(例会数には推薦コンサートも含む)
【1981年】(5月〜12月)例会数 19 ●5月1日 開館
第1例会「若き音楽家を迎えて」 古澤 巌(Vn)5/21
「現代音楽のセミナー」ラサール弦楽四重奏団 6/2
「公開講座」第1回 宮本文昭(オーボエ) 7/29
日本で初のバルトーク弦楽四重奏団による
バルトーク弦楽四重奏曲全曲演奏会 12/13・14
※今後の意図的なシリーズ:
●若き音楽家を迎えて:存在がまだあまり注目されていない、デビュー以前だが優秀な新人を紹介するシリーズ
(2000年までに登場した主なアーティスト)
★ヴァイオリン:古澤 巌、澤 和樹、漆原啓子、景山誠治、渡辺玲子、若林 暢、諏訪内晶子、安彦千恵
★チェロ:上村 昇、河野文昭、酒井 淳、工藤すみれ
★サクソフォーン:須川展也
★ピアノ:上野 真、中村 攝、伊藤 恵、児島一江、迫 昭嘉、小山京子
★チェンバロ:植野夏子、杉山佳代
●現代音楽セミナー:一般に敬遠されがちな20世紀の音楽を、スペシャリストの演奏で鑑賞するシリーズ。
●公開講座:演奏家の演奏のみならず、自らの音楽観を語ったり、あるいは指導を通じて音楽を完成してゆくプロセスに立ち会う機会。
【1982年】 例会数 47
●朝のコンサート(夜外出の困難な層を対象に午前10時に開演する)開始。第1回2月25日
●「中村攝の世界」開始。不当に埋もれた優れた作曲家のピアノ作品を、毎月紹介し続ける驚異のシリーズ
●古楽例会:アムステルダム・シンタグマ・ムジクム
【1983年】 例会数 64
●現代邦楽例会開始:沢井一恵(箏)、赤尾三千子(横笛)
※吉原すみれ(打楽器)例会「人口50万以上でまだ一度も演奏しなかった都市・名古屋」初登場。
【1984年】 例会数 52
●《ルンデ〜音楽する仲間たち》:開館満3周年を記念して、演奏家活動に意欲を持つ地元音楽家会員を援助するジョイント・リサイタル・シリーズをスタート。
【1985年】 例会数 73
●J. S. バッハ生誕300年に因んで、小林道夫の構成によるバッハ・チクルス(全10回)
主な出演者:小林道夫、堤 剛、宗 倫匡、山崎伸子、数住岸子、安田謙一郎、潮田益子、佐藤豊彦、金 昌国、原田幸一郎、澤 和樹 等
●マラソン・コンサート第1回《オールナイト・ウイズ・バッハ》:クラシック音楽界では前代未聞の一人の演奏者による徹夜コンサート。初挑戦したチェンバロの渡邊順生は、以後4年にわたりマラソン・コンサートを続けた。
●コンテンポラリー・シリーズ(20世紀音楽を俯瞰。全10回)主な出演者:ラサール弦楽四重奏団、小杉武久、加古隆、高橋アキ、沢井一恵、高橋悠治、ジョン・ゾーン、翠川敬基、高柳昌行、山本邦山 等
●ルンデに常備するチェンバロを堀榮蔵氏に製作依頼。会員から《ルンデ・チェンバロ基金》として購入資金をカンパされた。開館記念日に披露(5月1日。渡邊順生)
●ルンデ《X》コンサート:まだ研鑽中の新人によるジョイント・リサイタル集をスタート
◎「現代邦人作品を積極的に紹介」としてサントリー音楽財団奨励賞受賞
【1986年】 例会数 71
●RUNDE KLAVIER TAGE :内外の個性的なピアニストの競演リサイタル集開始
●モーツァルト室内楽チクルス:小林道夫構成で全5回
主な出演者:小林道夫、宗 倫匡、金 昌国、山本正治、安田謙一郎、店村眞積、山崎伸子、景山誠治 等
●ピアノ・デュオ・フェスティヴァル:連弾、2台ピアノなどアンサンブルの競演(全6回)
主な出演者:園田高弘・中村攝、角野裕・怜子、三宅榛名・佐藤允彦、児玉邦夫・幸子、中川俊郎・前田志津、島田玲子・和田良枝
●室内楽の秋:内外のトップ室内楽グループの競演
主な出演者:アンサンブル・ナーダ(原田幸一郎、数住岸子、野島稔、安田謙一郎ほか)、岡山潔・服部芳子、ヴィア・ノヴァ弦楽四重奏団、「堀米ゆず子とマールボロの仲間たち」、メロス弦楽四重奏団
