足です。
[ルンデ]居心地のよいホールだと思います。【豊川市:M. O. 】
○すごく良かったです。初めて生演奏を聴いて感動しました。またコンサートがあったら絶対聴きに行きたいです。【瀬戸市:A. T. 】
○ヤン・ギュンスさんのバスクラ、バセットの音すごくよかったです! バスクラがあんな音がするとは思いませんでした。また是非来たいです。【瀬戸市:M. S. 】
○とにかく全てが素晴らしかった! バスクラリネットを吹いているので、ヤン・ギュンス氏の生演奏を本当に聴いてみたかったので、とても嬉しかったです。
[ルンデ]約8年前にクラリネットアンサンブルの演奏会をルンデに聴きに来た事があります。とても良い音のするホールだと改めて思いました。【東区:Y. S. 】
○今夜のコンサートのようなのを聴くのが室内楽の醍醐味というものでしょう! 曲が飛切りどれも美しく、奏者の音楽性、技術も抜群で、本当に楽しかったです。初演曲でも楽しめたギュンスさんの「低音の魅力」は既に経験していましたが、四戸さんの、クラリネット独特の高低音での音色の変化を生かした演奏も素晴らしく美しかったです。浅井さんのピアノも、ホールの特性をよくつかみ、とっても良いトリオ、デュオでした。【緑区:K. I. 】
○とてもリラックスして、楽しんで聴かせていただきました。ヤン・ギュンスさんのために作曲された演奏をとても興味深く聴きました。
 後半、こんな近くでバセット・ホルンを聴けてとても嬉しかったです。【広島県:N. T. 】
○ルンデでも比較的少ない管楽器のリサイタルで、出演者も世界的な名手であるにも関わらず空席が目立ったのは残念でした。吹奏楽をやっている学生さんにとっては、いい勉強の機会だと思うのですが、平日の夜だからでしょうか……。
 演奏は勿論素晴らしく、特にデネイレの初演、ドビュッシー、 モーツァルトのアリアが印象に残りました。ピアノの浅川さんも素晴らしい演奏でした。特にドビュッシーが美しかったです。【千種区:J. I. 】
○ドビュッシーがよかったです。バスクラリネットを目の前で聴けてよかったです。【稲沢市:K. H. 】
○バスクラリネット(プログラム前半)・バセットホルン(プログラム後半)も加わり、クラリネットの魅力は豊かな「低音」にあるのかな……と改めて感じ入った次第。2本のクラリネットとピアノによる音の「饗宴」に一人悦に入っていたのであります。ハイ。
 四戸さんが演奏しているCD(ブラームス・ツェムリンスキーのクラリネット三重奏曲)を帰ってから聴きましたが、これは極上の「夜のBGM」です。渋いブラームスと香り高いツェムリンスキー……これはいい。【熱田区:D. H. 】

インデックスへ戻る

金澤 攝〜アントン・ルビンシテイン 冬の時代【前編】
2006年5月8日 スタジオ・ルンデ
○たんのうさせていただきました。正直これまでオーケストラ曲、ピアノ曲を通してルビンシテインという作曲家を私はあまり評価していなかったのですが突如現れた(ように思われました)高い完成度の作品には驚かされました。
 作曲者の方で、作品に収拾をつける術を身につけた結果、曲から「あの」冗漫さを追放できるようになったのか、単に私のルビンシテイン感が誤っていただけなのかは不明ですが、それにしてもこの深味はただ事ではありません。
[ルンデ]本当にこのホールを閉めてしまうのですか? それは惜しい!! あまりに惜しい!!!【Annon.】
○様々な作曲家の曲を聴かせていただいた金澤さんのリサイタルも、あと2回を残すのみと思うと寂しいです。
 今回のプログラムは、(恥ずかしながら)初めて聴く曲ばかりですが前半の“音楽の夜会”の迫力には圧倒されました。最近は力が抜けたとおっしゃっていましたが、ルンデで弾き始めた頃の「中村さん」は、こんな感じだったのかと思いながら聴いていました。
 後半はロマンティックな曲調の曲も多く、前半とは同一人物の曲なのかと驚かされましたが、中でも“アクロスティシュ第2番”が頭抜けて素晴らしかったです。【千種区:J. I. 】
○最高のウォッカとシャンパンを味わった一夜でした。金沢の天才に乾杯!!【Annon.】
○圧倒されました。スタジオルンデ、すばらしいぜいたくな空間ですね。もっと早く知っていれば良かった。【金沢市:宮本 恭】
○チャイコフスキーの作品に名をとどめる「偉大な芸術家」の作品を初めて聴いた。驚きの連続でした。よくもまあ、あんなにたくさんの音を鳴らすことができるものだと、休けい中に楽譜をのぞいたら、意外にもすっきりしている。現代の高性能のピアノを使って偉大な作品をさらに偉大にしていたのは、ピアニスト金澤だったのだ。偉大な巨匠に乾杯!!【中村区:M. I. 】
○前半の Op.109、大変な大曲でした。金澤さん、よく演奏してくださったと思います。ピアノ音楽にこんな曲が知られずに残っているというのは本当に驚きです。抒情的なところもあり、激しいところもあり、素晴らしい曲でした。
 後半の3曲も良い曲でした!特に Op.114、美しいところがありました。
 長時間のリサイタルのあとやってもらったアンコールのライネッケ曲の、また美しかったこと!【緑区:K. I. 】
○荒行、苦行というか……。大変なコンサートです。CDは殆ど持っていますが生は初めてでした。私にはルビンシテインは少し重いかな? また他の作曲家で聴いてみたいと思います。
[ルンデ]今回が初めてです。演奏者と近いですね。
【北区:諸永幹太】
○ルビンシュテインというと、大量の録音を残したアルテュール(アーサー?)と、チャイコフスキーに出来たばかりのピアノ協奏曲(あの有名な第1番)を見せられて「こんなもん弾けるか!」とこき下ろしたニコライ(この人、モスクワ音楽院の初代校長です)の2名がすぐ頭に浮かぶのですが、そのニコライの兄アントンについては、これまでほとんど聴いたことがありませんでした。せいぜい、ピアノ協奏曲とシンフォニーをCDで聴いたくらいで。
 今回の例会を聴いて驚きました。
 アントン・ルビンシュテインという人は凄い曲を書いていたんですね。これらの曲を聴く限り、リストやタールベルクと肩を並べるほどのテクニシャンだったと想像します。
 “音楽の夜会”は、これでもかこれでもかと重和音が炸裂する壮絶な曲でした。演奏者も聴き手もへとへとに疲れる曲です。後半の曲は対照的に穏やかな曲……と思いきや、終わりにはやはり……次回の例会が楽しみです。【熱田区:D. H. 】

インデックスへ戻る

有田正広 無伴奏フルート・リサイタル
2006年5月2日 スタジオ・ルンデ
○1度にこんなたくさんの楽器の演奏を聴くことができて楽しかった。フルートの歴史をまじえたお話も面白かったです。【昭和区:M. M. 】
○福島から息子がどうしてもルンデの演奏会に行きたいと言うので今日来ました。有田さんの素敵な演奏会に満足して帰ったと思います。【西加茂郡:K. M. 】
○クラシックコンサートは日頃行くことはないので、久しぶりに刺激を受けました。大変よかったです。たまにはクラシックも良いなぁという感じです。【西加茂郡:Y. M. 】
○いろいろな楽器を紹介しながら、その楽器にふさわしい曲を話を交えて、とても楽しい演奏会でした。
 私がいちばんフルートのイメージに合った曲はブラヴェ&クヴァンツでした。そのときの楽器はヘンデル時代のスティンビーを自作のコピー楽器だという話にびっくりしました。年令の限界をこえて永く活躍していただきたいものです。【中村区:M. I. 】
○すばらしかったです。感動です。有田さんのCD(2枚組)は何度か家で聴いていましたが、生の演奏は初めてです。いろいろな楽器を吹きわけてそれぞれ特色がすばらしく表現されていて、最高でした。またぜひ聴かせてください。
[ルンデ]以前1度だけ酒井さんのチェロを聴きに来て以来です。また来たいと思います。【天白区:N. A. 】
○これだけ多種類のフルートを一夜で聴いたことはありませんでした。多彩な音色の中に見えてくるフルートのソロ音楽が素敵でした!
 フルートも、肺活量の制約があるのでしょうか、貴重な機会にルンデでの有田さんの最後のリサイタルが聴け幸せでした。
 後半(アンコールも含め)の曲が、音色も含め、特に気に入りました。エチュードも、曲、演奏ともきれいでした。【緑区:K. I. 】
○前回の例会からほぼ9年が経過していた訳で、改めて時の流れを感じました。有田さんの軽妙な語りと見事な演奏で2時間の短く感じられたこと。個々の楽器の音色の面白さと楽器を変えても音合わせをせず一発勝負(?)で演奏にのぞむ姿が印象に残りました。【熱田区:D. H. 】
○バロックからドビュッシーまでのヴァリエーションに富んだ曲を、様々な楽器で楽しめる素晴らしい演奏会でした。聴く方は楽しむだけですけど、これだけの楽器を吹き分ける奏者の負担は如何ばかりかと感心しながら聴いていました。どの楽器もそれぞれの特徴があり面白かったですが、アンコールのパルティータで使った新作のトラヴェルソの響きが最高でした。折角の機会ですので、モダン楽器で現代曲とかも聴いてみたかった気がします。【千種区:J. I. 】
○他の予定がキャンセルになりルンデに来ることができましたが、大正解でした。
 前回も来たのに内容は良く覚えていません。解説付で多数の楽器を持ち替えて演奏するというのは本当に大変だと思います。ルンデで、且つソロでこそできる試みでしょうが、聴く方としては大収穫でした。
 モダン楽器も良いですが、やはり木の音の方が安らぎます。あまり演奏されないドンジョンを聴き、遠い昔にこの曲を練習したのを思い出しました。Fluteを持てなくなって四半世紀、ケースに眠ったままの楽器に日を当ててやりたくなりました。【守山区:T. H. 】

インデックスへ戻る

戸田弥生 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル 「イザイを弾く」
2006年4月29日 スタジオ・ルンデ
○素晴らしかったです。無伴奏はやはりすごいと実感しました。最後のメッセージも、とても謙虚かつ前向きでいらっしゃって、感動しました。
 途中で拍手はなしアンコールもなし、不思議な感じでしたが、何となく意味が分かった気がします。【天白区:M. N. 】
○戸田さんの演奏にはじめてナマで接したのは、2001年1月のバッハの無伴奏ソナタ・パルティータ全曲演奏のときである。この印象はまことに強烈だった。バッハの音楽がすごい力で迫ってきて、バッハの音楽というのはこんなにも人の心に訴える力の強いものだったのかということを感じた。
 その次聴いたのはアブデル・ラハマン・エル=バシャさんとの共演だったが、このときはデュエットということもあってかなり肩の力が抜けた感じで、戸田さんにもこういう一面があったのかと思った。
 そして今回はヴァイオリン曲の最高峰ともいうべきイザイである。この曲のことはもちろん知っていたし、部分的にはナマで聴いたこともある。CDも楽譜もある。ただし、全曲をしっかり聴いた覚えがないので今回しっかりと学ぼうと思って、事前に楽譜を見ながらCDを三回通して聴いた。そして改めて思ったのは、一体こんなに難しい曲をどうやってひくのだろうということと、こんなに技巧的に難しい曲ではたいして「音楽」が作れるのかということであった。
 戸田さんは下手から登場されたが、まず感じたのは、以前に比べてすっかり音楽家としての貫禄が付いたなあということであった。以前といっても四年前でしかないが、そのときはまだ何となく新進音楽家の雰囲気が残っていた。ところが今回はもうすっかり声価の定まった練達の音楽家という雰囲気なのである。この四年間にこなしてこられた数々のステージが音楽家としての厚みを増すことになっているのだろう。
 バッハのシャコンヌから始まったが、音を実にたっぷりと響かせた雄渾なシャコンヌで、ああやはり戸田さんだなあと思い、ここでもうすっかり彼女の世界に取り込まれてしまった。そしてイザイが始まった。イザイだけで約1時間かかったと思うが、これを休憩なしで一気に演奏された。この演奏についてはもう形容すべき言葉がない。快刀乱麻というか天馬空を行くというか、とにかくその妙技に酔うばかりであった。もっぱら演奏技巧に興味を集中させるというのは、あるいは邪道だといわれるかもしれない。しかしこの曲についていえば、曲の性格からしてそれはとがめられないと思う。とにかくあの難しい楽譜を、ひとつの乱れもなく楽器で音にしてゆくというのは、まさに神技としかいいようがなく、もうそれだけで音楽としての要件を十分に満たしている。しかも、演奏の楽な部分はまったくなく、一時間の間、最高度の緊張の連続なのである。実は聴いているうちにだんだんと自分の鼓動が早くなってくるのが自分でもわかり、最後の第6番になったときには息苦しくなってしまった。これほどまでに演奏者と一体になって音楽に没入したことは記憶にない。戸田さんにしても今がおそらく演奏家としてもっとも力が出せるときなのではないかと思う。そういう時期に彼女の演奏に接することができたのは本当に幸せなことであった。
 演奏後、戸田さんは拍手にこたえて何度か登場されたが、何度目かの時「今日はアンコールはいたしませんが・・・」という前置きつきで、自分のルンデとのかかわりなどについて少し話をされた。演奏中のまさに鬼気迫る雰囲気とは打って変わって、普通の女性が普通に話されている感じで、これがとてもよかったし、戸田さんの人間味が十分に現れたトークだった。これがなかったら、戸田さんの魅力は半分しか伝わらなかったであろう。【知立市:T. S. 】
○初めて伺いました。本当に熱のこもった素敵なコンサートをありがとうございました。戸田弥生さんは1995〜2002年ブリュッセル在住中にエリザベート王妃コンクールの受賞者のコンサートをお聞きしたことがあります。それで今回のコンサートを是非と思い伺いました。
(ルンデは)こんなにアットホームのコンサートがあるなんで知りませんでした。これから伺いたいと思います。【瑞穂区:Y. I. 】
○イザイの無伴奏をこういう形で見ること、聴くことが出来るということは、もう自分の生涯においてもないかもしれません。第1番の最初の出だしから、第6番の終曲まで、かわらぬ実力で弾ききられた戸田さんの技量に改めて感服しました。聴衆にも、相当の緊張を強いられましたが、とにかく全6曲を続けて聴けたことは、自分にとってもすごい経験でした。曲の構成や曲風の変化も感じ、今後個別に曲を聴くときにも参考になると思いました。【緑区:K. I. 】
○燃えたぎる炎の美しさ。気持ちよかったです。【M. M. 】
○すばらしい。【Annon.】
○感激しました。イザイは全曲をはじめて聞きましたがすぐれた作品だと思いました。休憩なしでプログラムの全曲を弾くのは体力的にも大変だと思いますが、最後まで集中力がすごく、音楽にひたりきることができました。【南区:S. Y. 】
○ついにここへは初めて入れたので非常によろしかった。【K. .K 】
○イザイは初めて聴く作曲家ですが、このソナタは秋の気配と聴く楽しさが一緒になった面白い曲ですね。ソナタの2番(と思いますが)バッハの無伴奏パルティータからの引用や「怒りの日」の変奏(ブラームスの4番のシンフォニーの4楽章のような・・・あれはパッサカリアというですか・・・間違っていたら失礼!)が印象に残りました。1時間以上の戸田さんの熱演には圧倒されました。【熱田区:D. H. 】
○イザイの無伴奏全曲はなかなか演奏されないので、楽しみにしてました。
戸田さんストラディバリ結構太めの音づくりでしたが、特に第2番がよかったです。(あと第3番)。
 残念ですね、あと2ヶ月で終わりなんて!【千種区:H. O. 】
○'01のバッハ連続の時にシャコンヌを仕切り直しされたのを思い出して聴きました。イザイの全曲を生で聴けた喜びは言葉にならない感動をおぼえました。
 グァルネリの音がルンデの空間に響きわたる。【Annon.】
○イザイの無伴奏ヴァイオリンソナタを全曲通しで聞くのは初めてです。と言うより、この曲自体ほとんど聴いたことが無い。
 いやー、感動しました。戸田さんのやや荒削りながら迫力ある演奏に圧倒されました。ただ、演奏者の希望でしょうが、途中中休みなしだったので、どこまでが1番でどこからが2番やらさっぱりわからなかった。気がついたら演奏が終わっていた。もう少し曲と曲の間に間を取ってくれた方がわかりやすかった。
 この無伴奏ヴァイオリンソナタ集は、バッハのそれに匹敵すると言うのは言いすぎでしょうか?【T. K. 】  

