review

Concert  Re-view
2001

コンサートへの反響を紹介。


2001年のコンサートから
高橋悠治  崎元 譲  メジューエワ  小山実稚恵  オーケストラ・アンサンブル金沢
フリッター  店村眞積&ポストニコーワ  アンサンブル・リンクス  ヘンシェル
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ディートリヒ・ヘンシェル 『冬の旅』
2001年11月6日 スタジオ・ルンデ
○とってもすばらしかった。岡原氏のピアノも音色が豊かで、冬の旅、心から楽しませていただきました。水車小屋の娘などの曲も、このルンデでぜひ聴いてみたいです。 【無名氏】
○ホールの規模といい雰囲気といい曲目にマッチして楽しめました。ヘンシェルさんのバリトンも若々しく、日常から離れたひとときでした。 【岡崎市:S. U.】
○以前読んだ小説、トーマス・マンの「魔の山」で、この歌曲が重要な役割を持っていたのですが、読んでいる時にCDで聴いて、今日はナマで聴けるというので初めてこちらへ来ました。その時にも胸に迫るものがあったのですが、サロンに招かれて生の演奏を聴けたような大変素晴らしい体験ができました。一つの情緒を一貫して追及してこんな素晴らしい芸術にまで高めることができるのだとあらためて感心しました。
・・・・余談ですが、女性はこの曲を聴いてどんな感想を持つんでしょうか? ちょっと興味があります。男性とは感じ方が違うんだろうけれど・・・。そうでもないのかな? 【瑞穂区:H. H.】
○なんと豊かな声、情感。演奏者が語りかけてくださることのできるルンデの狭さが今日ほど嬉しかったことはありません。シューベルティアーデの夜でした。 【無名氏】
○五感と精神?を全部使い切って表現した冬の旅でした。多彩な表現で24曲が全部それぞれの個を主張していました。詩の内容が言葉ではなく歌手の表現からよく伝わってきました。ピアノも伴奏ではなく表現を助けていました。あっという間の75分でした。 【中村区:M. I.】
○人はこんなにも歌えるものか、という位素晴らしい「冬の旅」でした。ピアノの美しさもとびきりです。CDで聴いていたこの曲のイメージをはるかにはるかに超えるものでした。それにしてもヘンシェルさんも岡原さんもすごい。(いつの日にか音楽監督になって、8曲ぐらいずつで服を着替えさせて、最後にはボロを着せて歌わせてみたいと思ったが、そんな小細工は不要か) 【緑区:K. I.】
○とても良い。冬の旅、シューベルトが好きで、間近に聴けて楽しかった。フィッシャー・ディースカウをよく聴いていて、何ともなつかしいところと、新しいところとで、今後の御健闘を! 【東区:K. S.】
○Wunderbar! とにかく素晴らしかったです。時間の長さを忘れました。 【北区:S. O.】
○乏しい人生経験で「冬の旅」全曲コンサートは考えてみると3回きり。第一回、二回、ヘルマン・プライ氏、第三回、ディートリヒ・ヘンシェル氏。何れもドイツの名バリトンの歌曲を拝聴でき、無情の幸せでありました。ディートリヒ・ヘンシェル氏の繊細な美声に酔いました。ご活躍とまたのご来日を・・・。日本人バリトンの冬の旅全曲を聴く機会が皆無に近いことに気づいて暗然?? 【無名氏】
○若い。その一語。ゆえに、「水車屋」が聴きたい。休みはほしい。 【津市:A. F.】

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フルート・アンサンブル・リンクス
2001年10月18日 スタジオ・ルンデ
○話題のLinxのコンサートが聴けるというので楽しみにしてきました。どれも素敵でいいコンサートでした。特に挙げるなら、ビバルディの四季と、トッカータとフーガかな。四季はオーケストラの雰囲気が素敵でした。トッカータとフーガはオルガンのイメージがうまく生きているって思いました。 【千種区:H. S.】
○とても素晴らしかった。例えて言うとイギリスの森の中の小川で妖精達が演奏しているような、そんなイメージでした。実は1年前から心の病気にかかっているのですが、とても癒されました。クラシックコンサートにはまってしまいそうです。12月のクリスマスコンサートには必ず行きます。とてもすばらしかったです。(ルンデは)コーヒータイムがとてもよかったです。リラックスできる環境もいいと思いました。実際に出演者と話せて感激でした。 【C. S.】
○美女四人のフルート、とても楽しいコンサートでした。ご本人達がとても楽しんで演奏しておられるのが私の心に伝わってきて、いいなあ〜とうらやましく思いました。トッカータとフーガはどんな風になるのかと思っていましたら、とても面白いアレンジで、又オルガンとは全然雰囲気の違うトッカータで大変良かったです。珍しいフルートばかりの四重奏もとても楽しいでした。 【吹田市:N. T.】
○まず一言、可愛い!なんて書いてしまいました。でもそれぞれのパートを楽々とこなし、息のあったアンサンブル、すてきでした。前半では「四季」が特によかったです。後半「カルメン幻想曲」テクニックをフルに生かして抜群でした。バス・フルートははじめてで、ルンデならではの生の音色の美しさを楽しませていただきました。個性的なドレスもとてもすてきでした。 【伊丹市;M. N.】
○楽しいコンサートでした。何より若いメンバーが楽しんでいる様子が演奏にもステージマナーにもあふれて、聴いている我々にも元気をもらえました。アレンジも工夫されているのが素人なりに分かりましたが、一部ではヴィヴァルディ「四季」が二部では「カルメン幻想曲」がよかったと思います。これからも益々発展されるよう祈っています。 【大阪府:k. O.】
