114 | はしゃぎ過ぎるテレビ | 11月 5日版 |
115 | 続〜はしゃぎ過ぎるテレビ/「Peace」追記 | 11月12日版 |
116 | 「おいしいですか?」(続々〜はしゃぎ過ぎるテレビ) | 11月19日版 |
117 | 『報道』の基準は? | 11月26日版 |
【114】 2001年11月 5日号 |
【115】 2001年11月12日号 |
![]() (予定を変更して今週のことを……) 先週分でアフガン報道への異様な熱の入れ方を書いたが、13日(火)のNHK夜7時のニュースはスゴイものだった。何しろ7時に始まって7時40分頃まで「アフガン情勢」一色である。続いてニューヨークの航空機墜落事件。日本のニュースは、東北・上越・長野新幹線の不通をチョイとで、しかもその原因等には皆目触れず、ただ「止まっている」とだけ。田中外務大臣がなにやらチラ。タイガー・ウッズに対するゴルフ・ファンのフィーヴァーぶりの紹介……。 本当にこれでいいのでしょうか? ところで、“ピース”“Peace”と鳴く鳥を、世界中の空に放ちたい!、というルンデからのメッセージに対して、『もっと詳しく趣旨を教えてください』という若いアーティストからの問い合わせがあり、気付かされた。若い方々、チェロ奏者以外の方々には「?」のことも多かった筈で、大変有名な話だからわかっていただけるという、こちらの勝手な思い込みがあったことを反省。 このアピールは、今は亡き名チェリスト、パブロ・カザルスが国連会議場で1971年に行ったコンサートでのエピソードに基づいている。世界平和を訴える運動を続けてきたカザルスは当時94歳、その時の感動的な『鳥の歌』の演奏に想いを馳せたものだった。 詳しくは「ルンデからのメッセージ」のページに『呼びかけへの追記』として、あらためて井上頼豊氏の著書を引用させて頂いて紹介したので、是非ご覧ください(なお、それをアップロードした日付《11月13日》は、実はカザルスにとって大変因縁深いものである事も書き添えておきます)。 |
【116】 2001年11月19日号 |
![]() 以前から、テレビの「リポーター」なるインタビュアーのセンスの無さ加減にはあきれていたが(本欄2000年8月参照)、またぞろどうにもならないヘタッピーに遭遇した。 「おいしいですか?」 この質問、新開発食品の試食会や、小学校の給食の場面ではないのだ。いま深刻となっている「狂牛病」の影響は食肉関連業者の死活問題にも及びかねないと、「牛肉は安全」という民間のキャンペ−ン・イヴェントが開かれた。その会場で、無料提供された料理をパクつく人たちに発せられたものだ。何も相手が生まれて初めて牛肉を食べたわけでもあるまいに「おいしいですか?」はないだろう、聞かれた方だって「おいしいです」としか答えようがない。で、その当然の答を貰って、何になると言うのだ? このレポーターは、一体自分が何を取材に来たの判っているのか。ポイントは「味」を聞くのが主眼ではないということぐらいニンシキしていないのか。いや、テレビの画面は、そこで別の人への同じ質問に移ってしまうのだが、うんと好意的に考えて、ひょっとしてインタビューは「あなたはこれまでと同じように牛肉を食べていますか?」とか、「何故このイヴェントを覗いたのですか?」「これからも安心して牛肉を食べますか?」などと続いたのかも知れない。そうだとすると、番組プロデューサーは何故その核心部分をカットしたのか、どんなつもりでテープを編集したのか、そもそも何を意図して取材チームを派遣したのか、企画した方の姿勢も問題となる。社会問題の表面をなぞるだけで、より深く掘り下げてみようとしない安手のジャーナリズムが幅を利かせているようでは、「社会の叡智」は育ちようもない。 それにしても……である。 ついでのことだが、NHKの夜のスポーツ特集で、某「有名」球団の某「有名」選手を特集して、長時間の単独インタビューを行っていた。申し訳ないが、話は個人的な「感想」の羅列で、内容は希薄で退屈。しかし番組の二人の男女キャスターはこの選手の熱烈なファンだとみえ、こもごも歯の浮くような盛大な讃辞を贈っていた。たしかNHKは、番組内容に「個人的な見解」を付け加えることは御法度の筈じゃなかったっけ……? |
【117】 2001年11月26日号 |