インデックスへ戻る

舘野 泉 ピアノ・リサイタル
2006年4月23日 スタジオ・ルンデ
○舘野さんのピアノで多くの方が勇気や光を受け取られたことと思います。左手から流れ出てくるはげしく優しい澄んだ音を聴きながら改めて私自身、生きること美しいものへのあこがれを思いました。とても嬉しく聴かせていただきました。ありがとうございました。
[ルンデ]少人数のための、私のための音楽を素晴らしいアーティストの方が奏でられるルンデホールです。【広島県:N. T. 】
○舘野泉さん今尚健在!すばらしいピアノをありがとうございます。目をつぶって聴くと、全く片手丈ということを忘れて音楽の醍醐味にひたされます。これからも御活躍を期待します。
 又々フィンランドの曲を開拓して下さい。沢山の作曲家がすばらしい曲をかいてくださるので聴くのが楽しみです。「タピオラ幻景」が一番たのしめました。【東大阪市:Y. K. 】
○すごく素敵でした。特にシャコンヌに胸を打たれました。舘野泉さんのピアノの音色はこれまで美しい音、澄んだ音、きらめくような音という印象だったのですが今日は何ともいえない暖かい音でした。厳しい冬に人々と暖める暖炉のような私達みんなを包み込む音でした。わけもなく涙が出ました。
[ルンデ]6月でなくなるのはとてもさみしいです。名古屋の誇りでした。【稲沢市:M. H. 】
○片手のピアニストになられ、そぎ落とされた、あるいは研ぎ澄まされた音のピアニストと勝手に理解していましたが、いや、力強いピアノでした!
 響きの美しさ抜群でした。久しぶりに満席となり、本当の残響で舘野さんの演奏が楽しめたことを幸せに思います。聴き慣れたシャコンヌもこんな風にも演奏できることが分かり、美しい吉松さんやアンコールのアリアのような曲、スクリャービンの聴きやすいともいえるポピュラーのような曲、そして、あらゆる演奏技術を生かした末吉さん、ヴェリ・クヤラの現代曲と、片手曲を十分に楽しみました。【緑区:K. I. 】
○ピアノの音のあたたかさにつつまれるって、今日のアンコールの時にこんなかんじなんだろうなとたのしかったです。【M. M. 】
○力強く楽しくあたたかい音を聴かせていただきありがとうございました。これからもずっと活動されることを願っています。
[ルンデ]すてきなコンサートでした。また聴かせて下さい。【桑名市:M. T. 】
○演奏の最初から倍音の渦を聴いた。十指なら音のグラデュエーションでかき消されてしまうような倍音のうなりが、五指のゆったりしたテンポでは大理石の彫刻の1本1本の線のように強調される。音の方向性に対する細やかな反射神経は依然すばらしい。音のかたまりで偉大な建築物を型造っていくかのごとく説得力。強い意志の込められた音の一つ一つが、曲の構造を創り上げてゆく。……その即時の瞬発力は、すばらしい古典建築の幻影を垣間見ているような逞しさを感じた。50の色彩に100の色を見ることの偉業を見事に成し遂げられている。信念をもった音の表現するダイナミクスは、十指が描くキャンバス以上の迫力。
 現実を受け止められた当初はさぞかしもどかしさもあったことだと思います。しかし今こうして素晴らしい演奏を聴かせていただき、舘野泉の芸術はたゆむことなく歩まれ続けることを確信し、一芸術家の誠実な思いにこころが熱くなりました。ありがとうございます。【天白区:Y. K. 】
○久しぶりに聴く舘野さんの演奏。時が経っても演奏家の音の個性、持ち味や微妙なニュアンスは、今日こうしてまたじっくり味わうと、意外なほど記憶に残っているものだなと感じ、とても嬉しかった。厳しさと力強さ、そしてあたたかさを併せ持つ舘野さんの音色。それは森羅万象あらゆるものの表現を可能にするのだなと聴き入り、「土の歌・風の声」、「タピオラ幻景」のイメージを楽しんだ。スクリャービンの二つの小品も本当に美しかった。最後のV.クヤラの三つの舞曲(サンバ、ワルツ、タンゴ)は、私の先入観と随分違ったが、それもまた面白かった。
 譜めくりをされたルンデの御大。これも世界に無二のホールだなとしみじみ。
 温厚なお人柄が滲み出る舘野さんの最後のお言葉は、重みがあり心に染みました。ルンデの会閉幕予定の報に逸速く連絡を取られ、「懐かしのアーティスト」として来演してくださったことに、心から敬意を表します。【北区:K. A. 】

インデックスへ戻る

山崎伸子(vc) & ヴァディム・サハロフ(pf) 
2006年4月21日 スタジオ・ルンデ
○弦楽器が好きですが、特にチェロが好きです。シューベルトの「アルペジョーネ・ソナタ」が聞きたくて今度はルンデに参りました。素晴らしい演奏でした。この曲は大好きな曲ですが、実演では初めてです。LPやCDではいつも聞いている曲です。山崎さんの今後の益々のご活躍をお祈りしています。
 ショパンにこんなにすばらしいチェロソナタが有るとは知りませんでした。
(ルンデは)アットホームな会で素敵な会ですね!【緑区:M. W. 】
○たのしい演奏会ですね。ピアノの音がやわらかくてチェロの音がりりしくて。【一宮市:S. N. 】
○最初のシューマンの曲のほんの1音聴いただけで、「すごい!来てよかったー!!」と感動しました。迫力ある音、甘美な音……。言葉では書き尽くせない程多彩な音色を楽しませて頂き大満足です。どの音にも気迫というか魂がこもっている感じがして、あんな演奏をしてくれたら……(※息子がチェロを習っているので。9才で、今ハイドンのC-durを練習中です)と強く思いました。奏法などとても勉強にもなりました。素敵な演奏をありがとうございました。【半田市:N. H. 】
○チェロのファンなのです。シューベルトのソナタは一緒にチェロと歌っている感じでした。山崎さんのチェロは伸びやかで深く美しい音色で心にしみました。又サハロフさんのピアノが素敵で、お二人が奏でられる音楽に夢中になって聴きました。楽しいとてもいい時間でした。ありがとうございました。【広島県:N. T. 】
○ルンデの山崎さん最後のプログラムが、聴きたい名曲でうまり、まず感謝、ピアノと切り結ぶような、熱の入ったシューマン小品、ピアノとの協調と対決が美事で美しかった。シューベルトのアルペジョーネ!後半のショパンも、本当にチェロソナタの魅力が存分に楽しめた名演でした。いつもはニコニコ顔の山崎さんも、さすがに今夜は!ピアノのサハロフさんもルンデ初登場と思いますが本当に美しいピアノでした。【緑区:K. I. 】
○山崎さんのルンデでの演奏会は、以前から聴きに来たいと思っていたのですがいつも都合がつかず、最後にしてやっと来ることが叶いました。
 チェロについてはあまり詳しくありませんが、今回の演奏会では馥郁たる香り高い演奏を聴かせていただけたと思います。また、サハロフさんの伴奏はシューマンとシューベルトでは一歩下がってチェロを引き立てましたが、ショパンでは対等なパートナーとしての対話を楽しませてくれました。【瑞穂区:J. O. 】
○感情が迸り、「顔」でも弾く山崎さんのロマン派は、表現したいことが溢れ出ていた。「アルペジョーネ」は、やはり十八番といった感を受けました。後半は友と席を代わり、久しぶりに最前列で聴いて心臓バクバク。23回の演奏ジャンルの多彩さにも驚きです。ステージに登場されるだけで、こちらが幸せな気分になるのも山崎さんの魅力の一つですね。また、当地のチェリストのお顔をちらほらお見かけしたことも嬉しかった。斯くありたい。
 家路を急ぐ若き友と余韻を楽しみながらの道中も、また幸せな一時でした。【北区:K. A. 】

インデックスへ戻る

今村泰典 リュート・リサイタル 『ヴァイスの音楽』
2006年4月18日 スタジオ・ルンデ
○全曲すばらしい演奏。リュートコンサートでは特に満足でした。【各務原市:M. K. 】
○とても素晴らしかった。ヴァイスの音楽の中に色々なスタイルが聞けて楽しかった。【春日井市:K. T. 】
○バッハとまったく同時代の人なのに音楽はずい分ちがう。漱石流にいうとバッハは智にはたらきかける音楽なのに、ヴァイスは情にさおさす音楽だと思った。それにしても小さな音量で十分音楽を楽しんだ昔の人の方が精神的に豊かであったのではなかろうか。【中村区:M. I. 】
○いや〜実に良かった。前半は申し訳ないがあの音にかこまれて夢心地になってしまったが、後半とアンコールはしっかり聴かせて頂いた。
 ああいう空間に身を寄せるというのは贅沢なことではないだろうか?至福の時間でした。
 リュートのような楽器で「フーガ」というのは考えてみれば時代の中での自然な音楽様式ではあるが、いつも両手でフーガを弾いている僕にとっては興味深い(見ていてもおもしろい!なぜ右手だけで多声が可能なのか?など)ものだった。【天白区:H. N. 】
○淡々と今村さんは演奏されているように見えて、聴いているこちらは思わず手に汗がにじんでくる熱演でした。ヴァイスのソナタ2曲も素晴らしかったです。私の好みは、断然後半のイ短調でした。現代にも通じる非常に面白い曲と感じました。アンコールも美しい演奏でした。【緑区:K. I. 】
○ルンデに出会わなかったら、おそらくリュートを聴く機会は持てなかったのではないかと思います。ルンデの「窓」から本当にたくさんの世界を見せてもらいました。
 リュートの音は実にやわらかく、あくせくした現代からバロックの時代に極自然に誘ってくれて、安らか〜な気持ちになります。新しい作者の楽器だからでしょうか、はっきりと通る音は、現代の香も醸し出していました。
 後半のト短調のプレリュードはそれはそれは美しく、休憩後の御大の挨拶で胸が一杯になった我が心に、切ないほどに響いてきました。【北区:K. A. 】

