田中利恵 ピアノ・リサイタルRie Tanaka Piano Recital![]() |
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2000年12月 9日(土)19:00(開場 18:30)
スタジオ・ルンデ(地下鉄「丸の内」桜通線3番/鶴舞線2番出口) J. S. バッハ:『平均律クラヴィーア曲集 第2巻』より 第17番 BWV.886 シューベルト:ソナタ 第19番 ハ短調 D.958 ケンペン:カプリチオ(田中利恵のために) メシアン:『鳥のカタログ』より 第3曲集 シューマン:幻想小曲集 Op.12 |
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【料金】全自由席 3500円 【予約、お問合わせ】ルンデ TEL:052−203−4188 |
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田中利恵 プロフィール 東京芸術大学音楽学部附属音楽高校、同大学ピアノ科卒業、大学院修士課程修了。在学中よりピティナ・ヤング・ピアノコンペティション、日本モーツァルトコンクール、イタリア、マルサラピアノ国際コンクールにおいて賞を受賞し、名古屋フィルハーモニー交響楽団、香港アジア・シンフォニック・オーケストラと、ビクター・フェルドグリル、山田一雄、外山雄三、竹本泰蔵氏の指揮で共演。 1988年にはオランダ国費留学生としてアムステルダム、スヴェーリンク・コンセルバトリウムに入学。ヴィレム・ブロンズ氏のもとで研鑚を積み、ロッテルダムのエドゥアルド・フリップセ・ピアノコンクールにて第1位、ロイヤル・ファミリー賞受賞。ロッテルダム・フィルハーモニーオーケストラのソリストとして招かれ定期演奏会にてベートーヴェンのピアノ協奏曲 第5番"皇帝"を演奏、その後ドイツ、オランダ各地、中央アメリカにてピアノソロリサイタルツアー、公開レッスンを開催など、活動の基盤を築き、スヴェーリンク・コンセルバトリウムも首席、特別賞にて卒業、室内楽科も修了する。 ピアノソロ活動(コンセルトヘボー主催のランチコンサート、ニューイヤーコンサート、子供の為のコンサート)、三笠官殿下、妃殿下、オマーン国皇太子御前演奏、オランダ大使館廷でのコンサート(日本、韓国、インドネシア、シンガポール、香港)の他、アンサンブルにも力量をあらわし、オランダコンセルトヘボー前コンサートマスター、ヘルマン・クレバース氏、ロサンゼルス・フィル前首席チューバ奏者、ロジャー・ボボ氏、コンセルトヘボー首席ヴィオラ奏者、ミシャ・ギーラ氏、ヴィオラ奏者、今井信子氏などのアシスタントも務め、オランダ人チェリスト、ローランド・ダウネ氏、ヴィオラ奏者、エスター・アピトゥレイ氏とのデュオ活動に、オランダ各地の音楽祭(西ダウランド、フレボランド、アルクマール)を含め、ヨーロッパ各地、アジア、アメリカに及ぶ20ヶ国以上での演奏活動に忙しい。 今年9月にはオランダ・日本交流400年の記念コンサートにて演奏の為(大阪、松山、京都)帰国。現在はアムステルダム在住。 これまでに中山靖子、ハイ・ヒルトグラン、ヴィレム・ブロンズ、ハンス・ウィグラム、アンドレイ・ヤシンスキー、ユーゾン・インディッグの各氏に師事。 コンサートに寄せるメッセージ 日蘭交流400年を記念して 田中利恵 オランダはほんとうに小さな国で、イギリス、フランスへも飛行機で1時間ほど、ドイツ、ベルギーとは国境も隣りあわせという立地の良さが、結局いろいろな民族、文化、風習が集まりあう場所となり、オランダ人の国民性でもあるオープンなところ、好奇心の強いところが幸いして、違った性質のものがうまく調和して、バランス良く共存出来るという、芸術・・・特に音楽にとって最も条件の良い環境が出来上がっています。 昔の日本人が長崎の出島で、オランダ人を通してヨーロッパ、海外の文化を吸収していたように、私は今、コスモポリタンのアムステルダムで、世界の芸術、音楽、文化を吸収しています。音を使って仕事をする音楽家にとって、最も大切なのはオープンな、鍛えられた耳を持つということ、耳というのは脳に近いところにある為、それは結局オープンな柔軟な思考を持つということ、これも私は、アムステルダムの人種のるつぼの中で、オランダ語をはじめとして英、仏、独、スペイン、ロシア、ハンガリー、ポーランド、中国とほんとうに数えきれないほどのいろいろなことばを聞き、その音の流れ、アクセント、響きの違いに耳をかたむけ、聞き分けるという、生きた耳のトレーニングを経て、12年間のここでの生活の中で、今まで聞こえていなかった音が聞こえるようになってきたこと、音の色がかぎ分けられるようになってきたこと、生活の中の単純な音さえ、音楽の音としても聞こえるようになってきたことが、今まで自分では絶対に弾けないと思っていたメシアンを弾こうと思ったことにもつながっています。この私の、違うものに触れることによってより自覚できるようになった"日本人としての自分"、"音楽家としての自分"、そしてオランダ人に教えられた大きな好奇心と、あらゆるものから全てを共存させうまくバランスのとれたものを作る合理さ、ポジティブな生きるエネルギーをみなさまにも感じ、楽しんでいただきたいと今回のリサイタルを企画いたしました。 オランダ、日本交流400年のひとつの節目として、どうぞみなさまも、いろいろな思いをめぐらせて下さい。 |