○まずすばらしいアレンジャーに乾杯!4本のフルートは始め一人一人の音色を聞き分けてたけど、だんだん4本のフルートの醸し出す不思議な音色の厚みに心がひかれました。時々オーケストラを聴いているような錯覚をしました。フルートの限界をやぶるいろいろな曲にこれからも挑戦して下さい。素敵なアンサンブルをこれからもつづけてください。 【東大阪市:YU. K.】
○少し前に拝見して是非生演奏を聴いてみたかった。CDにビバルディの「四季」が欲しいので、是非録音して欲しい。 【安八郡:K. N.】
○緊張感を持たずに気楽に比較的私の好きな曲が沢山鑑賞でき、喜であった。私は難聴であるので前列に席を取ったが、奏者の肌に触れるような不思議な感じがした(フロアーとステージの段差が小さいせい?)できればなるべく早く終わるように時間を取ってもらえるとありがたい。 【豊明市:A. H.】
○フルート4本で様々な曲をひくという、これまでにない形の魅力にひかれて足を運んでみました。フルートに関しては全くの素人なので、知っている曲ならば「あ、いいなあ」と思う程度でしたが、高低織り交ぜたフルートの音が重なる瞬間はとても心に感じるものがありました。今後も演奏の幅を広げていって欲しいと思います。今回は特に、アヴェ・ベルム・コルプスが良かったです。CD化して下さることを期待します(すでにCD化されているのでしょうか)フィガロの結婚もとても良かったです。
(ルンデは)若手を応援するというコンセプトがとても気に入りました。名古屋に来て7年目なのですが今日初めて知って、その遅さを悔やんでいます。来年からは東京に行くことになるので、それまでに機会があれば足を運びたいと思います。 【昭和区:M. T.,】
○とても良い。フルートで満たされた感じ。表現力が豊かで、楽しみ方を開発しているようですね。長く続けて、さらに表現力を拡げて新境地を作られます様。 【S. W.】
○楽しかった。珍しい音楽をありがとう。Vivaldi の終曲、すばらしかった。お色直し、鮮やか。バッハも見事!ラヴェル、ドビュッシーもよかった。 【木曽川町:T. H.】
○息ぴったりで素晴らしかったです。大変な世の中ですが、心を和ませてくれる演奏でした。 【長久手町:A. A.】
○なんて美しいカルテットでしょう。ドレスは玉虫色が基調になって、それぞれの個性に合ったデザインと微妙に違う色彩で華やかで上品な雰囲気が漂っていました。細くて白い腕、キラキラ光るネックレスやわらかい音を奏でる彼女たちはまるで妖精が舞うようでした。2部からの純白のドレスも、とてもあでやかで見る楽しみも充分堪能させて頂きました。
 フルートと言う楽器はどんなに細かいパッセージでもフォルテッシモになっても、居丈高にならず優しく包み込んでしまう大人の魅力を持っているような気がします。
 さて、1曲目の「胡桃割人形」の「葦笛の踊り」バスフルートの響きがとてもよかった。「アヴェヴェルムコルプス」は4本の音のバランスが気になりました。これは全く好みの問題だと思いますが高音の響きが特に目立っていたので。逆に「亡き王女のためのパバーヌ」はバスフルートの音が気になりました。音域の低いのがないといいなと思ったのです。(これも個人的な好み)「トッカータとフーガ」この編曲は大好き、ドビッシーは美しい音色でした。
 古典からドビッシー、ラベル、まで幅広いレパートリーをお持ちのリンクスの皆さんが益々腕に磨きをかけて又楽しい演奏とおしゃべりとを聞かせて頂けるのを心から楽しみにしています。そして、郡さん。もう少し太ってね。【宝塚市:K. Y.】
○フルート4本のカルテットを聴くのは今回が初めてです。同じ楽器での合奏ということで、パート間の差があまり出ないのではと思っていたのですが、アルトとバスの2本のフルートが音色に変化を与えていてまるで弦楽四重奏を聴いているようでした。
 4本のフルートのための曲が1曲だけありましたが、やはり編曲ものの方が Lynx には向いている様に感じました。特にオペラ系の3曲(フィガロの結婚序曲、魔笛のアリア、カルメン幻想曲)のアレンジが秀逸で良かったと思います。皆さん笑顔がとても魅力的で MC も上手いので、人気上昇中というのも頷けました。【千種区:J. I.】

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店村眞積&ポストニコーワ
2001年10月14日 スタジオ・ルンデ
○期待通りの素晴らしい出来でした。グリンカの名曲も、初めて聴いたロスラヴェッツ、ショスタコーヴィチも、グラズノフのアンコールもヴィオラに深みがありますし、ピアノも本当に良かったです。ショスタコーヴィチの最後がヴィオラ曲だったとは!【緑区:K. I.】 ○ロスラヴェッツはロシアの前衛ときいていたけれど、ソナタの2番はロマンチックでまるでシューマンのような曲でした。ビオラの音は、曲の出だしがすばらしい。胸がキュンとなるなつかしい音がすてきです。ショスタコビッチ、名曲です。ショスタの「英雄の生涯」です。人生をしみじみと感じる名演でした。 【中村区:M. I.】
○店村さんの演奏を初めて聴いたのは、練馬文化センターのコンサートでした。その後CDなどで時々聴く機会があり、今回このコールで演奏されると聞き、楽しみにしてきました。今日のコンサートをきいて、驚くほど骨太のがっしりした音楽で、台風の強風にもびくともしない大きな木を見ているような感じでした。しっかりと地に根を張ったたくましさ、意志の強さを感じました。音楽から元気をもらいました。ルンデには始めてきましたが、市内にもこのような形のホールがあるのだなと思いました。臨場感にあふれた音楽を聴かせていただきました。 【名東区:H. N.】