インデックスへ戻る

堀米ゆず子&児玉 桃 『モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 撰集』 第4回
2006年4月16日 スタジオ・ルンデ
○第2回と今回を聴かせてもらいましたが、第4回を聴いて、やっぱりモーツァルトのVnソナタってこんなに素晴らしいってことを再認識しました。
 堀米さんのVnのさえに児玉さんのピアノ(ピアノは今回出色とおもいました。)の弾む音で良い音楽演奏でした。【千種区:H. O. 】
○まさしく至福のモーツァルト。快いソナタに酔いしれました。最後のステージと云うこともあり感慨深い素晴らしい演奏でした。ありがとうございました。【西区:K. S. 】
○モーツァルトの魅力である憂いを含む晴朗さを示す申し分のない素晴らしい演奏でした。K.304涙が出ました。
[ルンデ]自主企画がなくなるものはさびしい。Playerと聞く人が身近なホール。【Y. O. 】
○K.377のソナタは私が十代からSP、LP、CDと聴き継いで来た曲ですが、生演奏に出会えたのは今日がはじめてです。お二人の息の合った名演絶妙の強弱に思わず涙しました。
 60余年の念願が叶い大満足でした。有難うございました。【北区:H. T. 】
○すごかったです!!一番最初の曲が気に入りました。ほり米さんと、児玉さんのルンデのコンサートは最後なので、見れて(聞けて)よかったです!
♪ルンデ さいこう!!!
[ルンデ]6/18でもうルンデがなくなるのは、さびしいです。ルンデは私のお気に入りの所だったので本当はずっとつづけてほしかったです……。後2、3回しか行けないし……。【K. N. 】
○第2回から、最終回の今日まで3回拝聴しました。いずれの回もとても素敵で、心地良い音楽を身近で満喫させていただきました。ありがとうございました。
 ヴァイオリンを習い始めた娘と音楽がまったく分からない私なのに、堀米さんと児玉さんの演奏は心と身体にしみ入ってくる気がします。
 娘もコンサートはお行儀良くしていなければならないのが得意でないのに「ルンデに行く?」と聞けば「行きたい!」と答え、「堀米さんだよ!」と言うと「行く!行く!」という具合でした。別の会場で次にということでしたが、本当に名古屋にも来ていただけるのでしょうか。楽しみにお待ちしていますのでよろしくお願いします。【天白区:M. N. 】
○4回目にしてやっとやっとこれました。楽しかったです。【M. M. 】
○最終回も素晴らしい曲ばかりで、お二人の演奏にも本当に満足しました!原題の「ヴァイオリンのオブリガート付き……。」というのがピッタリという部分がなんども出てきますね。K.377のアンダンテ、K.378全体は特に美しく、素晴らしい曲を心の底から楽しみました。
 本当に美しい曲ばかりのツィクルスを聴かせてもらえ、楽しかったです。最後のアンコールも、大好きなK.304ホ短調のメヌエットで終わり、涙が出るくらい美しい終わり方でした。【緑区:K. I. 】
○大好きなモーツァルトの曲をお2人のすばらしい演奏で全回聞くことができ、大変うれしく思いました。ほんとうに心が洗われるようなひとときを過ごさせていただきました。
 お2人の今後のますますのご活躍を祈念いたしております。【豊田市:O. M. 】
○良かったです。ありがとうございました。
[ルンデ]演奏者の近くできくことができて、たいへんぜいたくで幸せな時をすごすことが出来るホールだと感じました。【千種区:M. A. 】
○作曲家にはその生活が表現される日記のような作品群がある。モーツァルトの場合はヴァイオリンソナタだ。大はしゃぎのモーツァルトの次に物思いに沈むモーツァルトがあり、きょうの4曲にモーツァルトの生活や感情が全部ふれられたと思いました。
 またアンコールの2曲K.526と304はそのエッセンスです。304メヌエットのすすり泣くような表現にじーんときました。【中村区:M. I. 】
○以前からずっとお二人の演奏を聴きたい聴きたいと思っていて今日やっと念願がかないました。素晴らしい演奏で至福の時を過ごさせて頂き大変満足致しました。本当に有難うございました。
(ルンデは)やっぱりどのホールよりもルンデの音が一番素晴らしいです。【吹田市:N. T. 】
○お二人共、余裕たっぷりの演奏で聴く私達も心豊かに音楽を楽しむことが出来ました。ありがとうございました。【豊中市:K. O. 】
○生誕250年ということで、モーツァルトブームである。その中で、このシリーズが終了した。
 世間では、モーツァルトは癒し系の音楽で、BGMとしては最適ということになっている。それは、ベートーヴェンと比較した感じ方であり、モーツァルトにはそれなりの世界があり人生があり、音楽の変転、進歩がある。
 このシリーズではVnとピアノの合奏で十分満足した。本日のプログラムでは、第一曲は後期の落ち着いた曲である。第二曲と第四曲はポピュラーな曲で、それこそBGMでしばしば聞こえてくる愉悦感ただよう曲である。
 二人の芸術家を比較すると堀米さんは完成された明るく、恰幅の良いヴァイオリニストで安心して鑑賞できる。それに対し児玉桃さんはまだ若いしこれから伸びていく人だろう。正確無比なタッチでありながらVnより少しひっこんで伴奏者の分をわきまえようとしている。しかし、私達は児玉さんがこのモーツァルトをはじめショパン、ドビュッシーからメシアンに至まで、マスターしているフランス派の万能の人であることを聞いてしまっている。益々、世界市場へ進出することを望みたい。【中区:T. F. 】

インデックスへ戻る

児玉麻里 ピアノ・リサイタル 『ベートーヴェン:ソナタ全曲演奏』 第7回
2006年4月9日 スタジオ・ルンデ
○非常に質の高いレベルで良かったと思います。
今後ベートーヴェンではなくいろんな作曲家の全曲演奏会を企画して下さい。【大阪府:K. S. 】
○最後の3曲を通しで聴いた希有の機会でしたが、最後の3曲はやはり素晴らしかったです!麻里さんの演奏にも、スッカリなじみ、最終曲の演奏は格別でした。楽しかったです!
 そうなんですか。優れたピアニストにとっても、全曲演奏というのはエベレストに登るのと同じ位大変だったのですか!でも、ベートーヴェン山の三つのピークの一つと聞いていたソナタ全曲が初めて通してこの場で聴け、本当に幸せでした。導いてもらった麻里さんにも大いに感謝しています。【緑区:K. I. 】
○児玉麻里ベートーヴェン全曲ソナタの最終回。とても良かったです。30、31、32の中で眉逸だったのは31番、32番も迫力と細やかさが織りなしていて感動でした。でも今日一は31番作品110だったと思います。このルンデのコンサートが6月までしか聞けないのが残念です。【千種区:H. O. 】
○ソナタ30番、31番は静かな曲で終わりに力強さが加わり大変良い曲でした。麻里さん全曲演奏ありがとうございました。おつかれさまでした。【中川区:S. A. 】
○この児玉さんのシリーズもとうとう最終回になった。しかもベートーヴェンの最後のソナタ三曲が演奏されるというので、どうせ聴くなら「予習」をしようと思い、手持ちの全集(演奏者はバックハウス)からこの三曲だけ何回か聴いた。そのうち二回ほどは楽譜を見ながら聴いた。
 バックハウスの演奏を頭に入れてから聴きに行ったので、どうしてもそれとの比較で聴くことになってしまったが、一言でいえば、バックハウスの演奏は真面目で几帳面ではあるがどこか古めかしいのに対し、児玉さんの演奏は古典の枠は守りながら、その中でかなり自由奔放に自分の音楽を作っておられたように思う。まさに縦横無尽に音楽に自分の魂を入れ込んでいる感じで、思いのままに何でもできる人だなあという気がした。特に作品111のソナタは、演奏されるのを聴いていると児玉さんのこの曲に対する思い入れがひしひしとこちらに伝わってきて、身震いがするようであった。あまりいい表現ではないかもしれないが、壮絶な演奏だったと思う。あるいはこれがシリーズの最後の曲だということで児玉さんにも特別の感情があったのかもしれないが、気迫が痛いほど伝わってきた。そして、実はCDを聴いただけではこの曲のどこをどう聴けばいいのかがちょっとよくわからなかったのだが、児玉さんの演奏を聴くと、「聴きどころ」が自然にわかってくるようで、これはすごいことをする人だと思った(これは他の二曲についても同じ)。まさに有終の美とはこういうことだと思った。
 そして今回改めて児玉さんという人は一流のプロの演奏家としての雰囲気を持った人だなあと思った。ステージでの振る舞いなどがいかにも音楽家らしいのである。演奏会の場合これは意外に重要なことである。それに、今回は児玉さんを真横から見る位置だったので手の動きがよく見えたのだが、手首や指の使い方が実に美しく、なるほどいい音楽を作るためには形も大切なんだなあと改めて思った。しかもそういう「形」はおそらく音楽の種類によって変わるのだろう。こうなってくるとこれはもうプロの奥技とでもいうべきもので、とてもわれわれ凡人の想像できる範囲ではない。
 とにかく今まさに絶頂期にあるピアニストが、最高の場所を得て自分の思うところを余すことなく披瀝したという感じの演奏会で、そういう場に居合わせることができたのは本当に幸せなことだと思ったのであった。ルンデに来られることはもうないのだろうが、機会があれば何度でも聴いてみたいピアニストである。【知立市:T. S. 】
○ベートーヴェン全32曲のピアノソナタ、その最後の3曲ということで、私の知る限り、ベートーヴェン芸術の集大成で古い解説書には縹渺という難しい言葉を使って評論されている。こうゆうことでは自ら肩が凝ってくる。何かオドロオドロしい先入観を与える。
 CDでグルダの演奏でこの3曲を聴いていた。そんなに難解ではないでないかと思った。そして今回の児玉さんの演奏は明快、明朗でさえある。ルンデの構造にもよるのか、細かい音までしっかり聞こえた。
 作品109は、冒頭の主題からよく知られたメロディで、短くはっきりしている。第二楽章もポピュラーな主題で元気である。第三楽章は変奏曲の妙を尽くしている。甘美な感情を与える。
 作品110はポピュラーな部分はないにしても第二楽章は日本の能楽のような少ない音の中に全世界、全宇宙を抱え込んでいる美しいムードで感銘した。これが後期作品の特徴ならわかる。
 作品111は二楽章からなる最後のソナタである。最初から激烈な鋭い導入部があり、以下楽章全体に緊張がただよい第二楽章に移る。この最後の楽章は、変奏曲だが傑作である。主題はポピュラーで変奏しやすいいかにもドイツ的メロディーである。変奏は高揚して第三変奏は後世のジャズを思わせるリズムであり、膨大な活力を発散させていて印象が強い。その後の第四変奏はこの楽章の特質である9拍子のそれこそ縹渺とした部分に入り終わりのppにいたる。この曲は強烈な個性を持った曲である。
 次に児玉麻里さんのベートーヴェン全ピアノソナタシリーズを通した感想を簡単に述べたい。
 疾風怒濤の時代を貫き通し、ピアノフォルテの楽器の改革が進む中、ピアノ曲の新約聖書といわれたピアノソナタ全32曲を聴いて、とても良い経験をした。名古屋ではおそらく最初のイベントだと思うが、改めてベートーヴェンの革命者としての位置づけが良くわかった。
 児玉さんの演奏は、昔のシュナーベル、バックハウス、ケンプの全曲盤のドイツ的堅牢さと違い、とてもピアニスティックで各曲の曲想の違い等も良く弾き分けて、かえって各々の曲の美しさを引き出していた。ごくわずかに平凡な出来もあったが、中期の大曲「熱情」、「月光」、「ワルトシュタイン」などが、やはりタイトルがつくだけあって名曲なのだという力のこもった演奏をみせた。長身の白皙美人で左手の指輪とその都度の衣装の趣味のよさが抜群で、ピアノと一体化してその姿がいつまでも目に焼きつくだろう。4年にわたる長丁場有難うございました。【中区:T. F. 】
○全体に曲にメリハリがなく、平板な感じがした。3曲目のソナタ第32番は比較的よかったが、いったいに音を大きく弾くことばかりが目立ち、繊細な表現に欠ける。ご本人も今日の出来にはご不満があったようで、演奏後も笑顔が見られず、引きつった表情のままだったのが気の毒な感じがした。(素人が生意気なことを書きました。)【Y. O. 】
○児玉麻里さんの連続演奏会7回のうち、これまでの6回には参加していませんので今回だけの感想です。
 ベートーヴェンの最後の3曲のピアノソナタはいずれも私の好きな曲であり、新たなる感動を期待して聴きにきました。最初のOp.109の出だしから、ボリュームのある音を聞かせてくれるなぁという印象を受けました。ただ、音のボリュームはあるのですがやや音が濁ったような印象があり、またピアニシモとフォルティシモの対比が不十分であるように感じました。Op.111の第二楽章のような内省的な部分で涙のにじむような感動を覚えることができなかったのは、このような演奏スタイルが原因だったのかと思います。強音部にタッチの正確さが、弱音部に繊細さが加われば、児玉さんの演奏の特長がひきたってくるのにと思いました。【天白区:J. O. 】
○全7回32曲を聴いた。生演奏で全曲聴いたのは初めてである。30年ぐらい前にバックハウスと、ケンプの演奏による全集を買って以来、ベートーヴェンのピアノソナタ全集は、私にとって最もなじみ深い曲になった(なぜか有名な曲を個別に買う前に全集を買ってしまった。これは、何ごとであれ、私の性分の一般的傾向である)。ケンプのほうは15枚組のピアノ曲全集で、他の人の演奏で「選帝公ソナタ」や「ディアベリ変奏曲」なども含まれていた。
 児玉麻里の演奏はケンプやバックハウスの演奏とはかなり異質なのだろうか。特に第1回の演奏会は、私自身最初から興奮気味だったこともあってか、少し頭がボーっとしてしまった。第4番のときには、「一体どんなイメージで弾いているのだろう」と戸惑いながら聴いていた。第2回以後しだいになれてはきたが、興味をそそられたり、ボーっとしたりを繰り返しながら聴いていた。そんな流れの中で第6回を前にして、「彼女が1、2、3番を弾くとどうなるのだろう」という期待と不安がふくらんできた。
 私はケンプよりもバックハウスのほうが好みであるが、どちらも、初期の曲の演奏には今ひとつものたりなさを感じていた。たまたま耳にした他の人の演奏でもそうだったが、10年ぐらい前に、ルンデの「音楽する仲間たち」のシリーズのなかで鈴木綾子が弾いた1、2、3番を聴いたときには、すっかり満腹という感じだった。
 ところが、児玉麻里による1、2、3番の演奏は、そんな私の安らかな気分をぶっとばすほど激しく、強烈だった。1曲目、長調の第2番からしてちょっとびっくりという感じだったが、2曲目、短調の第1番の激しさには、まったく驚嘆してしまった。後半の第3番でも同じ傾向が続き、ここに至ってようやく私は、彼女の演奏が分かってきたような気がした。もちろんたんに激しさだけというわけではなく、深くとぎすまされた緩徐楽章(初期の曲では特に第7番が印象深かった)はよい対照をなしていた。
 そして今回、最終回の演奏会。最晩年の3つの曲が最初期の3つの曲と同じ志向で演奏されていると分かって、意外だったというか、納得したというか。ベートーヴェンのピアノソナタに対する、彼女の深い思い入れを感じた。
 というわけで、児玉麻里の演奏は、30、31、32番においては深遠さより情念の深さと、1、2、3番においては穏やかさより激しさを示すことによって、私に大きな動揺を残すものであった。もちろん、全曲を通じての演奏は優れたものであった。彼女の描いたベートーヴェン、ピアノソナタ全曲という宇宙は、明るく輝く1つの美しい宇宙である。しかし私の感じでは、「この宇宙は、まだあちらこちらに混沌を残している」と思えた。いわばこの宇宙は、いまだ形成されつつある宇宙なのである。彼女はまだ若い。この宇宙は今後も成長を続け、さらに大きく光り輝くことだろう。その成長の過程で、また何度か、彼女の宇宙を楽しませてもらえれば幸せである。【四日市市:K. K. 】
○スタジオ・ルンデの皆様25年大変ご苦労様です。『主催・例会事業』を打ち切るとの知らせを頂いてからようやく、なんとか都合つけてルンデのあの落ち着ける会場に座ることが出来ました。
 児玉麻里さんの演奏は初めて聴きました。32番のソナタ、第二楽章最後の変奏部は、天上の美しさを伝えたいと思う工夫と表情は素晴らしいと思いました。また同時に、ここには『やすらぎ』がありますが、『何物にも替え難いやすらぎ』として強調して欲しい。さらに、その『やすらぎ』をも、置き去り、振り切って天国的な……。そんなイメージで聴きたい。【新潟市:K. G. 】
○弱音の美。いや、弱音だけではない。一音一音が丹念で透明感を持って響く。巨漢がピアノを余裕綽々にコントロールして弾く繊細な音は、悲しいかな女性には達し得ない領域なのかなと正直なところ思っていた。今日はそんな愚かな固定観念を見事に覆してくれた。華奢で神秘的な美しさが魅力の児玉さんのどこにこんな力が秘められているのでしょうか。すっかり聴き惚れて大満足!【北区:K. A. 】