【1987年】 例会数 76
●5 days with BARTOK:開館記念日を中心に、バルトーク弦楽四重奏団による4回のコンサート(バルトークの弦楽四重奏曲全曲等を含む)と、公開レッスン(一般公募5グループ)を行った。
【1988年】 例会数 65
●開館記念日特別例会群《Russian Festival》タチアナ・ニコライエワ(Pf)、ボロディン弦楽四重奏団
●恒例の渡邊順生による「マラソン・コンサート」は、“チェンバロ大百科”と題し、クラヴィコードからフォルテピアノまでピアノの前身の鍵盤楽器7種類を集めた。
【1989年】 例会数 70
●《EXCELLENT》シリーズは、J. S. バッハの『ゴールドベルク変奏曲』特集。チェンバロの小林道夫、渡邊順生、橋本英二、ピアノのタチアナ・ニコライエワ、高橋悠治、三宅榛名、小山京子、前田志津が競演した。
●フィンランド・フェスティヴァル:現代フィンランドを代表する演奏家を紹介(5夜)
●モーツァルト没後200年(1991年)に向け小林道夫による全ピアノ・ソナタ連続演奏開始。
◎第11回都市文化奨励賞受賞。
【1990年】 例会数 66
●この年は、特に邦人演奏家に意識的に焦点を合わせた例会構成を行った。
●鬼才・中村攝が、『音のカタログ』と題して、作曲家単位にその全ピアノ作品(その大半は世に知られざるもの)を集中的に通演するシリーズ(毎偶数月)を開始した。
●チャイコフスキー国際コンクールに優勝して話題をまいた諏訪内晶子は、ルンデの《若き音楽家》シリーズ出演がコンクール前の仕上げコンサートとなった。
【1991年】 例会数 63
●開館満10周年記念として、ルンデゆかりのアーティストに依頼して、それぞれに思い入れの深い内容で様々なシリーズを展開した。海外からはバルトーク弦楽四重奏団とタチアナ・ニコライエワ(ピアノ)も、共に2夜の感銘深いコンサートを行った。
●北欧5ヶ国文化省などの推進する 《NORDIC LIGHT》 第1回名古屋公演を例会として取り上げた。
●また、内外で研鑽中の若手を積極的に支援、ルンデでの自主リサイタルに全面的にバックアップしている。
【1992年】 例会数 45
●開館後10年を経過、「小ホールで室内楽を」はようやく名古屋の音楽界にも普及し、ルンデは一応所期の目的を達したといえる。これまでスタジオ・ルンデ中心であった活動は、意識的に例会数を減じて対外的なものにも等しく重点を配し、プロデュース、マネージメントを通してコンサートのあり方を世に問うと共に、他方、熱心な聴衆に呼びかけて、将来を担う若い才能を積極的且つ長期的に支援する組織《ルンデあしながクラブ》を1発足、新たな10年に向けてスタートすることとした。
【1993年】 例会数 50
●ルンデの会例会が初めてルンデを出て会場を新設の愛知県芸術劇場コンサートホールに移し、ルンデゆかりのバルトーク弦楽四重奏団、タチアナ・ニコライエワ両公演を大会場なればこその安価な料金設定を行った。1982年以来ルンデの例会に七度来演13回の演奏会・講演会をもったニコライエワ女史が、11月アメリカ演奏旅行中サンフランシスコのステージで倒れ急逝、ルンデを愛し続けてくれた偉大なアーティストを失った悲しみは、決して消えることがないだろう。
●《ルンデあしながクラブ》では東京・京都での公演を実現、逞しく未来を見つめる若者達の姿は、見知らぬ土地の多くの人々にも感銘を与えた。
●岩城宏之率いる日本初のプロフェッショナル室内管弦楽団《オーケストラ・アンサンブル金沢》は、本年よりルンデの制作協力・マネージメントにより、年2回名古屋で定期公演を持つこととなり、名古屋の音楽界に多大な刺激を与えることは必至である。
【1994年】 例会数 38
1994年の例会は、前年と同じく小林道夫のチェンバロに始まり和波孝禧のヴァイオリンで終った。