○ロシア・ヴィオラ・ソナタ名作選というルンデならではの渋いプログラム! それも店村さんのヴィオラで聴けるとあって、弦楽好きな私は非常に楽しみにしていたのですが、渋すぎて一般受けしなかったのでしょうか? こういうプログラムで満席になるようだと名古屋も捨てた物ではないのですが。
 ロスラベッツは日本初演ということで、当然初めて聴いた訳ですが,調性感の欠如が独特の雰囲気を醸し出している不思議な曲でした。
 ショスタコーヴィッチは熱演で消え入るような Adagio も魅力的でしたが、Moderato-Allegro がショスタコらしくて良かったです。【千種区:J. I.】

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イングリット・フリッター ショパンを弾く
2001年10月7日 スタジオ・ルンデ
○実にダイナミックで将来が楽しみです。しかし、ややクレッシェンドが強すぎて、“ポロネーズ”などは良いかもしれないが、“舟歌”などこんな激しい曲かと思ってしまう(ホールが小さいせいかも知れないが)。最後の“ソナタ”はよく弾きこなしているせいか格段に良かった。アンコールの曲もリラックスして弾いていて良かった。【T. K.】
○本当に久しぶりのルンデでとても楽しかったです。前半特に私でもよく耳にする曲目が次から次と出てきて・・・。メリハリのある“ポロネーズ”“に“バラード”もとても良かったです。
 あんなに柔らかな軽やかな力強いピアノが聴けたこと、とても感激しました。曲目の入れ替えをして正解に思いました!!【一宮市:Y. A.】
○一曲目の“ノクターン”は少し音を探っているような感じがあったが、曲を重ねるにつれ硬さが取れていった感じ。鋭い技巧を聴かせるのではなく、柔らかな「うたごころ」をのせるような音色だ。
 “舟歌”で豊かな叙情性を聴かせ、後の“ポロネーズ”でダイナミックさと繊細な表現を同時に示し、“バラード”ではしっとりと空気まで染めあげるような情感に満ちた風景を創り上げた。派手ではないが、心に届く芯の強い音を積み重ねて、奥行きのある曲の世界を作っているところが、今回のプログラムによく合っていた。
 前半は曲順を変えたことで一層盛り上がりと個性が際立ったと思う。後半はうってかわって、のびやかなショパンだった。
 幕間の鈴木さんの話を聞いて、前半の彼女の(とくに最初の曲)緊張の理由がわかり、納得。今回ショパンのスラヴ的な印象が本当に自分の中に入ってきたのが大収穫だった。後半のプログラムはどの曲もよくのびる明るい響きで、まさに「ショパン弾き」という感じだった。アンコール曲も素晴らしかった。【名東区:S. Y.】
○前半を聴いて:最近はエチュードが多く、久しぶりに聴く、目の覚めるようなダイナミックレンジの広いショパンです。
 曲として一番好きなのは最後の“バラード”でした。後半を聴いて:やはり「旬の人」という感じの演奏でした。また、ご本人のもう少し力の抜けた演奏も聴きたいものです。【緑区:K. I..】
○非常に良い。ショパンコンクールの審査員だって、こんなに近くでは聴けなかったと思う。
 フリッターさんも、演奏も素敵です。年に三回ぐらい来て欲しい。名古屋じゃなくても、東京、大阪ぐらいまでなら行ってみたいと思う。勉強にもなった。でも一回じゃ勉強しきれないので、もっとたくさん聴きたい。
 コンサートへはよく行くけれど、初めてルンデに来た。こんな間近で直接フリッターさんにお目にかかれ、演奏を聴けてうれしい。ホールはとても小さく、雰囲気がよかった(壁など)【日進市:Y. F.】
○生でショパンが聴けて幸せです。
 毎日演奏会の連続でしょうに、大曲ばかり、頭が下がる思いです。若々しい笑顔が素敵、ピアノと同じように!【額田郡:S. S.】
○ショパンコンクールのエキシビションの雰囲気で、素敵なコンサートでした。さすがに表現力の巾が大きく、ショパンを堪能しました。メロディーの陰に対旋律が浮かび出る瞬間がたくさんあって、ショパンを見直しました。ホールのピアノもよく鳴っていました。【M. I.】
○私は視覚障害者ですので別紙にての回答にご理解ください。まだパソコンもインターネットまで覚えるのに時間が掛かりますので郵送でお送りしました。
 フリッターさんの演奏は、詩人がペンを手に取り聴衆を魅了する様に、ピアノという音楽のおもちゃ箱から叙情あふれる詩を降り注がれる如く奏でられておりました。大変ご立派であり、若さと優雅さを兼ね備えた冒険心に富み、聴衆一人一人の胸を熱くし、幸福な時に悲しく切ない気持にする良質の詩音であり、それがショパンピアノ曲の美徳であり、フリッターさんの優しく燃えるような力強さが自然に演奏の旋律に浮き出ていました。
 今日のコンサートではサインまでしていただいて二重三重の喜ぴであります。流暢とはいえなくてもフリッターさんの『どうもありがとう』の言葉が今も私の耳ではなく心に刻まれています。一生忘れられない想い出になりました。それから私は、いや聴衆である観客全員はフリッターさんから言葉ではない大きなプレゼント、大げさにいうなれば財産を受け取ったのです。その財産とは感動であります。この世界に感動に勝るものはありません。それだけ今日のコンサートは素晴らしかったです。
 最後に語学力の貧しさと内向的性格の故にフリッターさんに云えなかった事を書きます。

 秋風に颯爽とロマンスを奏でる あなたの手は女神(ミューズ)の柔肌そのものよ
 女神(ミューズ)の魔法そのものよ
                      【七宝町:N. O.】

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オーケストラ・アンサンブル金沢第16回名古屋定演