インデックスへ戻る

御喜美江 ファンタスティック・アコーディオン
2006年3月26日 スタジオ・ルンデ
○たくさんの風景とともに音楽をたのしむことができました。
 御喜さんのアコーディオンはいつもあたたかく毎回自分の中の音楽の何かを刺激してくれます。(アコーディオン弾きたいです。)【M. M. 】
○ルンデでの御喜さんの演奏が今日で最後だと聞きやって来ました。去年と今年の2回しか来れませんでした。ルンデのコンサートはだいぶ前から知っていたので、もっとたくさん来ればよかったと後悔の気持ちでいっぱいです。【京都市:M. N. 】
○好きなスカルラッティ、バッハの曲は出てきませんでしたが、やはり御喜さんの演奏の集大成ともいえるコンサートでした! 前半のひき出しも楽しかったし、後半のモリクの曲も、デュオは聴きやすく、協奏曲はまさに御喜さんの演奏が素晴らしかったです。シェンクさんもとても良いサポートでした。
 大好きなピアソラの美しい曲が、アンコールを含め2曲も聴け幸せでした。御喜さん、本当にアコーディオン演奏に目を啓かせていただき、ありがとうございました!【緑区:K. I. 】
○ルンデで24回との事(カザルスホール14回)でしたが、今回始めて聴きました。(以前からおもしろそうというミーハー的であってもなかなか来れなくて last に間に合いました)。
 アコーディオンの楽器特性やバロック曲、現代曲との区分、そしてロマン派のプログラムに込められたフィロソフィなどとても参考になりました。一日でアコーディオンという楽器が解ったような気がします。最後って残念な気もします。
 鈴木さんへの花束贈呈、感動的でした。【千種区:H. O. 】
○アコーディオンの色彩の豊かさに感心しました。色とりどりのロマン派の作品その中にグリーグの抒情小品が芯としてつらぬかれて全体がたいへん大きな音楽となっていました。グリーグの「バラード」の重厚な和音の中から聞こえてくるひそやかなメロディがとても印象に残りました。【中村区:M. I. 】
○アコーディオンの音は、空気の振動を肌で感じるように温かい。その音はどこか物悲しくもあり、情感たっぷりの『うた』を表現するのにとても適しているなと改めて感じました。音が語るイメージが聴き手の心の引き出しに収まる。思えば音楽の中で遊び、寛ぎ、学び、何かを育んできた。
 沢山の思い出をありがとう、御喜さん。今年の「春」の到来は、カウントダウンの始まりでもあり、キュン。【北区:K. A. 】
○心に残るとてもすばらしい演奏、コンサートだったと思います。ルンデで御喜さんの演奏がきけなくなるのが寂しいです!【西加茂郡:K. M. 】
○最初の曲で、もう目が潤んでくるよな感動に襲われました。「入神の妙技」という言葉がありますが、楽器が、これほど心の中に入り込んでくる経験は初めてでした。御喜さんのアコーディオンに寄せる思い、ルンデでのコンサートの想いがいっぱい詰まったような音楽……。
 シェンクさんへのミニ・インタビュー、とても面白かった。真面目な話の最後にちゃんとオチがあるのも秀逸――さすが。
 メロディー楽器としてのアコーディオンも堪能しました。最後の協奏曲は、開いた口がふさがぬ名人芸……アコーディオンもピアノも! 
 奏者から主催者への花束贈呈も前代未聞。素晴らしい「ラストコンサート」でした。【Annon.】

インデックスへ戻る

オーケストラ・アンサンブル金沢 第24回名古屋定期公演
2006年3月23日 愛知県芸術劇場コンサートホール
○琴の合奏との共演による「六段」はいかにも春らしい選曲。単に優雅なだけではなく、後半は春の嵐を思わせる表現がオーケストラに聴かれてなかなか雰囲気が豊かな協奏曲になっていた。同じ邦楽器との共演でも戦前の橋本国彦による長唄新曲などと比べて格段に出来が良い。
 ドヴォルジャークのチェロ協奏曲はコントラバス4本に拡大されたOEKと御大堤氏との巨匠的演奏。テンポが遅めで歌謡的メロディーに深い感情が込められており感動的。2楽章のホルン三重奏は出色のうまさだった。
 ブラームスでは最も交響詩に近い構成の第3交響曲は、プログラムでは小編成での新古典的表現に乞うご期待のようなことが書かれてあったが、なかなかどうしてロマンティックで壮大な音楽になっていた。とにかく各パートのよく歌うこと!第3楽章は声涙ともに下るという感じだった。起伏に富んだ音楽のしめくくりに、この曲のライトモティーフともいうべき第1楽章の第1主題が静かに奏されると、まるで一人の人間の生涯に立ち会ったかのような印象を受ける。一方、小編成のメリットもあり、内声の細かい動き、それによって作り出される半音階を多用した不安定な和声が浮き彫りになることで、ブラームスの近代性がよく感得できたのは収穫だ。ブラームスは実はヴァグネリアンなのではないか。
 なお今回のオケーリー氏のティンパニは今までの彼の演奏からは聴いたこともないような重厚な響きがした。ブルックナーなんかを聴いてみたい。
 アンコールのワルツは前にも彼らによって演奏されたことがある作品。グロッケンシュピールが効果的な編曲である。【世田谷区:M. A. 】
○三階二列25の席でした。最初の演奏の音であまりの響きにまず驚きました。ルンデさんにチケットの電話をしたのが販売から日も経っていたので、あまりいい席はないかと思っていましたら、「でも、ここはお勧めですよ」と言われ(以前にも同じ様なことあり)本当にいい席で、昨年聴けなかった岩城さんの素晴らしい演奏を聴けありがとうございました。アンコールの曲が耳から離れません。
 遠くてなかなか行けませんが素晴らしい音楽をありがとうございました。昨夜は0時少し前家に帰りました。【松阪市:M. N. 】
○初めてオーケストラのコンサートを聞きに来ましたが、とても感動致しました。すばらしいの一言です。次回も聞きに来たくなりました。【清須市:A. H. 】
○少しかぜぎみでしたが、聴きにきてよかったです。すっかり治りそうです。すてきな演奏をありがとう!【Annon.】
○創立以来から聴いて来ましたが、岐阜へ退職後引っ込み仲々聴けず、久しぶりに感動! 今日は雅楽も入ったせいか、より結構!!
 堤氏もエー! やはり金沢は学生時代居たせいか文化度が高い! 同じ40万都市で岐阜はアワレ! 岩城さんだいぶ齢をとられたが、ガンバッテチョ! 現代音楽が聴きたい! 新美さんヨロシク……。【岐阜市:K. A. 】
○2004年から急にクラシックを聴くようになり学生オケを含めて2004年は36回、2005年は85回、今年はすでに10何回です。そのうちOEKはSQ等も合わせて10回近く聴きました。
 毎回思う事は、全体が暖かくその割に40人程度とは思えないスケールの大きさを感じます。特に管が良いですね。そこで管の活やくする(管の協奏曲でなく、オケの中で)曲――あくまでもオーソドックスな曲(吹奏楽のナンバーではなく)――をお願いしたいです。【Annon.】
○とても良かったです! でも、あの曲なら、アンコールはなくても良かったかも。せっかくの感動が・・・。チェロも最高でした。【春日井市:H. M. 】
○ブラームス心から楽しみました。幸せな気分になりました。また、アンコール曲のしゃれていること。【半田市:N. Y. 】
○お琴を少しばかり習ったことがありますので、今回の正派の皆さんの演奏を聴く事が出来大変嬉しく思っております。とりわけ良い御座席を確保いただいたお蔭で、恐らく東京からお越しになられていらっしゃる先生でしょうか、一番右列でオレンジ色のお着物の方、拝見している時もうれしさいっぱいでした。感謝、感謝です。伝統音楽を守りつつ、今回のように名古屋で素晴らしいコンサートが開催されましたことを心よりおよろこび申し上げます。【Annon.】
○久し振りのオーケストラ。やはり生演奏は素晴らしかったです。指揮者の岩城さんはやせられた様でお体大切に良い音楽を届けて下さい。ご健康を祈ってます。
 又、オーケストラ・アンサンブル金沢は以前一度お聴きしましたが、迫力ある演奏が今日もとても良かったです。【緑区:K. S. 】
○ドヴォルザークのチェロ協を聴きたくてはるばるやってきた甲斐があった。【美濃市:I. M. 】
○素晴らしかったです。曲もプログラムの構成も・・・。「六段」ってこういう形で聞いてもとても良いなあと思いました。箏曲との合奏、またぜひ聞かせていただきたい。正派はしっかりしていていいなあと思った。【安城市:E. I. 】
○「六段」幻想:初めて聴く曲。和洋の音の融合が楽しめました。
 チェロ協奏曲:ナマはウン十年前のシュタルケル以来でした。
 交響曲第3番:若き日に巡り会ったサガン原作の映画を思い出しながら、懐かしく聴きました。【桑名市:M. D. 】
○洋楽器と和楽器の演奏が一度に聴けてなんとゼイタクなコンサート。大好きなチェロの音色も聴けて最高な一日でした。ブラームスの交響曲第3番の第3楽章が特に印象に残りました。素人ですのでこの程度の感想しか書けません。申し分けありません。【尾張旭市:K. M. 】
○Dvorakのチェロコンチェルト、Brahmsの第3シンフォニー共に自分の大好きな曲であり、堤剛氏の演奏で聴くことができ、大変に良かった。
 このように小規模のオケで聴くと、聴く方も音を明瞭に据え易くてそれなりに面白い……判り易い。岩城さんも年令的なことも有ろうが小規模のオケの方が統制も取り易いだろうし、りきみの無い、淡々とした良き指揮振りだった。アンコールの曲(ワルツ)など、このオケにうってつけ。【各務原市:T. M. 】
○「六段」幻想。どう表現すべきかわからないが日本の伝統楽器と洋楽器の見事な調和、その美しさに感動しました。作曲者は万博の万華鏡による光の美しさに啓示を受けたという趣旨のことを述べておられるが、この作品のような試みが他の日本の伝統音楽をベースにもっと広く試みられるなら、また、さらに新しい世界が広がるのではないか――と思いました。【名東区:M. K. 】
○堤さんの渾身の演奏はすばらしかった。50年以上前のこと、シュタルケルを聴いてLPを買いカザルスも買い、受験勉強よりはLPが好きだった。前の席で、主席チェロやヴィオラもよく聞こえ、作曲家の練り上げた仕掛けもよくわかった。
 六段:邦楽にひかれたのは、琴の開放弦の魅力から、まもなく興味は三味線などに移ったが、なつかしい。コマカイ表現もよく聞きとれた。
 ビートルズが出て来た時、オヤ、ブラームスだと思った。
 アンコール:楽団員には特別のイミがあったようだ。【H. . 】
○堤さんのドヴォルジャーク、言葉で表せないくらい感動しました。この全力投球の演奏また絶対に聴きたいです。【稲沢市:A. H. 】
○おこととの合奏 指揮がみえないのによく揃った演奏。六段目の終わったあとのカデンツァ(?)よかった。各自おことを持っての退場はちょっと雰囲気がこわれた。
 堤氏の迫力あふれた音色に圧倒され身体中が熱くなりました。とてもよかった。幸せを味わったひとときでした。ありがとう。
 弦の音色が胸にひびきました。指揮者が弱々しくみえた。椅子に座って指揮をしていただくとよかったと思う。【豊田市:R. N. 】
○かねてより憧れていたドヴォルザークのチェロ協奏曲を、岩城さんの指揮、堤さんできかせていただいたことは幸せでした。その演奏は期待をはるかに上回るもので、感動、感激の連続でした。今後ともよろしく。【鈴鹿市:J. W. 】
○若い演奏家が多くいらっしゃって、これからがいっそう楽しみだと思いました。チェロの独奏に感動しました。どうしてあんなに音色が出るものかと感嘆しきりです。
 岩城さんの強い意志が感じられるご指揮も魅力です。【天白区:A. Y. 】
○琴の調べはとても素晴らしくオーケストラともよく調和していた。堤氏のチェロ本当に素晴らしい。ブラボーである。山の中から出て来たかいがあった。岩城氏の素晴らしさはいうまでもない。【中津川市:F. O. 】