音楽界の冷え込み、主催者の増加などによる情勢の為、例年より例会数を意識的に減らしたが、マネージメントや外部企画コンサートの依頼が増えたのが特徴だった。
【1995年】 例会数 40
1995年の例会は、例によって小林道夫に始まり、中村攝の《音のカタログ》で締め括られた。《ゴールドベルク》では10回目を記念して、開始の年1986年産のワインをふるまった。
何と言ってもメインはバルトーク弦楽四重奏団。その公開レッスン受講の4グループが秋に揃って立派な演奏を披露したのも望外の収穫。
【1996年】 例会数 42
本年5月を以て、1981年オープンしたルンデが満15年を経過、そこで 5月から来年4月まで、15周年記念例会群として殊更思い入れ濃いコンサートを設定することにした。小林道夫による年頭のチェンバロ・コンサートは、“ゴールドベルク”が10回になったことを機に《NEW YEAR BACH》と改題することとなった。
【1997年】 例会数 34
世に知られざる名作を紹介する中村攝は、「20世紀を探る」とタイトルを変えて、新たなのシリーズを展開。
《あしながクラブ》の支援するチェリスト酒井淳は、その実力を評価され、イリヤ・カーラーの日本ツアーの共演者としてデュオ・リサイタルを行う。秋にはツィンマーマンを含む無伴奏リサイタルを東・名・阪で行い、大阪文化祭で見事「本賞」を受賞した。バルトーク弦楽四重奏団の公開レッスンを受講した六グループによるコンサートも好評を博した。
【1998年】 例会数 39
《あしながクラブ》支援アーティスト、ヴァイオリンの安彦千恵が前年の酒井淳に続いて東・名・阪でリサイタル、同じく大阪文化祭で「本賞」を得た。
【1999年】 例会数 41
内外3アコーディオン奏者がそれぞれ個性的なプログラムを披露。小山実稚恵が足かけ三年にわたるバッハ・シリーズを開始。
【2000年】 例会数 35
開館20周年を迎え、この年七月からの一年間の例会を「開館満二〇年記念シリーズ」とし、特に実力派海外アーティスト(在外邦人含む)の来演が目立った。
【2001年】 例会数 35
前年からの開館満二〇年記念シリーズ」以後は、高橋悠治、イングリット・フリッター、ヴィクトリア・ポストニコーワなど、鍵盤の名手が相次いだ。
【2002年】 例会数 32
注目のアルテミス・カルテットが初登場、早くも、かつてのラサール、現行のバルトークに続くフレンドリー・クヮルテットになることを予感させた。児玉桃のメシアン、若林顕の後期ベートーヴェンは共に出色の快演。
【2003年】 例会数 34
小山実稚恵のラフマニノフとスクリャービン・シリーズ(二年四回)、堀米ゆず子&児玉桃のモーツァルト・ソナタ・シリーズ(四年四回)、児玉麻里のベートーヴェン・ソナタ全曲(四年七回)が相次いでスタート。他方、内外の若い演奏家も多数紹介した。
【2004年】 例会数 34
昨年に次ぎ若い演奏家多数来演。特にクヮルテットの新興勢力は、昨年のアルテミス、クスに次ぎ、上海、ボロメーオ、パシフィカが登場。邦人によるシリーズは、野原みどりのラヴェル全曲(二回)、渡辺玲子のブラームスとその系譜(三回)を実施。
【2005年】 例会数 35(ステージ数38)
●ショスタコーヴィッチ没後30年に因み、マンハッタン弦楽四重奏団による弦楽四重奏曲全15曲マラソン・コンサートを実施。
また、2006年6月でルンデの会例会を終止することを表明、残る1年は、《懐かしのアーティスト》として、かつて例会に出演した演奏家達に登場して貰うことが中心となる。
なお、来年6月のサヨナラ例会は、開館年以来毎来日時に複数ステージを続けてきたバルトーク弦楽四重奏団(2006年6月16〜18日)。会員対象の最後の会は、小林道夫の“チェンバロによるゴールドベルク”に決定。
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