2001年9月24日 愛知県芸術劇場コンサートホール
○素晴らしいコンサートをこの地で聴けてとてもうれしく思います。小編成ならではの音の幅を楽しめました。特にP。合唱も素晴らしかった!こんなコーラスを聴いたのは初めてです。益々ご活躍下さい。ブラボー!【無名氏】
○素晴らしい演奏でした。いつもオーケストラ・アンサンブル金沢の演奏は小規模のオーケストラなのに、とても豊かな音で感心いたします。合唱もソリストも素晴らしかったです。オルガンは初めて聴きましたが、心の引き締まるような感じでした。【緑区:Y. I.】
○一度このホールで「トッカータ」を聴いてみたいと思っていたので、夢がかなってすごく嬉しかったです。ベートーヴェンは、オケはもちろんの事、合唱に感動しました。後の方で涙があふれてくるほどの感動を味わえたことが嬉しかったです。ありがとうございました。【M. I.】
○いつもながら素晴らしく、かつ豪華な演奏が拝聴でき、何だか安心しました(テロの世の中でも?)今日はOEKの新しいCDのハイドン3曲、帰宅して聴く楽しみもできました。チャンスがあれば美しい古都、金沢の、新しい石川県立音楽堂でアンサンブル金沢の演奏を拝聴したいと思っております。【無名氏】
○とても楽しめました。来て良かった。メゾ・ソプラノ(アンドレア・ベーカー)とテノール(クラウス・シュナイダー)、コーラスが素敵で印象に残りました。ありがとうございました。オルガンも良かったです。【無名氏】
○コンサートの成功おめでとう?! 第9は何と言っても合唱。さすがにすばらしい合唱団でした。新鮮な野菜のパリッとした味わいでした。独唱者も余裕がありました。いつも目立たないアルトも存在を主張していました。
 バッハのトッカータはおとなしい編曲で、原曲に忠実でしたが、いっそ変奏曲のようにもっと拡大した演奏を聴いてみたいと思いました。【中村区:M. I.】
○バッハは、なかなか興味ある編曲で良いと思ったが、音源が上下に分かれていて聞きづらい点があった。
 ベートーヴェンは、合唱団が最初から入場していたのは良し。これが本当の姿だと思う。パーカッションもトロンボーンも同じことが言える。その上、ソリストまでが最初から登場したのには驚いた。バリトン・ソロはさぞかし大変だっただろう。
 室内オケなので、迫力を心配したが、全然よかった。Vcが奥で2プルト、これもすばらしかった。特に第四楽章合唱の上手いのに驚いた。各パートの声の質までがそろっていて、特徴的だった。最初のフロイデもバス・パートだけだった。久しぶりに途中で途切れない本格的な第9を聴いた。感動!!【無名氏】
○ほのぼのとした日曜の午後によく似合う第9だったと思う。指揮の岩城さんには、演奏にうねりを与えようとしていることがよく分かったし、ドイツ風の演奏になっていたと思う。バス、合唱が力強いのも印象的だった。惜しかったのは、私が3階2列目だったため、オケノ音が控えめに聞こえてしまったこと。とてもきれいな音色だったが(弦)、もっとガンガンやってほしかった。【菰野町:S. M.】
○トッカータとフーガは、オルガンの響きがとても美しく、よかった。オルガンのためにこのコンサートホールを会場にしたのかと思えた。
 第9は、合唱団は声量があるなあ!と感心。岩城さんの4楽章はスピードと迫力。こんなに早いのは初めて聴いた。良かった!!【豊橋市:Y. Y.】
○合唱が素晴らしくて驚きました。あの人数で・・・。今までいろんなオケの第9を聴いてきて、4楽章の合唱だけにこんなに目と耳を奪われたのは初めてです。オケのタイトな演奏にどう絡んでくるのか・・・、と興味シンシンだったのですが、期待以上、というか、予想外でした。夫も初めて「ブラボー」を叫んでおりました。どうもありがとう、お疲れさまでした。【西区:C. N.】
○第9では人間の生の音声の美しさ、力強さ、さらには荘厳ささえも感じさせていただいた。ドイツの合唱団の底力なのでしょうか、とも思った。【東区:M. K.】
○堂々とした熱い演奏でした。合唱も安定感がすばらしい。汎百の第9とは一線を画すと思います。どうか岩城さんいつまでもお元気で。【常滑市:J. S.】
○「第9」は初めて生演奏を聴いたのですが、やはりオーケストラ・アンサンブル金沢で大正解でした。鳥肌が立ってしまいました!!本当に音がとてもきれい・・・・。
 岩城先生、これからもエキサイティングな演奏をたくさんお聞かせ下さい。 【常滑市:M. I.】
\○大変素晴らしい演奏でした。特にコーラスが上等で、プロ合唱団の少ない日本での第9では味わえない本場の音色と音楽性に満足いたしました。第1〜第3楽章も優雅でした。【名東区:N. M.】
○20年程前に東京フィルとの演奏に参加したので、時間的制約のない限り第9の演奏を聴いています。本日は14時からの開演で、日帰りができ、大変ありがたいことです。
 これまで合唱は日本の合唱団が主で本場ドイツの言葉を初めて聴き、嬉しく、勉強にもなりました。合唱のすごい迫力に圧倒されました。
【高山市:O. M.】
○トッカータとフーガ:外山さんの編曲は、曲の荘厳さを増し、素晴らしかったと思います。
 第9:編成の小ささを感じさせない大きな音楽でした。低弦、とくにチェロの響きが素晴らしく、音楽が引き締まっていました。合唱もOEKのサイズに合っているように思いました。(もっとも独、合唱で楽譜を持って出てくる人たちを見たのは久しぶりですが)【緑区:K. I.】
○初めの曲で岩城さんが元気がないかな? 体調悪いのかな? と思ったのですが、第9で素晴らしいタクトだったので安心しました。体、健康には気をつけて下さい。ガンバって!