インデックスへ戻る

藤原真理 無伴奏チェロ・リサイタル
2006年3月19日 スタジオ・ルンデ
○ホールが小さいので演奏の音が間近に伝わりとてもよかった。他の曲も(バッハの中で)ききたかった。
[ルンデ]曲が自分の中に入ってくる雰囲気がある。【豊橋市:T. K 】
○すばらしいバッハありがとうございました。心にしみわたり、久しぶりに心が洗われるような気がしました。
[ルンデ]すばらしい会場、会主、ありがとうございました。【昭和区:S. T. 】
○すばらしかったです。音、会場の大きさなど、私の好みにぴったりでした。また足をはこばせて頂きます。【M. O. 】
○CDで聴くよりもよかったです。小さなスタジオなのがかえってよかったと思いました。
[ルンデ]アットホーム的でよかったです。【M. M. 】
○きれいな音を楽しみました。
[ルンデ]演奏者と近くに感じられるスタジオがとってもよいです。【S. U. 】
○素晴らしかったです。ステージに近くて楽しめます。【緑区:A. U. 】
○定刻になって藤原さんが出てこられたとき、顔色がちょっとすぐれなかった。あとで聞くと、珍しく風邪を引いて、それがやっと治ったばかりだったとのことだった。演奏家というのは体にきびしい職業である。ただし、いうまでもないがこの日の演奏には体調のことなどまったく感じさせなかった。これはプロ根性でもあり、また長い間の積み重ねで、ひとたび弾きはじめると体調のことなどどこかへいってしまうという事だろう。
 演奏については、まず音がすばらしくよく響いた。あとで聞くと1620年のガダニーニだそうだが、とにかく高音から低音までむらなくすばらしい音がした。そして演奏に関しては、一つ一つの音にすべて芯があった。これはもちろん右手と左手の共同作業であろうが、特に右手がじつにしなやかに動くのでみとれていた。左手のテクニックがそれほど難しくないこのような曲では、演奏の善し悪しを決めるのはおそらく右手(右腕)のテクニックであろう。それも、特に構えてそうしようとしてもわざとらしさが見えてしまって興ざめであるが、藤原さんぐらいになると、そのあたりが実に自然にできてしまう。これはもちろん大変な訓練の結果でもあろうが、技術ばかりの凡庸な演奏家と、芸術としての音楽が作れる音楽の達人との違いだと思う。
 休憩のあとは第6番が演奏されたが、この曲はいうまでもなく、現代の4弦のチェロで弾くのは大変に難しく、ここでは技巧の冴えをしっかりと見せてもらった。指板の端のほうで細かな指使いをしなければならない曲であるが、一音たりとも音を外すことがなかったのは、当然とはいえ、胸のすく思いがした。
 自分は、若い人のはつらつとした演奏も好きだが、藤原さんのような経験豊かな演奏家が余裕綽々で自分の世界を展開されるのを聴いていると、頭の中がすーっと透明になってゆくような気がする。【知立市:T. S. 】
○新調されたらしい素晴らしいチェロの響きで、大好きなチェロの、また大好きな曲を聴けて幸せでした。
 アンコールのソロ版「鳥の歌」まで、どの曲も、藤原さんの長い経験が凝縮された本当に素晴らしい演奏と思いました。
 アンコールのプレリュードは、何かバッハ自身の「祈りの曲」のように感じました(先日「白バラの祈り」という、反ナチ活動で斬首された女学生の壮絶な闘いを描いた映画を観た影響?)。【緑区:K. I. 】

インデックスへ戻る

ジャパン・ストリング・トリオ
2006年3月14日 スタジオ・ルンデ
○普通のコンサートと違ってほんとうに目の前で見たのは初めての経験でした。知らない曲ばかりだったのですが、美しい音色に時間が過ぎました。とても良かったです。感動しました。【Annon.】
○アンコールの曲が良かった。
[ルンデ]初参加でしたが、6月で終わるとはさびしい!【半田市:E. I. 】
○よく岡山夫妻の演奏会をきかせていただきましたが、深井さんとのパフォーマンスはやはり最高のものです。
[ルンデ]素晴らしい演奏家とよい雰囲気で最高の演奏会でした。長い間ありがとうございました。【豊川市:S. &A. N.】
○アンコールの1曲目にジーンときました。すごく良かったです。【西区:C. H. 】
○ドヴォルザークがルンデにぴったりで若返った気がします。10数年ぶりにやってまいりましたが、あたたかくとても良い気分でした。弦楽器のテクニックや音色などの極意をかんじました。【豊田市:N. Y. 】
○アンコールの1曲目はTrioの曲だったんですね。2曲目のローラ。あのような曲を書く人だったんですか。Vn2本、Vla2本の曲を弾いたことがあったのですが、その曲とはずい分曲のイメージが違ったので、新鮮でした。
[ルンデ]最近、何度か足を運ばせてもらっています。いつも素晴らしい演奏会をありがとうございます。先月のヴィオラ・リサイタルの時に顔を覚えていただいたようで、今日は名前までご存じだと知り、とてもおどろきました。ルンデは1981年5月1日生まれ。私は1981年5月7日生まれ。何かの縁ですね。【Y. A. 】
○素晴らしいコンサートでした! 私はこの編成のトリオのみのコンサートは、多分初めての経験です。でも、とても面白く楽しかったです。マルティヌーの第2番のセレナーデは楽章間の対比も面白いし、なつかしいような雰囲気がありました。
 ドヴォルザークも、彼らしい美しい曲でした。特に第2楽章が弦の楽しさが感じられ面白かったです。第4楽章の変奏も楽しかったです。
 途中のお話も、このスペースでの演奏の「演奏者にとってのこわさ。」「ドイツ語のルンデという言葉の使われ方」等、非常に興味深かったです。
 後半バルトークのヴァイオリン・デュオ曲は、ピアノの「ミクロコスモス」の様な曲かと感じました。小品ですが気がきいていて、工夫がとても面白い曲でした。(蚊の踊り、など)。
 コダーイのセレナーデも、聴いているとコダーイらしい曲と思いました。楽しかったです。アンコールの素晴らしい2曲を含め、曲そのものに集中して聴ける「本当によい演奏」でした!【緑区:K. I. 】
○熱演で素晴らしかった。
[ルンデ]好もしい。岡山先生がRundeについて言われたとおり。【Y. O. 】

インデックスへ戻る

小山実稚恵 ピアノ・リサイタル 『ロマンへのさすらいの旅』
2006年3月10日 スタジオ・ルンデ
○素敵! 大感激! 憧れの小山さん、大好きなショパン両方を存分に楽しみました。ありがとうございました。
 今、ノクターン op.9-1 練習まっ最中です。生で聴けて大感激です。【春日井市:A. M. 】
○“ロマンへのさすらいの旅”とてもワクワクしてやって来ました。小山さんの表情、何とも云えないほほえみと響いてくる音でとても楽しい時間でした。2006年からスタートする12年間のピアノリサイタル、何故12年なのかというメッセージも読んで、あぁルンデで聴きたかった!!と思いました。
[ルンデ]とてもぜいたくな演奏の聴けるホールです。【広島県:N. T. 】
○小山実稚恵さんの演奏は、一度体験しておきたかった。感銘を受けました。シューマンのロマンチックな演奏すてきでした。ショパン、シューベルトも情感豊かな演奏でよかった。
[ルンデ]演奏家の間近で聞けるので非常によい。【一宮市:J. M. 】
○小山さんの演奏を聴くのも、ルンデでは最後になると思うと・・・! ロマン派を弾く小山の凄さ! 後半のショパン、シューベルト、アンコールのショパンは、曲そのものに特に共感をおぼえるので、本当に妙技を味わせてもらいました。【緑区:K. I. 】
○素晴らしい演奏をこんなに間近で聞くことが出来有りがとうございました。感激です。迫力と余韻を充分楽しみました。【大府市:K. O. 】
○演奏会の場合、聴こえてくる音と同じ程度に重要なのは、演奏者の持っている雰囲気だと思う。そして小山さんという人はその点では満点の人である。とにかく何をしても絵になる人で、少し微笑みながらはじらうように出てきてそっとお辞儀をし、ピアノの前に座る。聴衆はもうそれだけで魔法にかかったように小山さんの世界に引き入られてしまう。そして指が鍵盤に触れたとたんに、たおやかな女性が一瞬にして練達の演奏家に変身するのである。その変わり方が何ともいえず、極端にいえば演奏会での至福の瞬間とでもいったらいいのだろうか。そして次から次へと紡ぎ出される音楽の織物にすっかりからめとられているうちに最後まで来てしまうのである。それにとにかく小山さんの演奏にはごまかしや妥協がまったくないので、聴いていて音楽がそのまま伝わってくる。
 この日の印象はもうそれに尽きるのだが、この日つくづく思ったのは、ピアノというのはなんといろんなことが表現できる楽器だろうかということである。他の楽器でももちろんいろんなことはできるが、何かしら制約があって、時にもどかしく感じることがある。それに比べるとピアノはとにかく何でもできるという感じで、まさに変幻自在。しかしそれだけにピアニストには言い訳がゆるされないわけで、ピアニストというのは大変な仕事だとつくづく思った。
 この日はシューマンとショパン、それにシューベルトが演奏されたわけだが、同じくロマン派といってもそこにはかなり雰囲気の違いがあるような気がしたので、その違いを意識して聞くようにした。音楽を言葉で形容するのは難しいが、シューマンの音楽は何か硬質で研ぎ澄まされたような感じがする。これに対してショパンの音楽はどんな短い曲にも歌があり、詩がある。シューベルトはというとこれはまことに真面目で几帳面な音楽である。こんなことを考えながら聴いていたら、これまで見えていなかったことが見えてくるようで、とても興味深かった。小山さんもこのプログラムを組むときにそんなことを考えたのかなあと思ったりした。
 とにかく、一流の演奏家とはこういうものだということを全身で感じた夜だった。ルンデがなくなってしまうとこういう形で小山さんの演奏を聴くことができなくなってしまうわけで、言っても仕方のないことではあるが、ルンデが例会をやめてしまうのはやはり残念だといわざるを得ない。【知立市:T. S. 】

