《ルンデの会7月例会》

ショスタコーヴィッチの室内楽
Hommage à Shostakovich

没後30年に因んで
伊藤 恵 林 峰男 加藤知子

伊藤 恵(pf)       林 峰男(vc)        加藤知子(vn)

2005年7月19日(火)19:00(開場 18:30)
ディミトリ・ショスタコーヴィッチ Dimitry Shostakovich (1906-1975)
 ピアノ三重奏曲 第1番 Op.8
 チェロ・ソナタ ニ短調 Op.40
 ピアノ三重奏曲 第2番 ホ短調 Op.67

スタジオ・ルンデ(名古屋市中区丸の内 2-16-7)
【参加会費】一般 5,000、ペア 9,000、学生 2,500 ※一部座席予約可(160席中約50席)
【予約、お問合わせ】ルンデ TEL:052−203−4188

 早くからヨーロッパ生活で培った音楽性で評価を得ていたチェロの林峰男は、2005年でデビュー30周年を迎える。
 彼はデビュー10年のとき、バッハの無伴奏チェロ組曲を一晩で演奏するという快挙を達成し、20周年にはリサイタルや室内楽をまとめて4晩連続のコンサートを行った。そして50代で迎える30年はショスタコーヴィッチの没後30年と一致する。
 かつて、井上道義指揮東京都交響楽団の定期公演でショスタコーヴィッチのチェロ協奏曲第1番を演奏したとき、「林 峰男のショスタコは、凄い!」観客たちの多くはそんな風にうわさし、以来彼のショスタコーヴィッチの演奏は、チェロ・ソナタという重要な作品の演奏も含めて、今も高い評価を得ている。
 あらためて、2005年にデビュー30年を迎える林峰男が、(自身も含めて、ルンデについては先刻ご承知の)最も信頼する演奏者たちとともにショスタコーヴィッチの室内楽を取り上げる企画は、大きな意味を持つ。

伊藤 恵 (いとう・けい) プロフィール

 幼少より有賀和子氏に師事。桐朋学園高校を卒業後、ザルツブルグ・モーツァルテウム音楽大学、ハノーファー音楽大学において名教師ハンス・ライグラフ氏に師事。
 1979年エピナール国際コンクール第1位、1980年 J. S. バッハ国際音楽コンクール第2位、クルト・ライマーコンクール第1位、1981年ロン=ティボー国際音楽コンクール第3位及び特別賞と数々のコンクールに入賞。
 1983年第32回ミュンヘン国際音楽コンクール・ピアノ部門で日本人として初の優勝。サヴァリッシュ指揮バイエルン国立歌劇場管弦楽団と共演、ミュンヘンでデビュー。さらにミュンヘン・シンフォニカ、フランクフルト放送交響楽団、ベルン交響楽団の定期公演に出演。日本では「若い芽のコンサート」でNHK交響楽団と協演、その後大阪フィルハーモニー、東京都交響楽団とのヨーロッパ・ツアー、日本の主要なオーケストラと協演を重ねている。
 また、1999年3月より8年にわたり、毎年シューマンを中心にしたリサイタルを開催している。1993年日本ショパン協会賞、1994年横浜市文化賞奨励賞受賞。
2003年より東京藝術大学助教授。
 ルンデの会へはミュンヘン国際音楽コンクール優勝直後の1984年が最初で、以後1986年及び2000年に来演。また2003年にはルンデあしながクラブの協賛する例会で、若きチェリスト横坂源のバックアップを自ら務めている。

林 峰男 (はやし・みねお) プロフィール

 幼少よりチェロを才能教育で学ぶ。桐朋学園にて斎藤秀雄氏に師事。その後、ジュネーブ音楽院を第1位で卒業。翌年スイス、ローザンヌ室内管弦楽団のソリストとしてヨーロッパにおいてデビューを飾った。75年、ベオグラード国際チェロ・コンクール第1位に輝く。76年には、ワシントン D. C. とニューヨークのカーネギーホールでリサイタルを開き、アメリカ・デビューを果たし、ニューヨーク・タイムズで絶賛された。また翌年には、スペインで開催された「カザルス生誕百年記念コンサート」に招待され、日本を代表するチェロ奏者として高く認知された。
 76年以来、スイス・ロマンド管弦楽団、ザグレブ・フィルなど数々のオーケストラと共演する一方、スイスを本拠地としながら活動の場は世界各国に及んでいる。85年にはバッハ生誕300年を記念して「無伴奏チェロ組曲全6曲」を一夜で演奏するという画期的な演奏会(ルンデの会例会 5月6日)企画で、脚光を浴びた。また、無伴奏チェロ曲を集めたCDも、欧州と日本で発売、現在でも隠れたベストセラーとなっている。95年には、カザルスホールにおいて「デビュー20周年4日連続演奏会」を開催。ピアノの園田高弘氏との共演をはじめ、無伴奏リサイタル、オーケストラとの共演、チェロ・アンサンブルという多彩な内容は、朝日新聞でも大きく取り上げられ、連日ホールを満席にした。
 現在、国際スズキ・メソード音楽院教授を務めるなど、後進の指導にも力を注いでいる。
 ルンデの会例会には、前述の1985年と、1986年、1991年(無伴奏)の三回訪れている。

加藤知子 (かとう・ともこ) プロフィール

 4歳よりヴァイオリンをはじめ、三瓶詠子、故久保田良作、江藤俊哉の各氏に師事。
 第47回日本音楽コンクール・ヴァイオリン部門第1位、レウカディア賞受賞。翌年の海外派遣コンクールで特別賞受賞。1980年桐朋学園大学卒業。同8月、タングルウッド音楽祭に(アメリカ)参加、メイヤー賞受賞。ローレンス・レッサーに師事。アスペン音楽祭、マールボーロ音楽祭に出演、ルドルフ・ゼルキンらの指導を受ける。1981年9月から文化庁派遣研修員として2年間、ジュリアード音楽院に留学。
 1982年第7回チャイコフスキー国際コンクール第2位受賞。
 ソロ活動のほかには室内楽、リリア・アンサンブルの中枢として活躍。ATMアンサンブルなどの室内楽も恒常的に行っている。アルゲリッチ、マイスキーらとの共演も高く評価された。1996年クリヴィヌ指揮リヨン管弦楽団との共演は「特にスケルツォやアンダンテ楽章での熱い情感を込めた歌は、聴き応え充分であった。」と絶賛された。
 現在、桐朋学園大学で後進の指導にもあたっている。
 ルンデの会例会には、1995年(イザイ無伴奏全曲)に登場している。


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