岩城宏之／戸田弥生
《運命、未完成、メンデルスゾーン》
オーケストラ・アンサンブル金沢
第１４回名古屋定期公演

【日時】 ２０００年９月１４日（木）　開演１９：００（開場１８：１５）
【会場】 愛知県芸術劇場コンサートホール
【指揮】 岩城宏之
【ヴァイオリン独奏】 戸田弥生
【主催】 朝日新聞社、〔財）石川県音楽文化振興事業団
【企画・制作】 スタジオ・ルンデ　 【協賛】 レンゴー株式会社
【全指定席】Ｓ：\5,000／Ａ：\4,000／Ｂ：￥3,000／学生（当日指定）：￥2,000

　この演奏会直前の１１日、名古屋地方が未曾有の集中的な豪雨に襲われ、河川が氾濫して一部地域は浸水、死者も出る被害が生じました。幸いにして１４日当日は交通機関も概ね復旧し、１４００名余の聴衆でコンサートは熱気に包まれました。プログラム前半の「未完成」とメンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲」が終わったところで、岩城氏がバケツを持って現れ、聴衆に被災者のための募金を呼びかけました。「明日は我が身、ということもあります。今日ここでシューベルトやメンデルスゾーンを楽しめた歓びを、ちょっとお見舞いに向けていただきたいと思って……」。それからソリストの戸田弥生さんや団員計８名が客席を回りました。そして後半の「運命」を終えたところで、岩城氏が「１０分ほどの募金で集まった金額」を発表し、会場は割れんばかりの拍手。アンコールに応えて「今回の災害で亡くなった方への哀悼の意もこめて」バッハの「アリア」（Ｇ線上のアリア）が演奏され、感銘深くコンサートを終えました。この義援金は、ルンデを経て朝日新聞名古屋厚生文化事業団に寄託されました。（なお、終演後寄せられた分も含めて、最終金額は６０６,３２９円となりました）

【チケット予約・お問合わせ・マネージメント】ルンデ　TEL:０５２−２０３−４１８８

【プログラム】
シューベルト：交響曲　第８番　ロ短調　D.759 『未完成』
メンデルスゾーン：ヴァイオリン協奏曲　ホ短調　Op.64
ベートーヴェン：交響曲　第５番　ハ短調　Op.67 『運命』

　東京生まれ、東京芸術大学音楽学部器楽科中退。１９５６年９月ＮＨＫ交響楽団の臨時演奏会で、チャイコフスキーの「悲槍」交響曲を指揮してデビュー。６３年Ｎ響の指揮者に就任。
　８５年オーストラリア大勲章、８７年中島健蔵賞、８８年サントリー音楽賞、９０年フランス芸術文化勲章、９１年日本エッセイストクラブ賞、９３年放送文化賞、９６年紫綬褒章、オーストラリア名誉オフィサー勲章の各賞を受賞。
　Ｎ響他、国内の主要オーケストラ、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団等、世界のメジャーオーケストラを常時客演指揮している。
　初演魔といわれるほど現代音楽の演奏に意欲的で、優れた現代作品を数多く紹介している。
　オーケストラ・アンサンブル金沢音楽監督、Ｎ響終身指揮者、メルボルン交響楽団終身桂冠指揮者、札幌交響楽団終身桂冠指揮者、また東京混声合唱同音楽監督を兼ねている。

　４歳からヴァイオリンとピアノを始める。江藤俊哉、ヘルマン・クレバース、シャルル・アンドレ・リナール、ドロシー・ディレイの各氏他に師事。
　１９８５年、第５４回日本音楽コンクール第１位。桐朋学園大学音楽科を首席で卒業。９２年からアムステルダムのスウェーリンク音楽院に留学。９３年、エリーザベト王妃国際音楽コンクールに優勝。
　９６年、ニューヨークのジュリアード音楽院から「ディレイ・スカラシップ」を受け、１年間在籍。９７年、ニューヨーク・デビューを果たし、絶賛される。その後、モスクワ・フィルハーモニー、ボン・べ一トーヴェン・ハレ管弦楽団など国内外の主要オーケストラにソリストとして招かれ、小澤征爾、ユーリー・シモノフ、シェロモ・ミンツ、ジャン１シャッターカントロワ、アレキサンダー・シュナイダー、シヤン・ブルネ、マルタ・アルケリッチらと共演した。
　９４年、第４回出光音楽賞受賞。 　

オーケストラ・アンサンブル金沢　Orchestra Ensemble Kanazawa

　日本初のプロフェッショナル室内管弦楽団として、世界レヴェルで活動を続けるオーケストラ・アンサンブル金沢は、すでに７年１３回にわたっての名古屋定期公演を続けてくることが出来ました。これまでの当地方の皆様のご支援に応え、今回は御大岩城宏之がポピュラーな名曲ばかりを集めた楽しいコンサートをお贈りします。