インデックスへ戻る

ヴォルフラム・クリスト ヴィオラ・リサイタル
2006年3月5日 スタジオ・ルンデ
○弦楽器の無伴奏、デュオは最も好きな分野なのですが、ビオラ・リサイタル自体が少ないせいか、クリストさんのお名前は今回初めて知りました。
尤もルンデの人選に間違いが有ろうはずもなく、詰めかけた聴衆の多さからも、期待は増すばかりでした。
 1曲目のブラームスのソナタNo.2の出だしを聴いた瞬間に、技巧が素晴らしいのは勿論ですが、暖かくて豊かな音色に魅了されました。
 どの曲もヴィオラの魅力を堪能できる名曲ばかりですが、ミヨーとブラームスのNo.1が特に素晴らしかったと思います。アンコールの前にクリストさんが、「日本ツアーで弾いた会場の中でも、ルンデの会場・聴衆の雰囲気は特別なもので素晴らしい」と仰っていましたが、聴衆の一人として非常に嬉しく思いました。
 野原さんは、前回の例会で聴いたラヴェルの美しさが強く印象に残っていたのですが、デュオでも音色の繊細さ、アンサンブルの精緻さが際だっていました。消え入りそうな最弱音の美しさ、バイオリンとのバランス、ピアノ・パートが前面に出た時のソリストの華やかさ、どれをとっても素晴らしいの一語に尽きます。次回のソロ・リサイタルが今から楽しみです。【千種区:J. I. 】
○ヴィオラのリサイタルというだけで貴重だが、高いレヴェルのリサイタルだったのはまちがいない。個人的にはドイツものにはさまれたフランスのミヨーの作品の出来が一番良かったと感じた。ウィットに富み、ユーモアたっぷりのミヨーの作品をいかつい顔のクリストが弾いているのは、見た目にも面白い。反対にヴィオリスト必須のレパートリーであるブラームス、シューマンに慣れ切っていないものを感じた。特に聴衆にハッキリきこえるぐらい大きな音で次の音を準備するのはいかがなものか。
 ピアニストはすばらしかった。前半は明らかに遠慮しすぎだったが・・・。【K. T. 竹内賢司】
○確か、クリスト氏がベルリンフィルに入団した時、カラヤンの棒でおひろめコンサートがあり、その模様がFMで放送され聴いた覚えがあります。その時以来この救世主という不思議な名前の奏者は忘れない名前になったのでした。今日、ソロで聴くことが出来て幸せに思います。
(ルンデは)今まで7〜8回程しか来たことがないけど、なくなるのが非常に残念です。客スジが良いのか拍手の仕方もスマートでいいですね。【千種区:M. Y. 】
○ヴィオラの音はいいですね。派手さはないけど深みがあって暖かく、人間の鼓動のような感じでした。ヴィオラのコンサートはめったに聴けないのでとても良かったです。
[ルンデ]例会がなくなるのはとても残念です。【南区:S. Y. 】
○最初に音が出た瞬間、ブラームスの音楽にすい寄せられました。なんという柔らかいしみじみとしたヴィオラの音色でしょう。決して力まず楽器がそのものがうたい出すのを待っているかのように音楽を引き出す、至芸を観る思いです。振幅の大きいシューマン、洒落た味わいのミヨーもすばらしいけれど人生の秋をうたうブラームスに感動しました。それとヴィオラ表現力の大きさにほんとうに敬服しました。【中村区:M. I. 】
○一番音色が好きなヴィオラのオリジナル曲を、名器と優れた演奏で、聴かせてもらえ、大変満足です。クリストさんは曲への感情移入が抜群の方とお見受けしました。野原さんのピアノも良かったので、ブラームスのソナタ2曲が素晴らしかったのは、勿論ですが、シューマンの「おとぎの絵本」も非常に楽しかったです! 人を食ったようなミヨーの「四つの顔」も面白く聴きました。アンコールのチェコ作曲家のノクターン2曲、曲も演奏も美しく、最高です!【緑区:K. I. 】
○クリストさんは正規の音楽会用のフォーマルないでたちで、舞台に出てきたときから堂々たる風格を感じさせ、さすがに音楽の伝統が歴史的に脈々と続いているベルリンの音楽家らしかった。そして最初の音が響いたとき、その音の美しさに息をのんだ。実はこれまでずいぶんいろんなヴイオラ奏者の演奏を聴いてきたが、その誰の音とも違う甘い柔らかい響きがした。特にヴィオラではどちらかといえば苦手な中高音の音が実に美しく、これにはまったく心を奪われてしまった。それでいて低い弦の音はこれまたいかにもヴィオラらしい幅の広い音がして、これにもまた感嘆した。
とにかく最初から最後まで音色に酔っていた。弦楽器の場合、音色というのが演奏を聴いたときの印象の中でかなりの部分を占めるので、この日のように音色がすばらしいと本当に満足感がある。
 ところでこの日はプラームスのソナタ二曲とシューマン、そしてミヨーが演奏されたが、あとで考えて見ると、この四曲はそれぞれに性格が違い、ヴィオラの持っているいろんな特性を万遍なく聞かせてもらったと思う。プラームスの二曲は一見雰囲気が似ているようだが、変ホ長調の曲は調性からしても穏やかで平和な雰囲気が基調、へ短調の曲は、アンダンテ楽章のようにのどかな部分もあるが、基本的には激しい感情がほとばしる曲である。シューマンはまさにおもちや箱をひっくり返したような楽しさがいっぱい。そしてミヨーはどちらかといえば軽妙洒脱な雰囲気を持った曲。このようにヴイオラという楽器の持っているいろんな魅力を全部聴かせていただけるプログラムで、しかもいうまでもなく、そのどれもがもうほとんど完璧といっていい演奏だったので、我を忘れて聴いていた。そして時間の経過をまったく感じないままに終りに来てしまった。
 そしてアンコールがまたとてもよかった。「今日はあまり知られていない作曲家の曲を演奏します」という説明付きで、何だか難しい名前のチェコの作曲家のノクターンが二曲演奏されたが、最初のアダージオの曲はまさにヴィオラの魅力を存分に引き出すような曲で、まさに自分がいま弾きたいと思つている種類の曲であった。二曲目はノクターンにしてはずいぷんの元気のいい曲だったが、これまた「ヴイオラにもこんなことができるんだ」というのを見せてもらったような気がした。とにかくどんな曲を弾いても、音楽と楽器が自分の体の一部分になっているようで、年期の入った練達の音楽家とはこういうものかとほとほと感心した。
 野原さんのピアノについては、ソリストとして名のある人だけに、合奏をどのようにされるのかと思って聴いていたが、完璧にクリストさんを立てた見事な演奏であった。特にプラームスは下手に弾くとヴィオラがかすんでしまうようなところがあるのだが、ピアノが出るべきところ、ヴィオラを立てるべきところが実にきちんと整理されていて、聴いていて実に安心感があった.これはかなりの実力がないとできることではない。
 なお、クリストさんはアンコールの前に「私は日本ではずいぶん演奏会をやってきましたが、今日は大変特別な演奏会になりました。この会場の雰囲気が何ともいえないほどいいし、聴衆の皆さんもすばらしい」とコメントされたが、これはお世辞ではなかったであろう。
 こういう言葉を聞くたびに、ルンデが自主公演をやめてしまうのは本当に残念だと思わざるを得ない。【知立市:T. S. 】
○余裕のある演奏で、終始寛いで聴かせてもらいました。V・クリストも然る事ながら、野原さんの演奏もとても印象深かったです。気品を感じる演奏。数あるピアニストの中で、演奏から品格が醸し出せる人には出会えそうでなかなか出会えない。5月のリサイタルもとても楽しみです!【北区:K. A. 】

インデックスへ戻る

久保田巧 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル
2006年3月3日 スタジオ・ルンデ
○バッハは、久保田さんのヴァイオリンの明るく美しい音色が印象的でした。レーガーのホ短調は無伴奏の魅力に満ちたいい曲でした。前2楽章と後2楽章の明と暗の対比も美しく、演奏も、重音等むずかしい演奏が美しく、とても楽しめました。
 後半2曲のイザイも、プロコフィエフも、アンコールのクライスラーも、魅力についてはレーガー同様で、油の回った、エンジン全開の久保田さんの演奏は、暗譜でもなく、ごく自然体に見えましたが、恐ろしいまでに美しく凄かったです。
 イザイ第2番では、ルンデの残響空間で聴く喜びを心から感じました。自分の好きな音楽を再認識した夕べでした。それにしても、このプログラムで参加者が少なかったとは、本当に「もったいない!」。【緑区:K. I. 】
○昨年6月のバッハ無伴奏連続演奏会で、女性らしい繊細さ・柔らかさと音楽に対する厳しさの両方を併せ持った久保田さんの演奏を聴き、すっかりファンになってしまいました。
 ルンデ最後の年にもう一度久保田さんの演奏を聴く機会を逃してはならじと、今日は早々に退社しルンデに向かいました。
 1曲目のフルートのためのパルティータは昨年アンコールでは一部しか聴けなかったので、全曲聴けて良かったです。ただ、他の曲に比べると調子は今ひとつだったような気もします。それだけバッハは深いということなのでしょうか……。
 今日の目玉は何といってもレーガーの無伴奏ソナタではないでしょうか? ミュンヘンの二次予選で弾かれた思い出の曲とのことでしたが、素晴らしい演奏だったと思います。こういった曲を聴く機会も、ルンデ閉会後は減るのかと思うと残念な気がします。
 イザイ、プロコフィエフももちろん素晴らしかったです。アンコールのクライスラーまで満足しきった一夜でした。【千種区:J. I. 】
○キラリと輝く変化を感じました。無伴奏はともすると厳粛で、堅苦しくなり兼ねないところがあるように思うけれど、今日の久保田さんの演奏は生き生きと精彩を放ち、とても魅力的。以前久保田さんご自身が「よく理屈っぽいと言われる」と何かに書いておられた。正直なところ、演奏にもどこか堅さを感じる時があったけれど、今日は重量級のプログラムなのに、とても清々しい気持ちにさせてくれました。ひとつのホールで同じ奏者の演奏を聴く。この貴重な経験も、残すところ僅かに……。【北区:K. A. 】

インデックスへ戻る

クス・クァルテット
2006年2月24日 スタジオ・ルンデ
○今日先輩に誘われて突然行くことになったんですが、生でこんなすばらしい演奏を聞けるとは思いませんでした。ヴィオラがとくによかったです。【安城市:T. K. 】
○とてもすてきなプログラムでした。モーツァルトが鮮烈に響き、ベルクはまるでモーツァルトの作曲したかのように繊細に響きました。ベートーヴェンはまた切り口鋭くまるで今生まれた作品のように響きました。プログラムを通じて時代を越えて音楽は今を生きる人にどうアピールができるかを訴えているのでした。【中村区:M. I. 】
○若々しい、生き生きとした演奏で楽しく聴かせて頂きました。躍動感あふれた演奏は身体中が充実感で一杯になり、みたされた思いで帰ることができます。【宝塚市:K. Y. 】
○このカルテットの変貌には驚かされた。前回は彼らは熱く激しい演奏が印象的だったが、繊細なガラス細工のような演奏ができる事をモーツァルトの初めての四重奏曲で証明した。ぜい肉をそぎ落として骨組みだけが見えるような構築的な演奏だった。アンコールのすばらしいバッハをききながら、知的な4人の奏者の対話が成り立つ弦楽四重奏というジャンルをもしバッハが知っていたら、という空想にふけって楽しんだ。【K. T. 】
○楽しかった。透明感のある音は気持ちよかったです。また聴きたいです。【M. M. 】
○生演奏をずーっときいていなかった。CDだけのモーツァルトとの余りのちがいというか強さというか、若さがほとばしるというか……。やはり本物の怖さをつきつけられた気がしました。有難うございました。【M B. 】
○K.80のモーツァルトから始まってベルクにとび、K.546を演奏し、ベートーヴェンのラズモフスキ2番で締め、バッハをアンコールで弾く!
 なんて素晴らしいコンサートでしょう。その演奏は力感に溢れ、若手とはいえないような絶妙のアンサンブル、ハーモニーで聴かせるものだから、ファンにはこたえられません。素晴らしいクァルテットです!【緑区:K. I. 】
○以前から思っているのだが、室内楽の合奏団には二つのタイプがあると思う。一つは名人が集まってきて互いに火花を散らすタイプ、もう一つは構成員が個性を前面に出さず、合奏に重点を置くタイプである。クス・クァルテットはこの後者の典型的なもので、しかもそれがきわめて理想的な形に出来上がっている。実は四人の奏者は外見がかなり違っており、クスさんはどちらかといえば可愛い感じの小柄な女性、ヴィレさんも小柄でなにかやんちゃ坊主みたいな雰囲気がある。低弦の二人はといえば、どちらもずいぶんと背が高く、見た感じだけではあたりを圧するようである。ところが演奏についてはこの四人は見事に同じスタイルなのである。妙な言い方だが、視覚的要素がこの団体の演奏を正しく聴くためにかえって邪魔をしているような気さえしたのであった。
 当然のことだが、四人の合奏への加わり方はまったく対等である。そしてこれがいちばんよく発揮されたのはモーツァルトのアダージョとフーガである。それぞれの楽器が独自に動きながら全体として一つにまとまってゆくというこの曲の構成が、まさにこのクァルテットの特質にぴったりで、実に見事なものであった。この団体の十八番になっているようだが、それもうなずけた。その前に演奏されたベルクの弦楽四重奏曲も、基本的には同じ作り方の曲で、ここでもまた緊密な音符が並んでいるはずで、本来なら自分のパートを音にするだけでも大変なのに、ここでもまた合奏に徹して演奏していた(それができるということは、技術レベルの高さを示すものでもある)。
 ラズモフスキー第二番ではそれがまた違った形で現れた。自分はベートーヴェンの16曲の弦楽四重奏曲の中で、この曲と「セリオーソ」がもっとも好きなのだが、このラズモフスキー第二番は心にしみいるような旋律(フレーズ)が息もつかせずにあらわれてくるので、これまではそういった旋律の部分を主にして聴いていた。演奏としても、そういった「フレーズ中心」の演奏が多いように思う。ところがクス・クァルテットの演奏は四つの楽器が終始同じウエイトで響いてくるので、この曲が四つの楽器をいかに緻密に組み合わせてできている曲なのかがしっかりと聞こえてきて、これは新しい発見であった。特に四つの楽器が少しずつ違った動きをするところで、その動きが互いにどう関わりあっているかがよくわかり、大変感心した。テクスチュアという言葉がまさにぴったりであった。そして四つの楽器が同じ動きをして盛り上がってゆくところもまた見事なもので、特にフィナーレのコーダの部分はまったく息が止まりそうな感じで聴いていた。なお、この日の演奏では第一楽章の後半部分を繰り返したが、これははじめて聴いた。たしかにこの第一楽章は美しい部分がぎっしりと詰まっているので、こういう演奏もいいかもしれない。
 アンコールは、ヴィレさんが日本語で紹介してバッハのコラールが演奏されたが、最初の音がヴィオラで出てきたとき、これがまったくバロックの音になっているのに感心した。そしてもちろん他の楽器もすべて同じ奏法で、直前に聴いたベートーヴェンとはまったく違った雰囲気が醸し出された。これもまたこの団体の実力のうちなのだろう。
 まさに実力派のクァルテットであった。国際弦楽四重奏コンクール優勝の看板は伊達ではない。【知立市:T. S. 】
○ヴィオラのコールマンさんに惚れました!
 ヴァイオリンとチェロの鋭い音を温かいヴィオラの音が包み込んでいる感じでした。どうやったらあんな音が出せるんでしょうか……? プログラムではベルクに圧倒されました。次回はぜひウェーベルンを!1st. Vnの音色にもうちょっと華と弱音の美しさ、Vcが大らかでどっしりした音が出ると、なおいっそう魅力的になると思います。もう少しゆっくりしたヴィブラートがかかれば……。これからが楽しみ!【名東区:M. O. 】