 来て本当に良かったです。(第9の)本もって・・・・。【可児市:M. Y.】
○遠路来られたバンベルク合唱団のみなさんのOEKとの息のあった第9の合唱を含め、大いに感動いたしました。この手の再演を願います。
 岩城さんにもくれぐれもご自愛の上、いつまでもOEK共々元気でご活躍下さい。ずっと応援し続けます。ありがとうございました、皆さん! 【鈴鹿市:T. N.】

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小山実稚恵 時空を超えて
2001年9月9日 スタジオ・ルンデ
○今日もまた充実した小山さんの演奏をルンデの場で聴けて幸せでした!「点と線」と聞いて、真珠の首飾り(A String of pearls)を思い出してしまいました。一粒一粒の美しい真珠がもみ出されるにあたっての真珠の苦しみに似た演奏者の労苦は見かけ上消え去った形で示された美しい曲の数々ということで、前半、特に好きでした(後半のラフマニノフの大曲は、ちょっと聴く方の体調が不十分で消化不良でした)【緑区: K. I. 】
○「点と線」、面白いテーマだと思い、楽しみにして参りました。つい最近豊田市のホールでもバッハを、又二年ほど前に岐阜の新しいホールでモーツァルトを聴かせていただいたのですが、両方とも少々響きすぎる会場でしたので、今日の最初の音を聴いた瞬間に「!」という感じでした。
 小山さんのベートーヴェンのソナタは初めて聴いた気がします。今日取り上げられている作曲家の中では一番ピアノから遠い存在のイメージがあるのですが、音が出てくる度にオケのパート毎に楽器が顔を出してくるような印象でした。後半、ピアノ自体の音の弾き方もグンと変えられて、小山さんのタッチにより一つ一つの音にツヤが出てきて……。
 シューマンはA,B,E,G,Gの音で小山さんご自身がパズルを楽しんでいらっしゃる様な感じで聴けました。ラフマニノフはもう素晴らしい!!というしかなくって……。
これから取り組んでいかれる「意気込み」の様な物も感じました。【東海市:T. Y. 】
○小山さんの演奏はどの曲も明快で健康的。音楽がストレートに伝わってきます。ラフマニノフのソナタなどレコードで聴いて少しも面白いと思わなかったけれど、今日の演奏はとってもよく分かりました。以前の「音の絵」の演奏会でも同じ事を思いました。スクリャビンの左手のためのノクターンもすてきな曲でした。
 2002年からスタートするスクリャビン、ラフマニノフのシリーズを楽しみにしています。【中村区: M. I.】
○世界で活躍されているピアニストの姿に間近に接しながら演奏を聴けて大変 ハッピーな時間を過すことが出来ました。ダイナミズムの大きさとピアニッシモ(特に音が消えていく瞬間)の美しさに驚きました。ただ、弱音で音が消える瞬間にピアノが小さな異音を発していたのが気になりました(後半は気にならなくなりましたが)。ホールの大きさに比べてピアノの音が大きいのではないでしょうか(どうしようもないことですが)。そのためか作品から立ち上る雰囲気がどの曲もあまり変らないように聞こえました。
 スクリャーピンの作品(最後のアンコール)、左手だけで演奏効果のある、ニュアンス豊かな演奏が出来るのに、大変感銘を受けました。
 ルンデの例会には、今年の2月の児玉桃さんの演奏会以来2度目の参加ですが、演奏者を間近に感じながら音楽を聴けるのは大変贅沢な一時であり、そういう場があるのは大変ありがたいと思っています。 休憩時間にコーヒーなどのサービスがあるのも嬉しいです。トイレに並ぶのが「たまに傷」と行ったところでしょうか。【瑞穂区:T. Y.】
○バッハからラフマニノフへ、そして現在へという方向で音楽を見ていく中でいろいろな作曲家の作品を演奏するという試みで、確かに取りあげた作曲家の作品群が一本の線の上に乗っているという感じは受けました。しかし、これらの作曲家が書いた多くの作品のうち、今回取りあげた作品が選択された必然性までは残念ながらわかりませんでした。
 演奏の方は、ピアノという楽器の備える膨大な可能性を実にはっきりした形で見せてくれるものでした。元来私は、バッハの作品を現代のピアノで演奏することには懐疑的でしたが、今日の「半音階的幻想曲とフーガ」の演奏は、チェンバロでのものとは全く違った形でバッハの音楽の深さを示してくれたように思います。また、最後のラフマニノフのソナタでは、様々な音の織りなす絵の中に包み込まれるような感じがしました。ルンデのような、演奏者と音楽を共有している実感のもてるホールで、心にしみ込んでくるような演奏を聴け、曲の最後の余韻まで十分に味わわせてもらえる幸せを感じられる、実に贅沢な2時間でした。【瑞穂区:J. O.】
○期待が120パーセント満たされたすぱらしい演奏会であった。
 まずいつものやさしい笑顔で小山さんが登場され、モーツァルトの「幻想曲」が始まった。この曲は演奏がやさしいので自分もときどき弾くこともあって、細かく聴いた。ところでこの曲の演奏についてはふたつの考え方があると思う。というのはこの曲はひとつひとつの曲想そのものはモーツァルトらしく平明であるが、全体としてみた場合はかなりドラマチックにできており、平明さを取るか、ドラマチックなところを取るかでずいぶん違ってくる。小山さんはどちらかといえぱドラマチックな面を強調されていたように思った。実はこれは自分が常々感じているのとはちょっと違っていたので、聴いていて多少戸惑いを感じた。ただ、もちろんこれはこれで筋は通っている。
 バッハの「半音階的幻想曲とフーガ」は、バッハといえばまずこれが思い浮かぶ名曲である。予習として、ピシュナーがチェンバロで演奏したものを聴いておいたので、はからずも同じ曲をチェンバロで弾いた場合とピアノで弾いた場合の比較みたいになったが、小山さんの演奏を聴いているうちに、これはもともと比較してはいけないのだと思った。音質もダイナミックスも全然違うし、チェンバロにはペダルがないといったこともある。そして小山さんの演奏はピアノという楽器の性能をフルに生かした華麗なもので、バッハがこんなに華麗に響くのかと思うぱかりであった。フーガの部分はいろんな声部が入り乱れるわけだが、どの声部を聞かせるかは演奏者の主観であろう。これについては楽譜が手元にないので詳しいことはわからなかったが、それぞれの「入り」がきちんと聞こえてきたのはさすがであった。
 べートーヴェンの「ホ長調ソナタ」は要するに第3楽章の変奏曲が主体で、演奏時間からしても全体の4分の3を占める。つまり第1楽章と第2楽章はいわば第3楽章への序奏みたいなものである。こういう曲は、気持ちの作り方が難しいのではないかと思う。小山さんは第3楽章へ入る前に少しポーズを置かれたが、やはりここから別の音楽が始まるということだったのであろう。演奏は全楽章を通じてかなりロマンチックな雰囲気で、なるほどべートーヴェンの音楽にはこういうロマンがあるのかと感心した。ところで、この曲は特に第1楽章でかなり高い音が出てくるが、その音がどうも痩せていて響かなかった。おかしいなと思っていたら、休憩時間に調律のかたが調整をしておられた。いつも思うのだが、ピアニストは自分で楽器を選ぶことがほとんどできないから、これはかなりのハンディキャップなのではないだろうか。
 休憩のあとはまずシューマンのアベツグ変奏曲から始まったが、小山さんはステージに出てきてすぐに軽く弾きはじめた。これは曲の性格からして、弾くほうも聴くほうも気楽にということなのだろうが、たくまざる演出であった。演奏も実に気持ち良く流れ、休憩のあとの曲として選曲がとてもよかったと思う。
 ショパンのマズルカは、やさしいものを選んで自分もよく弾くので、親しみやすかった。もっとも、この日演奏された4曲のうち作品7の1以外は自分には難しくて弾けないものだったが……。なお以前に「マズルカにはマズルカの弾き方というものがある」という話を聞いたことがある。それはたとえば第3拍をちょっと強調するといったようなことらしかったが、ショパン弾きの小山さんに機会があったら聞いてみたい。
 最後のラフマニノフは「凄かった」の一語である。おそらく初めて聴いたのではないかと思うが、ラフマニノフというからにはある程度予想はしていたものの、こんなに「凄い」曲だとは思わなかった。しかも小山さんの演奏はまさに入神といってよく、近くで(この日は前から2列目であった)聴いていたこともあって、なにか音楽を超えたものが怒涛のごとく押し寄せてくる感じがした。和音も複雑だし、早いパッセージはとめどもなく早いし、おそらくピアノにできることをすべて要求しているような曲である。そしてそれを小山さんはまさに「弾き切った」。いったいピアニストの頭脳はどんな構造になっているのだろうと思った。まさにプロの中のプロの演奏で、プロ魂とはこういうものかと思ったのであった。
 アンコールはまずショパンの「マズルカ」の作品67の4(イ短調)。これは自分でもよく弾くので弾いてもらってうれしかった。続いて同じくショパンの「24の前奏曲」の24番目の曲。そして最後はスクリアビンの「左手のためのノクターン」という珍しい曲であった。
 考えてみるとこの日は、モーツァルトに始まり、バッハ、べートーヴェン、シューマン、ショパン、そしてラフマニノフと、古今東西のピアノ音楽のエッセンスを聴かせてもらった(これにリストが入れば完壁だったが、それはぜいたくというものだろう)。いわゆる古典的なピアノ音楽はラフマニノフ(そしてアンコールで演奏されたスクリアビン)あたりでひとまず区切りだと思うので、要するに古典的なピアノ音楽のすべてを聴かせていただいたわけである。演奏するほうはずいぶん大変だったろうと思うが、聴いているほうからすれぱ充足度120パーセントの演奏会であった。【刈谷市:T. S.】

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イリーナ・メジューエワ メトネルを弾く
2001年8月9日 スタジオ・ルンデ