インデックスへ戻る

佐藤豊彦 「フランス式バロックリュート音楽の流れ」
2006年2月19日 スタジオ・ルンデ
○面白かった。佐藤さんはリトルコンソートから聞いているので毎年楽しみにしてます。【豊田市:H. K. 】
○素晴らしかったです。演奏もプログラミングも時代の流れとともに様式が変わっていく様、手に取るようにわかりました。【春日井市:H. T. 】
○すばらしかったです! 前からずっといつかどこかでリュートをきいてみたいと思っていて、今日はじめてきくことができました。初回がこんなすばらしい演奏だったので次回以降はどこできこう?と思ってしまいました。リュートのすばらしさを教えてくださってありがとうございました!
[ルンデ]今日はじめてここにきました。すごくすてきなところですね。コーヒーブレイクがあったり、演奏者の方と客席が近かったり……。初めてきたのですが、この雰囲気がすごく気に入りました。【Annon.】
○もうこの場所で佐藤さんのリュートが、音楽史、楽器、演奏法についての話が聴けなくなるかと思うと本当に残念です。今日のプログラムも、本当に聴衆のことをよく考えてもらっていて、素晴らしかったです。続けて聴いていくと、前半ロイスナーから奏法上の工夫の妙が強く感じられました。後半の曲、アンコールは本当に曲も美しく、ガット弦のニュアンスを生かした佐藤さんの演奏で、この楽器による楽章を心ゆくまで楽しませてもらいました。
 佐藤さん、長い間ありがとうございました。【緑区:K. I. 】
○あるフランス映画でリュートを知ったのですが、本格的な曲をきいたのは今日がはじめてでした。リュートの音楽が確立されてくる過程をきくことができすごくリュートの魅力にとりつかれました。ルンデもはじめてでしたがおはなしをまじえながらのコンサート形式すごくよかった。なくなってしまうとききとても残念です。【S. 】
○今日は実は別のコンサートに行く予定にしていました。ところが2/12に豊田のオルガンコンサートでチラシを見てもう絶対こっちに行きたいと思いました。本当によかった。佐藤豊彦さんがルンデにこんなに何回もいらしているとは知りませんでした。生できくチャンスはないと思っていました。やはりオーディオではわからない音の細やかさ、表情のゆたかさ、今日は特にオリジナルの楽器ということで一層その念を強くしました。なぜかわからないけれど、何度も涙が出てきました。説明もしていただいたのでとても充実した時間でした。
[ルンデ]はじめてきました。知ってはいたのになかなか……。とてもよい空間です。とくにこういう音楽はふつうのホールではとても無理なので……。【天白区:M. D. 】
○とても貴重なオリジナル楽器を用いてのごくごく限られた聴衆だけの親密な演奏会で、曲目の理解を助ける親切で興味深い解説もあって一生の思い出になるひとときでした。
 ガット弦とモダンの弦との違いが実際の演奏を目にし耳にしてよく分かりました。今日の演奏の“最弱音!!”は今まで体験したことのないもので、バロック時代の典雅でかそけき調べを存分に味わいました。
[ルンデ]このような少人数の聴衆に対し、毎度高品質の演奏会を長年に亘って催してこられたことに大変敬意を覚えます。名古屋の音楽ファンがうらやましく思えます。また機会あるごとに訪れたいとおもいますのでよろしくお願いします。【静岡市:H. N. 】
○リュートのソロ演奏を聞いたのははじめてで、すばらしかったです。ガット弦のビミョーな音色がいいですね。この会自体もはじめてでもっと早くに来ていればと思いました。ありがとうございました。【岐阜市:T. U. 】
○リュートの音色、繊細で良いですね。しかも400年前の楽器を使ってみえるなんて、しびれますね。繊細で音が微妙だし、弦の数が多いので、演奏は難しいでしょうね。私も尺八をやってますが、なかなか良い音が出ません。しかし音を出しやすくしてしまうと、微妙な音が出なくなってしまいます。リュートも同じでしょうね。【北区:T. K. 】

インデックスへ戻る

吉野直子 ハープ・リサイタル
2006年2月12日 スタジオ・ルンデ
○素晴らしい演奏をありがとうございました。今妊娠6ヶ月なので胎教にもよかったです!! 直子さんはどうしてあんなにサラリと難しい曲がクリアに弾けますか? 美しくてびっくり。。。
 すばらしいコンサートをありがとうございました。後半は好きな曲ばかり、ルニエやフォーレもあんな美しく弾いて本当にステキでした。また聞きにいかせて下さい。【名東区:M. K. 】
○この度吉野さんの3回目のコンサートを一番前でみることが出来て幸福でした。あらためてハープの奏法にいろいろあること、複雑なペダル、低音をはじかずに叩くことで音が出せる等、いろいろ見ながらきくことが出来ました。モーツァルト以外はしらない曲でしたが本当にハープのだいごみを楽しみました。ぜひハープでドビュッシーをききたいのに、と思ってましたらアンコールで大好きな曲をひいて下さって感激しました。これからの御活躍をいのります。ハープの残響ってすばらしいですね。
[ルンデ]ここでのコンサートがきけなくなるのが残念です。【東大阪市:Y. K. 】
○今日は、よく考えられたプログラムで楽しめました。特に良かったのはモーツァルト:幻想曲、ブリテン:ハープのための組曲、フォーレの即興曲です。
 このハープの指使い(ハープの指の腹でのつまびき方などを含め)が息づくコンサートは久し振りで楽しめました。吉野さんの解説もとても良かったです。世界の吉野ですもんね。
[ルンデ]こういうコンサートが夏には聞けなくなるのが残念です。【千種区:H. O. 】
○名手の素晴らしいリサイタルでした! クロフト、ルイエ、ルニエ、フォーレらの古典的な美しい曲のほか、モーツァルトのハープ版「幻想曲」も素晴らしく美しかったです。細川さんの現代曲も、ハープがよく生かされていると思いました。ブリテンは、ハープではちょっと予想していなかった強さがありました。飛び切りのハープ名曲のアンコール、ありがとうございました。(「月の光」も本当にハープのオリジナル曲のようでした。)近くで見るとハープの演奏というのも体力のいるものですね。【緑区:K. I. 】
○ブリテンとフォーレは大変素晴らしい曲でした。細川さんの曲は日本の舞曲に似ていました。アンコールも素晴らしい。【中川区:S. A. 】
○ほのかに香るは白梅香、やさしく奏されるはハープの音色。いままでハープの繊細な高音に耳が行きがちでしたが、ふくよかな中低音の階調の豊かさ、微妙な音の重なり、ゆれが拝聴できた。モーツァルト、ドビュッシーが良かったです。【天白区:S. U. 】

インデックスへ戻る

崎元 譲 ファンタスティック・ハーモニカ
2006年2月5日 スタジオ・ルンデ
○初めて本格的なコンサートを間近で聞きました。すばらしさでおどろきです。
 日芸のハーモニカコンサートは良く出かけます。上手な人へたな人色々有りでこれも楽しみです。ポピュラーな曲も中に入れて下さい。少し肩がこりました。楽しかったです。【北区:C. H. 】
○豊かな音色にうっとりしました。 [ルンデ]親切で良い感じを受けました。【岡崎市:T. H. 】
○ハーモニカの音楽の演奏をはじめてききました。素晴らしい会でした。ハーモニカの可能性におどろきました。【緑区:S. H. 】
○ピルスルの曲が良かったです。菅原さん、美野さんの曲もおもしろかったです。【Annon.】
○崎元先生のソロに生演奏で接することが出来て幸せでした。近年は楽しむことより、演奏技術を「見る」ことに関心が向かっているのですが、今日の諸曲は、アマチュアには高根の花なので、逆に集中して楽しめました。シュタインコグラーは、ちょっと素人向きの面白い曲も含まれていました。菅原さん、美野さんの曲は、解説を聞き、今日生で聴け幸せに思います。ライリ、レクォーナの名曲で締めくくりとなり、ファンにはこたえられませんでした。【緑区:K. I. 】
○ハーモニカのあたたかい音が素敵。きもちのよい音は体の中まで響きました。楽しかったです。【昭和区:M. M. 】
○崎元さんのコンサートは今日で2回目です。ハーモニカに対する再発見、再認識をした演奏会でした。【西加茂郡:K. M. 】
○非常に格調高いChromatic Harmonicaの演奏を感謝申し上げます。【浜松市:N. I. 】
○素晴らしかったです。【岡崎市:K. N. 】

インデックスへ戻る

児玉麻里 ピアノ・リサイタル 『ベートーヴェン:ソナタ全曲演奏』 第6回
2005年1月31日 スタジオ・ルンデ
○日頃生では聴けない諸曲でしたが、各楽章を興味を持って聴き、非常に面白い曲だと思いました。作品番号より、若いときの作品ゆえ、多分作りはシンプルなのでしょうが、どの曲も聴き応えがありました。第1番〜第3番の曲が、はずむようなリズムのアレグロなのは、やはりベートーヴェンの若さでしょうか。第9番、第10番になると、これはもうすっかりベートーヴェンという感じでした。児玉さんの演奏、今日の曲目でも、ダイナミックで楽しめました。あるいはベスト・コンディションではなかったのかもしれませんが、なかなか左手の強い、巧みな人だと初めて気づきました。
 ファッションは、いつもどおりパリ・コレ級です。【緑区:K. I. 】
○後半、歯切れよく力強い中に何故かわからないのですがやわらかな優しい響きを感じ、肩の力を抜いて楽しく聴きました。【広島県:N. T. 】
○ソナタの9番はノリ(テンポ)がいいので印象に残りました。後半の10番、3番は力強さがあって素晴らしいでした。【中川区:S. A. 】
○早いもので、ベートーヴェン・シリーズも4月の最終日を除けば、今日が丁度良いチャンスである。何のチャンスかといえば、サインや写真撮影のチャンスである。曲が始まっても、そのような雑念が頭にあって、どうも鑑賞の妨げになる。それに今日の曲は軽いものが多いせいもあるかと思っていた。しかし最後の曲作品2-3に至って、俄然児玉さんがやる気になったのか、曲が立派なのか両手をひらひらと舞わせて、fとpもしっかり引き分けてはじめて曲に集中できた。けれどもベートーヴェンのせいでも児玉さんのせいでもない。私の雑念がよくないのだ。反省します。サインと写真も無事に頂き、今日の演奏会も立派だったと幸せな気持ちです。【中区:T. F. 】