○移ろい止まぬ精神の流れを表現し、接する者の想像力をかき立てるような抽象性と余白を残した独特の個性をたたえたメトネルの楽曲に、イリーナ・メジューエワ氏は高貴なる魂を吹き込み、見事に語りかけていた。素晴らしい演奏でした。心が震えました。氏の益々のご活躍を期待しております。
 実は初めてこの度ルンデに伺いました。少人数で聴くことのできるこの上ない贅沢なひととき、至福の音楽のひとときを有り難うございました。【名東区:Y. S.】
○ あまり知られていない作曲家の紹介、ということで、思わず中村攝さんのことを考えてしまいました。メジューエワさんの弾くメトネルは、曲に演奏がよく合っているのでしょう、大変素晴らしい紹介でした。ピアニズムもすごい、と思いました。
もう少し新ジャンルのSkazka(おとぎばなし)の曲を聴きたいと思っていたらアコールでやってくれて満足です。それにしても、ルンデ初登場ピアニストは聴衆の期待を裏切りません。他所には「お子様ランチ」の季節ですが、歯ごたえのあるコンサート目白押しのルンデに感謝!【緑区:K.I.】
○この作曲家、なぜメジャーになっていないのか?と不思議に思えるくらい素晴らしい演奏、作曲でした。前半第一曲目のソナタが素晴らしくてびっくりしました。やはり白眉は後半でしたね。とにかくよかったです。またルンデにメジューエワさんを呼んでください。【守山区:J. I.】
○メトネルを初めて聴きました。「ロシアのショパン」という言葉やメジューエワさんの楚々とした姿から受けていたイメージとは全く違った曲と演奏に驚きました。驚きが少しさめてから聴いた最後のソナタが一番印象に残りました。【K. M.】
○メトネルという作曲家の名前は自分も一枚CDを持っていたので知っていたが、経歴など詳しい事はあまり知らなかった。
 ハーモニー的には終始するところに何か新しさを感じる。すごくエネルギッシュな演奏ですごかった。(ルンデは)初めて来たのですがすごくいい企画があってうれしいです。たまたまロシア物が多いみたいですが、これからもアントン・ルビンシテイン、アレンスキーなどやっていただければと思います。【長久手町:Y. Y.】
○生涯で最も感動した。この感動は言葉では表現できない。本当にありがとう。ぜひ再演を。【岐阜市:K. M.】
○メジューエワさんの事は名音大の職員の方を通じて知りました。曲目は知らない物ばかりでしたが、柔らかい音がすごくきれいに聴こえてよかったです。【員弁郡:A. H.】
○三年前、ふと目にしたCDの紹介でイリーナ・メジューエワのCDを手にしてから待ち望んでいたコンサートでした。今後とも名古屋へ来て下さい。
 ピアノと戯れ、ピアノと一体になり、メジューエワ自身がピアノのような素敵なひとときでした。【K. H.】
○メトネルはヴァイオリン・ソナタをCDで聴いたことがあるくらいで、まとまった作品を聴くのは今回が初めてでした。プレトークでのメトネルの略歴・作品についての解説は簡潔に纏められていて非常に参考になりましたし、何よりメジューエワさんのメトネルへの想いのようなものが伝わってきました。
 ステージに現れたメジューエワさんは、清楚で華奢なロシア美人で、演奏もやわらかいタッチの優美なものかと思ったら、そのパワーヒッターぶりにびっくり。ひょっとして流派が同じなんでしょうか、ソフロニツキーの弾くスクリャービンを思い起こさせました。
 プログラムの中では、忘れられた調べの「追憶のソナタ」、3つの小品の「おとぎ話」が良かったと思います。アンコールで演奏された2曲の「おとぎ話」も素敵でした。
今年聴きに行った演奏会のベストというだけでなく、ピアノのリサイタルとしてはこれまでに聴いた中でも最高だったと思います。メジューエワさんには、是非また来演していただいてオール「おとぎ話」プログラムとかメトネル、スクリャービン、ラフマニノフのロシア・プログラムなんかを弾いていただきたいです。【千種区:J. I.】

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崎元 譲 & 三宅美子
2001年7月8日 スタジオ・ルンデ
○なつかしい響きが部屋いっぱいにひろがって、しばし暑さを忘れました。
 ハーモニカもハープも表現力が大きいことをあらためて認識しました。親しみのある音楽に何ともぜいたくな夏の午後でした。【中村区:M. I.】
○耳慣れた旋律が心地よかったです。とても楽しく、気持ちよかったです。【Mu】
○私は全くの素人で、今までコンサートなど聴いたことがありません。崎元先生の魔術師のように、また夢幻のような調べに感激しました。また、私はハープの実物と音を初めて聴きました。
 このRundeにくる素養とシカクがありませんが、来て良かったと感激しております。
【豊橋市:T. K.】
○ハーモニカにハープがとってもよく音色的に合い、素晴らしいコンサートでした。ハーモニカの演奏法に特に注目して聴かせてもらいましたが、重音奏法等、ため息の出るような見事さ、美しさでした。
 ソロの“マラゲーニャ”、アンコールのデュオの“ヴァルセンチーノ”はその中でもすごい!