インデックスへ戻る

和波孝禧 ヴァイオリンを語る〜20〜
2006年1月20日 スタジオ・ルンデ
○スプリングソナタ:“やっと春が来たっ。こんな楽しいことはないよ”と呼んでるような躍動感あふれるメリ、ハリの効いた演奏で私もとてもうれしくあつくなる思いをしました。
 バッハ―― 弾く人もすごいけど、演奏家のバイブルといわれるバッハのすごさを改めて思い知らされました。
 2部はこれがバッハをひいた楽器かとおどろく程音色が違って甘く、はげしい曲もハスキーで本当にヴァイオリンはいろんな色が出せるのだと感心しました。これも和波さんの魅力なのでしょう。
 「軌跡」――始めは、「水琴窟」っていうかめに落ちる水滴をひびかせる音を想いましたが、そのうち大きな鍾乳洞の高い天井に静かに頭の中でひびく静寂をおもわせるヴァイオリンに「ポトリポトリ」と不規則におちて、驚くような長い時間をかけて出来上がる鍾乳石のつららや柱、そのうちにいつのまにか私は広い空間にたたずんで夕暮れから真夜中まで空中にひとつづつふえつづけて光り出す大小無数の星をかぞえていました。終わりの方になると亦、鍾乳洞にもどって、より深い水にひびく水滴を感じました。
 これが和波さんの60年の軌跡を想って作られた曲なのですね。ピアノの特徴を最大限に生かした伴奏だと思いました。ロングトーンのヴァイオリンもとても神経をつかう演奏でしたね。
(ルンデは)惜しいです。あと半年とは! もっと何度も来たかった。近ければよかったのに。和波さん、土屋さんも今後の活躍を祈ります。【東大阪市:Y. K. 】
○「春」の出だしから、会場全体に温かく春が広がるという感じでした。最後のアンコールはモーツァルトのソナタのアレグロで終わる、みごとな構成でした。
 バッハの無伴奏ソナタ第1番は和波さんにとっても出発の曲だったのですね。ルンデで聴ける最後の機会にこの曲を和波さんの演奏で聴け、本当に幸せです。後半「軌跡」は二つの軌跡がどこへ行くのか、と思いましたが、むずかしい演奏をピアノがこなし、新曲ですが楽しめました。あとの諸曲は、和波さんの演奏では生で聴いたことはなかったと思いますが、とても素晴らしかったです。パスピエはなかなか良い曲でした。和波さんのツィガーヌも、バッハの無伴奏におとらぬ至宝です!【緑区:K. I. 】
○和波さんのヴァイオリンの音はきれいな音色と(以前感じました)いうだけでなく、なめらかでした。「聴いて楽しむ」まさに音楽をたんのうしました。
(ルンデは)素敵な演奏会場です。(中止になるのは残念ですが……。)【Annon.】
○和波様のコンサートは30年振りでしょうか。名古屋で最初で最後のルンデでのコンサートと、PCにて知りまして、本日伺いました。還暦をお迎えになりましても凛としたお姿、優しいお声、ヴァイオリンの音色。岐阜より出て参りまして、大変思い出となります。ありがとうございました。【A. M. 】
○ルンデが例会を終結するのに伴う、ラスト・コンサートのひとつである。今回は最後ということもあって、「肩の凝らない」プログラムにしようという意図が見えた。実は和波さんの演奏会ではいつも比較的「しかつめらしい」曲を聴くことが多かったので、こういうプログラムは大変楽しみだったし、気軽な曲を和波さんがどう弾くのか、大変に興味があった。
 そして「春」がはじまった。最初の数小節を聴いただけで、ああこれはまさに和波さんの「春」だと思った。いつも思うのだが、音楽の演奏を聴くということは演奏者の人柄に接するということなのである。技術的なことについてまだ道半ばの人の演奏ならいざ知らず、和波さんぐらいのレベルになると技術的なことには何の不安もなく、まさに和波さんの飾り気のない率直な人柄がそのままこちらに伝わってくるようで、ほとんど夢を見るような気持ちで聴いていた。テンポや強弱の設定、細かな部分のニュアンスのつけかたなどにはまったくわざとらしいところがなく、とにかく曲の持っている雰囲気をそのまま伝えようという素直な気持ちが感じられた。これは次のバッハも同じであった。もちろん曲の内容がかなり違うが、この曲が本質的に持っているものをなるべくそのままの形で伝えようという姿勢は同じであるように思った。こういうことは、曲のこの部分をこう弾いたらどうなるだろうかということをいちいち考えていても決して実現できるものではなく、演奏者が自分の感性に従って演奏すれば自然にそうなるというのが理想なのだと思う。つまりは演奏者が自分の中に持っている資質に従って演奏した結果、聞き手に感銘を与えるというのが優れた演奏家なのである。優れた演奏家と並の演奏家の違いはそういうところにあるのだろう。
 休憩後の最初に演奏された「軌跡」という曲は、もちろんはじめて聴く曲なので、演奏と同時に、曲そのものに大変興味があったが、演奏の前に和波さんから詳細な説明があり、1分間に4分音符60という速度の中でいろんな譜割がされているとのことで、演奏を聴く上でたいへん参考になった。曲はきわめて音符の数が少なく、ピアノもしばしば右手だけになったりした。一度聴いただけではよくわからなかったが、いくつかの基本的なモチーフがあり、それがさまざまに展開されているようだった。全体の感じとしては、「軌跡」というよりむしろ「憧憬」という言葉のほうが近いような感じがした。静謐で透明な感じの曲であった。それにしてもあの複雑な音符を全部暗譜して演奏される能力には感嘆した。並の人間のやれることではない。
 その後は「気軽な」曲が4曲。ただ、よくポピュラー・コンサートで手軽に演奏されるようなスタンダード・ナンバーではなく、やや玄人向きの小曲という選曲で、このあたりに和波さんのサービス精神が感じられた。どの曲も過剰な感情表現を避けて、原曲のもっている雰囲気をそのままに出している感じであった。聴いていて何の抵抗もなく、心が洗われるような感じがした。最後の「ツィガーヌ」は極めつけの技巧的な曲で、ここでは和波さんの技巧の冴えをたっぷりと聴かせてもらい、これはこれで満足感があった。
 アンコールはモーツァルトの K.301 のソナタのアレグロであった。ベートーヴェンとバッハとくらべればやはりモーツァルトを聴きたくなるのは当然で、これもまた気配りの行き届いたアンコールだったと思う。
 それにしても和波さんの温かいお話と心のこもった演奏が、今後はこういう形では聴けなくなるのは本当に残念である。【知立市:T. S. 】
○後はんがすごかった! さい後に聞いたモーツァルトの「アレグロ」が好きです! また見に行きます。
 ルンデ、ずっとつづけて! ルンデは私の大好きなコンサートホールです。6月にやめるなんて……。ショック! やめたらだめ! 【天白区:K. N. 】
○後半の1曲目は何とも不思議な曲でした……。後半はとても迫力があってすいこまれそうでした。とてもすばらしかったです。
(ルンデは)アットホームなかんじで間近で良い音楽が聴けてとってもゆったりした気持ちになります。【天白区:K. N. 】
○素敵な演奏のなかで至福の時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。和波さんのルンデの思いが伝わって来てその点でも幸せな気分になりました。
(先週妻とPerlmanに行きました。もちろん素晴らしかったのですが、ルンデしか聴かせてせていただけない演奏があると思いました。演奏者の方にとってもルンデでしか表現できないこともあるのではないでしょうか。)【天白区:M. N. 】

インデックスへ戻る

小林道夫 「蘇ったクリストーフォリ」
2006年1月25日 スタジオ・ルンデ
○クリストーフォリの複製が小林氏の演奏で聴けるということで期待して来たが、まさにチェンバロから誕生したてのピアノという音だと感じた。チェンバロの面影を残しつつ強弱の豊かな表現が可能になり繊細な響きを楽しむ事ができた。楽器の美しさも素敵だった。ルンデ所蔵チェンバロとの弾き比べがあったら更に面白かったと思う。
 それにしてもルンデでの小林氏の最後の演奏の例会だと思うと淋しい。【瑞穂区:J. O. 】
○クリストーフォリがかつて作製したピアノをオリジナルに極めて忠実に再現して複製された山本宣夫氏のお話がきけて大変良かったです。
 小林道夫先生の演奏はいつも通り実直な心のこもった演奏で申し分ないのですが、折角強弱の再現と音量の変化を出せるクリストーフォリの複現ピアノ(クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ)を作っての演奏をされるのでしたら、音の表情のもっと多彩なモーツァルトの作品を取り上げて頂きたかったと思います。(バッハもスカルラッティもチェンバロ用に作曲されたものだったはずですので)。【西区:S. T. 】
○小林道夫さんのファンです。とても紳士で品が良く話がおもしろい。以前何年か前、徳川美術館でチェンバロの演奏を聞きました。バッハを弾いて心地よい時間を過ごしました。小林道夫さんの演奏会はこれで2回目です。今回も素晴らしかった。ルンデに来たのは初めてです。また小林道夫さんの演奏会をやってください。
(ルンデは)休憩時間の飲み物サービスは、ありがたかった。【瑞穂区:S. K. 】
○貴重楽器を使っての小林道夫さんの演奏は、ルンデとルンデ聴衆への贈り物のようでした。チェンバロ的な音色で音の強弱がつけられる楽器と感じました。複製者の山本さんのお話から、大変な苦労をされたことを知りましたが、素晴らしい音の響きが出て、ご本人も報われたのではないでしょうか。
 珍しい、音楽史的にも貴重なロドヴィーゴも聴けましたし、ドメニコ・スカルラッティのお父さんの音楽に触れられたのも楽しかったです。アンコールも含め、好きなスカルラッティを沢山、またバッハのイギリス組曲第2番も、この楽器の音色で聴けたのは本当に幸せでした。
 音楽と共に小林さんの人格の滲み出た話を聴く機会が、ここではなくなると思うと、やはり非常に残念です。【緑区:K. I. 】
○今回の目玉は何と言ってもクリストーフォリのフォルテピアノでしょう。以前にしらかわホールでベートーヴェンの時代のピアノというのを聴いたことがありますが、これだけ初期のモデルを聴くのは今回が初めてでした。
 聴いてみた感想は、名前の通り強弱がつけられるチェンバロという感じで、メカニックはピアノなのにチェンバロの響きがするのが何だか不思議でした。
 小林さんの演奏は、今回もすばらしかったです。特にスカルラッティのソナタ(アンコールを含めて)が良かったです。
 ルンデで小林さんのお話が聞けるのもこれが最後かと思うと少し残念です。【千種区:J. I. 】
○先日は楽しい一日を有難うございました。
 “クリストーフォリ”の音、とても素晴らしく、目を閉じて聴いていると、チェンバロのようでもあり、また、ある所へ来ると、今度はピアノの様でも、いろいろ思いつつ楽しみました。
 小林道夫さんも、上野の文化会館小ホールで聞く時なんかよりずっと御自分自身、音楽をたのしんでいらっしゃる御様子で、そんなにさせるホールの素的な雰囲気に感動いたしました。名古屋はもう縁遠くなってしまいましたが、何とかもう一度機会が作れないものか、考えています。
 モーゼル、美味しうございました。【世田谷区:T. S. 】
○京都市東山区。馬町のバス停から少し西に入ったところに、河井寛次郎記念館があります。その廊下の曲がり角の小さな陳列ケースに一枚の色紙が掛かっていました(展示替えで今は出ていないとのことです)。絵に添えられた言葉は“鳥がえらんだ枝、枝が待っていた鳥”。今日、クリストーフォリの制作者、山本宣夫さんが云われた、「まるでボクがこの楽器を復元しようとして材料を探してここにに来ることを知っていたかのように現れた貴重な木材たち」の話しで、その色紙の言葉を思い出しました。私が幸せな出会いを見、聞きする度に感動をもって反復する言葉です。
 クリストーフォリとルンデの空間、小林道夫さん、参加の皆さんの出会いも、確かにそうだったとしみじみ思っています(コンサートのアンケートにはなっていませんね)。【中区:M. S. 】

インデックスへ戻る

大森智子 「平均律クラヴィーア曲集 全曲演奏会」
2006年1月7日/9日 スタジオ・ルンデ
○冒頭に解説していただけるとは思わなかったですが、とても興味深い話で聴いていて参考になりました。専ら音楽史上の興味で聴き始めた曲で、「楽しんでいた」曲とはいいがたかったのですが、今日、素晴らしい演奏で聴け、それが楽しめたことをうれしく思います。バッハの作曲の質的深まりのようなものを感じることが出来ましたし、また、本当にオアシスのように、心のほっとする曲に出会いました。【緑区:K. I. 】
○新年から平均律全曲が、聞ける幸せ。今後、いつあるでしょうか。大森さんの演奏はあまり主題を強調せず、ややさらりと曲に入り、どんどん深く入り込んで、いきます。良かった。全くこうこつとしていました。あさってが楽しみです。
 ルンデは時々参加させて頂いていました。あと半年とは残念ですが、長い間楽しませて頂きました。有難うございました。【昭和区:N. T. 】
○ルンデ例会もあと半年となり、ここ二三年仕事多忙でご無沙汰していた例会に駆けつけました。バッハの音楽というとチェンバロ演奏で聴く機会が圧倒的に多い私にとって、平均律1巻ハ長調のプレリュードが始まった瞬間は大いなる違和感を覚えました。
 悠揚迫らぬ音の流れの中にもピアニッシモからフォルティッシモまで極端なまでの強弱の対比がつけられた演奏は、チェンバロによるバッハのみならず、これまで聴いたピアノでのどのバッハ演奏とも大きく異なったもので、ニコライエワ女史や高橋悠治氏の演奏と同等、いやそれ以上のインパクトがありました。
 細部についての違和感は2日間を通して完全には消えませんでしたが、聴き進むうちに、ピアノによるバッハをチェンバロによるバッハと同次元で捉えることが誤りなのだと考えるようになり、ピアノという楽器のもつ表現力の強さを再認識するとともに、その表現力を通して演奏家の内面まで映し出してしまうような怖さも感じました。
 両日ともに大森さんの演奏は「濃密」と言う言葉がぴったりくるような密度の濃いものでしたが、1日目の第1巻変ロ短調からロ短調の3曲、2日目の第2巻イ短調からロ短調の5曲には胸が苦しくなるような感覚を覚えました。
 聴く側としても力の限り聴いたという感覚が残りましたが、二日とも演奏終了時の大森さんの御姿は演奏に全身全霊を傾けたことを如実に示しており、強く印象に残っています。
 2日目の終演後の大森さんの、「バッハってすごいんです」の言葉に2日間の演奏が集約されていました。【瑞穂区:J. O. 】
○ルンデの大森さんの2日間の平均律で、わくわくする3日間となりました。ありがたいことです。
 日程というものは、なかなか合わないもので、児玉さんのベートーヴェン等、1度も参加できないのです。ようやく1月31日は参加できますが、4月9日は30番〜32番とまことに残念ながら参加できないのです。結局1/7です。と言いながら平均律は小林道夫さん、小山さんに続いて3回聞けた運の良さもあります。
 今日は、また深く深く、時間を忘れた世界へ案内して頂ければ、最高です。
 もっと大勢の人が聞けるのに残念です。演奏時間上、くり返しがカットせざるをえない点も残念でした。音楽に完全に没入できる手前で終わる気がしました。【昭和区:N. T. 】
○平均律曲集を生演奏で聴くのは初めてだった。全曲を聴く機会は仲々ないのでとても貴重でした。大森さんの演奏はバッハを弾く喜びがとてもよく伝わってきました。
 去年ルンデを知ったばかりなので、今年で演奏会が終わってしまうのは残念です。【緑区:Y. S. 】
○すてきです。とてもおっとり、ゆったりして、しかもだれることなく、心あたたかく満ちたりた気持ちになりました。【四日市市:K. K. 】
○「ぶらぼー」というコンサート情報誌で知りました。大森さんの演奏を1度聴いてみたかった。平均律の全曲を生で聴きたかった。(第2巻は聴いたことがない)【Annon.】
○当コンサートの時間が取れた、と言うことで磐田市からやって参りました。当ホールは初めてです。大きなホールと違い演奏者と親近感が持てて良いです。ピアノの音がストレートに来るが耳につく音でなくここち良い響きでした。
 レコードでよく聴く曲ですがやはり生は違います。大変良かったです。全曲あくことなく、しかと聴かせていただきました。【Annon.】
○大変良かった。雰囲気がよい。これからも続けてほしいのですが……。【一宮市:A. N. 】
○「第2巻(部)は聴いたことがなく、今日も解説があるといいなと思っていましたが、良い話が聞けました。この巻のプレリュードは、今まで抱いていたイメージとは異なり深みを感じました。
 前半たゆたうような部分があり、とても気に入りましたが、すっかり気持ち良くなられた方もおられたようです。勝手に、この曲集は専門家以外には面白くないのかな、と思ったりしていましたが、誰かの言った「宗教的感化」までは与えられなかったものの、大変な努力によると思う大森さんの「聴かせる」演奏で、全曲を大いに楽しめ、バッハのクラヴィーア曲を自分なりに再認識できたように思います。【緑区:K. I. 】

インデックスへ戻る

トップページへ


pippo
review_index