【緑区:K. I.】
○崎元さんというかたはもうずいぶん何度もルンデにきておられるかたらしいが、残念なことに一度も聴いたことがなかったので、一度ぐらいはぜひハーモニカのコンサートを聴いておこうと思って出掛けた。
 結果を一言でいうと、ハーモニカという楽器の表現能力の深さ広さにすっかり感心してしまった。実はリサイタルだというからには何種類かのハーモニカが登場するのかと思っていたら、最初から最後まで一本のハーモニカで、それでいて実にいろんな音色が出てくるので、ほとほと感心した。ただ、多少なりとも楽器の演奏に携わるものとして気になったのは、どう見ても穴が十個くらいしかない楽器でどうやって三オクターブもの音が出せるのか、音を重ねたり、音色を変えたりする仕掛けはどうなっているのかといったことで、当日も簡単な説明はあったが、もうちょっとくわしく知りたかった。もっとも、音楽というものは耳で聴いて感動すれぱそれでいいのだから、不必要に楽屋裏の事を聞きたがるのはいけないことなのかもしれないが……。
 ハーモニカの作り出す雰囲気を一言でいうと「哀愁」ということだろうか。これは当日の曲目が、どちらかというと旋律を美しく聴かせる曲が多かったこととも関係するだろうが、本質的に「短調」または「情緒」の楽器であるように思った。もっとも、この日の曲目のなかでも“マラゲーニャ”(これはこの日のすべての曲のなかで最も傑出していたと思う)などになるとかなり様子は違うので、あまり一方的にこの楽器の性格を規定してしまってはいけないと思うが、静かな旋律を綿々と歌われると音が心の奥底にしみ込んで十曲が演奏されたが、曲目もお馴染みのものが多かったし、お二人のトークが間にはさまるのでとても面白く、いつのまにかコンサートが終わってしまった。崎元さんも三宅さんもなかなかに話がお上手で、特に三宅さんのお話は時にユーモアがあったかと思うと時にしんみりしたところもあり、聴衆のなかにハープを勉強している女の子がいると見ると話し掛けたりといった具合で、気取ったところがまったくなく、大変に楽全体を通じて演奏が三分の二、トークが三分の一ぐらいの感じだったがとても気楽に聴けた。これはまさにルンデでなけれぱできないことである。
 それにお二人の話から感じたのは、お二人ともいわゆるポピュラー・ミュージックの世界にかなり入りこんでおられるということで(話が軽妙だったのもそのあたりにひとつの原因があったのかもしれないが)、新鮮な感じがした。もともと音楽をクラシックとポピュラーに分けてしまうこと自体、自分はあまり好きではないので、このようなスタイルの音楽家と接するのは楽しい。
 楽しい音楽会であった。この種のコンサートは企画する人と演奏する人、そして聴く人の気持ちが揃わないとうまくゆかないものだと思う。商業ベースにはなかなか乗らないのかもしれないが、何とかもっとたくさんやってほしいものである。
【知立市:T. S.】

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高橋悠治 『バッハからユージまで』
2001年7月6日 スタジオ・ルンデ
○すごいコンサートです!全部初演を聴くようにしてきけました。
 前半では、古典調律なのにサティが一番それらしく、次がモーツァルトで、バッハは一部のパッセージを聴いただけではバッハと分からないように自分にはきこえたのが面白かったです。サティのジムノペディは大好きなピアノ音楽でしたが、今日のサティ全5曲の演奏は素晴らしかったです(特に遺作)。
 後半も、「禁欲的」ともいえる音楽からアンコールまで、高橋さんのピアノは素晴らしかったです。特に、シュークルとナの音楽が好きになりましたが、シュークルの音楽は「彼岸の音楽」のように響きました。
 それにしても高橋さんは、ピアニストとしても凄い人です。【緑区:K. I.】
○バッハから悠治までの不思議な音楽会でした。最後のアンコールでパーセルやモーツァルトに戻ってきて、音楽はこう聴かなければいけないという枠はなくて、それぞれの音が楽しげに、一つづつ主張をもって集まっているのだなと思いました。【中村区:M. I.】
○ひょんなことから今日のコンサートを知り、当日券で聴きに参りました。自由奔放なところがよかったです。
(ルンデは)こぢんまりとして家庭的な雰囲気が心地よいです。【名東区:A. I.】
○イラストのギョロリ目玉の高橋氏は、音楽界の最先端を走っている20〜30代の若者のイメージで来ました。中年の練達の紳士の指先から美しいピアノの音がこぼれました。
 何よりも高橋氏の「プログラム・ノート」の解説をたいへん興味深く拝読。今夜も収穫大のコンサートでした。【無名氏】
○高橋悠治さんは、何をやっても「高橋悠治」でとても良かった(特に後半)。
 埼玉のリサイタル以来久しぶりに聴かせてもらい、是非またルンデさんでリサイタルをしてほしいと思います。調律の違いからか、とても音がまろやかで楽しいコンサートでした。
 ピアノの使い方、ホールの空間の活かし方など色々と勉強させて頂きました。【小牧市:T.K.】

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